【CEATEC JAPAN 2009】ケータイにもエコの視点?ドコモとauが出展したコンセプトモデル

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製品のライフサイクルが短く、次々と新製品が発売される携帯電話。廃棄物が増え、電子部品にはレアメタルと呼ばれる希少な金属も多用されるため、「資源のムダ使い」「環境にやさしくない」と言われることも。10月6日(火)から10日(土)の5日間、千葉・幕張メッセで開催されている通信・情報・映像の国内最大の見本市『CEATEC JAPAN 2009』では、エヌ・ティ・ティ・ドコモとKDDIが環境に配慮したと思われるコンセプトモデルをそれぞれ出展していました。ちなみに各メーカーは「環境」を前面に押し出してこれらを展示しているのではなく、記者の独自の視点に基づいて紹介するものなので、ご了承ください。

エヌ・ティ・ティ・ドコモは、プラスチックではなく木材をきょう体に使用したコンセプトモデル『TOUCH WOOD』を参考出展しています。「木を使うのがなんで環境にやさしいんだ!」と思うかもしれませんが、こちらに使用しているのは、建築用の木材には使えない間伐材と呼ばれる木材。間引きするために伐採され、山林でも放置されている木を有効に活用しようというコンセプトなのです。

実物を触ってみると、プラスチックなどのコーティングは一切使っていないため、手にしっくりなじむ木の感触が楽しめます。オリンパスが開発した木材の圧縮成形技術を採用。金型でプレスして気泡や導管を潰してしまうため、強度や耐久性、耐水性を実現したとのこと。1台1台、材料の木目によって模様や色合いが異なるものになるため、「自分だけのケータイ」として長く愛用できそうです。携帯電話本体はシャープ製。タッチパネル式のモデルとスライド式のモデルが展示されていました。商品化は未定だそうです。

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KDDIは、CO2を排出しないクリーンエネルギーとして注目されている燃料電池を使った携帯電話を参考出展。2005年に試作した段階では厚さ40mmだった電池を22mmまでスリム化し、さらに薄型化して実用化をねらっています。

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メタノールを燃料として電池に注ぎ、発電する仕組み。電池が空の状態から数分で、携帯電話に電力を供給できるそうです。フルに発電して320時間の連続待ち受け時間を実現。山など充電できない環境で長時間持ち歩く用途を想定しています。

とはいえ、まったく従来の電気を使わないわけではなく、用途に応じて通常のリチウムイオン電池に付け替えて使うことを考えています。「クリーンエネルギーに代替」が狙いというより、大容量で長時間使える電池として燃料電池に期待しているようです。

実用化されたらメタノールはどこで入手できるようになるのか説明員に尋ねたところ、『auショップ』やコンビニエンスストアで買えるようにしたいとのこと。現在は消防法の規制で持ち歩ける量に制限があるなど、実用化までには燃料の扱いの面でもハードルがあるそうです。燃料電池の用途が広がればメタノールが気軽に入手できるようになり、コンセントが要らないガジェットが増えてくるのかも。

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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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