小倉弘子、根底には「アナウンサーがやりたい」 50歳でTBS退局した今は「発信する、喋るっていうことを大事に」

2024年末に、27年間勤めたTBSを退局しフリーアナウンサーとなった小倉弘子。在職中に元プロサッカー選手の水内猛と結婚し、3人の子どもに恵まれた3児の母でもある。激務で知られるアナウンサー業、そして育児だが、これまでどのような生活を送っていたのだろうか。そして、50歳を節目に退局を選んだ理由、今後の展望など、仕事からプライベートのことまで赤裸々に語ってもらった。
――まず、TBSを退局された経緯からお聞かせいただけますか。
50歳になってから、あとどれぐらい働けるのか、働かなくちゃいけないのかなと、先のことをずっと考えていました。1番下の子どもがまだ小さいこともあって、70歳ぐらいまでは働きたいと思ってはいたんですけど、例え定年制度が変わったとしても現役のアナウンサーとして働くのは難しいと思いました。それに、組織を支える仕事よりも、アナウンサーという仕事がやりたい気持ちが根っこにあったので、だったら会社にいるよりも思い切って飛び出してスタートを切ろうと思ったんです。
――葛藤はありませんでしたか。
コロナ禍に1番迷いました。管理職になったこともあって、後輩のスケジュールをマネジメントしながら自分の仕事もやって、さらに子育て。コロナ禍ということもあって世の中、自分の仕事など全てがイレギュラーだったので、とにかく毎日を乗り越えることに精一杯で飛ぶように時間が流れてしまい、ふっと思ったときに「40代って何してたんだっけ?」と、あまり記憶がなかったんです。それで、もう一度足元を見ながら仕事したいなっていう気持ちが、40歳半ば過ぎぐらいからありました。
――数年間悩まれていたんですね。最後の番組は『TBSラジオ ジェーン・スー生活は踊る』でしたが、どういった現場でしたか?
家族です。タイトルの通り、生活そのまんま。私の生活の一部であり、リスナーさんの生活の一部にもなりたいと思っていて、お互いリビングで相席しているような感じでした。最後まで卒業しない形で携わらせてもらえないかと思っていましたし、番組の皆さんもそう言ってくださって手を尽くしてくださったんですけど、TBSアナウンサーを卒業するってことは、TBSアナウンサーとして受けたお仕事はお戻しするのがルールということだったので、今は「また呼んでもらえるように頑張ります」って気持ちです。
――たくさん思い入れがありそうですが、特に印象に残っていう内容を挙げるとしたら何がありますか?
とにかく生活を踊らせたいということで「小倉さんの生活が踊ることは何でもやりましょう」と言ってくださったんです。「私の生活が踊るのは何かな」って考えたとき「やっぱり食事だな」となり、好きなものを考えたとき「納豆」がぱっと思い浮かんだので、最初から「納豆をやらせてください」とお願いしました。
――納豆レシピの開発、オリジナル納豆作りにも挑戦されていましたね。
スープジャーでやりましたね。でも、当時はスープジャーを持っていなかったので、水筒で作りました。いろいろなお豆が使えるので、私は少し大きめの黒豆で作ったんですけど、すっごくおいしかったです。納豆は小さい頃からずっと食べているので未だに愛してやまないものの1つですね。気づいたら子どもたちもみんな大好きです。

――お子さんは3人いらっしゃいますが、仕事と子育てのバランスを取るのは大変だったのでは。
とにかく自転車操業でした。漕ぐのをやめたら止まっちゃうので、私が漕げない時は夫に漕いでもらう。常に夫と「何時に帰れるか」「今日は何があるか」「明日はどうなるか」って連絡を取り合って、毎日お互い綱渡りをしていましたね。
――何年もその生活をされていたと。
そうなんですよ。でも実は私、子どもを授かりにくい体と診断されていたんです。結婚前に夫に打ち明けたときは「だったら2人の生活を楽しもうよ。いろいろなところを旅行しようね」と言ってくれて、それで結婚に踏み切ったんです。なので、1人目を授かったとき、夫は飛び上がるほど喜んでいました。そうして、子どもを抱きしめて始まった子育てでしたが「1人出来たらもう1人できるんじゃないか」と思い、産婦人科でタイミング療法やお薬などいろいろ試したんですけどダメだったので、諦めようと思ったとき2人目を授かったんです。「この2人を頑張ろう」と言っていたら、3人目。まさかの連続での3人なんですよね。
――妊活に励んだ過去があったんですね。第3子は40歳になってからの出産でしたが、不安はありませんでしたか?
43歳での出産でしたね。夫も45歳で第3子の父になったので「この年までオムツを変えてる予定じゃなかったな……」って(笑)。そろそろ親のおむつを意識する時期ですから。でも、ありがたいことに、1番下の子どもの保護者会も年齢層が幅広いので、孤独ではないです。
――昨年で50歳を迎えられました。健康を維持するために何か取り組まれていることはありますか?
会社員時代はなるべく歩くように心がけていたんですけど、会社を辞めてから運動量がかなり減ってしまったので、食生活を気をつけたり、できるだけ階段を使うようにしています。トレーニングはしていなくて、身近でできることをより意識的にするようになりました。
――他に取り入れてることはありますか?
NMNサプリメントを飲んでます。それはRefeelasとうサプリで知人にご紹介いただいたんです。
昔よくお仕事をご一緒していた元水泳選手の田中雅美ちゃんもきれいだな、透明感あるなと思っていたんですけど、その雅美ちゃんも飲んでいて! 本当びっくりしましたね。この商品には大豆発酵物も入っていて、私の好きな大豆も一緒に取り入れられるんで、とても気に入ってます。
――実際にどのような効果がありましたか。
まず、お腹の調子がすごくよくなりました。それまでは、年齢的にもいろいろな不調があって、同じものを食べているのに突然お通じがうまく出なくなったりしていたんです。今は花粉症持ちなんですけど、小さい頃はアトピーで喘息でもあったので、ホルモンバランスが乱れると未だに小鼻の脇が赤くただれたり、顔や首、デコルテの辺りに赤い発疹が出たりと、そういったコントロールできない悩みを抱えていたんですけど、それが良くなりました。
――NMNサプリメント以外に活用されているものはありますか。
青汁は毎日飲んでいます。野菜を多めに食べるように意識はしていても、なんとなくできていない気がするので、青汁を1本飲むと言い訳になるというか、サラダも食べたような気持ちになれるんです。それに、お昼は1人で過ごすことが多いので、1人分だけ葉っぱを洗ったり刻んだりするのは少し億劫なんです。そこで、パッと飲める手軽なものが充実していればそれに越したことはないなと思って。1番助かっています。

――お食事、運動以外で若さを保つために意識的にされていることがあれば教えてください。
面白いことを見つけたら追っかける、ですかね。少し前だと、SNSの「大沢たかお祭り」を見てグフグフ笑っていました(笑)。最高でしたね。「洗濯物をたたむ時にカメムシが出てきた瞬間の私」みたいな。「わかる!」と思いながら見ていました。ものによっては「作家入ってるでしょ!」ってのもあって、この大喜利は『ラヴィット!』(TBS系)も凌ぐんじゃなかなって思いました。
――まさか「大沢たかお祭り」をご覧になっているとは。そのほかには何かありますか。
本を読むのが好きなので、しょっちゅう読書しています。昔からページをめくるのが好きなんです。子どもの頃から喘息持ちだったんですけど、当時は病院に行って2、3時間待つのが当たり前だったので、病院の横にあった図書館で2、3冊借りて病院で待っているのが習慣だったんです。小学校3年生の時は赤川次郎さんが好きだったんですけど、その図書館にあった赤川次郎さんの本は全部読みました。

――50歳になった今、新しく挑戦したいと思っていることはありますか。
ハマれるものを見つけたいんですよ。自分が動きたくなるような好きなものを見つけたい。自分が動こうと思うような推しが見つからないので、今必死で探しています。
――趣味はそこまで多くないと。
そうなんですけど、ハマるとひどいんです。竹脇まりなさんにハマった時は7kgぐらい痩せました。毎日1時間やっていたので、周りの人たちに「彼女は人に言えない病気なんだ」と思われて声をかけられなかった時期がありました(笑)。ある日、1歳年下の外山惠理ちゃんに「本当は大変な病気なの?」と言われて、「違う!」と返したら「だったらもうやめた方がいい」と言ってくれて。それくらいのめり込んじゃいます。本も同じで、読み出すと話しかけられても気づかないんです。子どもに話しかけられてもダメなので、夫が「お母さん本読んでるから今は無理だよ」と言ってくれてるみたいです(笑)。
――それくらいハマれることが見つかるといいですね。将来を考えたうえでTBSを退局されたとのことでしたが、どのような50代を過ごしたいと思われていますか。
とにかく、何かを伝える仕事をしたいと思っています。それが司会業なのか、新しいネットの何かか、番組をやるのかわかりませんが、自分が発信する、喋るっていうことを大事にしたいと思っています。
――今はTikTokやYouTubeなどで手軽に発信できます。そういった媒体の活用は考えていないのでしょうか。
やりたいとは思っています。今年は選挙イヤーでもあるので、そういったお話もできればいいなと思っていますが、50歳のおばさんの話を聞いてくれるかはわかりませんね。
――27年間TBSアナウンサーをしていた小倉さんの影響力は強いと思います。
確かにテレビの影響力はすごいですね。ラジオの寄り添い感も本当にかけがえのないものなんですけれども、今は若い方々が情報を取るときは手元の携帯か、向き合っているパソコンじゃないですか。そのもどかしさは放送局にいたときからずっとあったので、放送局から離れた今は、そういう(SNS)届かせ方も考えたいと思っています。
――楽しみです。最後になりますが、TBSを退局された今、これから挑戦したいこと、楽しみにしていることを教えてください。
もう一度TBSラジオで喋るチャンスをいただくことです。『生活は踊る』に出られたら本当に最高です。せっかくだから『生活は踊る』でリスナーの方にごあいさつしたいですね。ファミリーだと思っていただけたと思うので!

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