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高学歴女子の厳しい現実

高学歴女子の厳しい現実

 たとえ女子であっても「学歴」は低いよりも、高いほうがいい――そんな考えに頷ける人は少なくないのではないでしょうか。たしかに学歴社会と言われる日本では、女性であっても、中卒よりも高卒、高卒よりも大卒のほうが、できる仕事の幅も広がり、お給料も高いという側面はあります。子供の将来のために幼いころから塾や習い事を熱心に受けさせる親も、年々、増えているように思います。

 本書『高学歴女子の貧困』は、学歴社会に従順に行き、優秀な成績で進学し、高学歴を得た「後」の女性が本当に幸せになっているのかについて疑問を投げかけます。

 同書を執筆・監修した水月昭道(みづき しょうどう)さんは、現代日本社会のなかに厳然として横たわる男女の性差にまつわる一筋縄ではいかない社会問題が「高学歴女子」を苦しめていると指摘。また、同書では共著者として、一橋大学非常勤講師の大理奈穂子(おおり なおこ)さん、フリーライターの栗田隆子(くりた りゅうこ)さんというふたりのアラフォー高学歴女性と、1959年生まれで『アーティスト症候群』などの著書がある大野佐紀子(おおの さきこ)さんの3人の女性が、自身のエピソードなどをもとに”高学歴女子”の厳しい現実を赤裸々に綴っています。

 たとえば大理さんは日々、英語担当の非常勤講師として必死に働いていますが、正規雇用制度に乗れないがためにぎりぎりの生活を送っているのだとか。彼女が専攻する人文系の学問分野では、そもそも大学の専任教員になる以外にほとんど生計を立てる道がないにも関わらず、「免許証」となる博士の学位を取ろうとすれば、ほかのどの分野にも増して難しいという倒錯した世界。その彼女は、同書のあとがきでこう語っています。

「高学歴の女子が立たされている位置が、同様の男子の場合と違って『見えにくい』ことで、彼女たちがたとえば家族などとの親密な関係のなかでさえ、日々どれほどの消耗戦を強いられているのか」
                                  
 どれほど頑張っても己の力とは関係のない日本社会の暗黙の壁や制度上の問題で苦しむ当事者である「高学歴女子」。「『オンナとして生まれた』なら、『何を選択し、どう生きればよいのか?』」。同書は、この難問を考える手掛かりとなる一冊となるのではないでしょうか。

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