毎日新聞倒産への道

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今回は三橋貴明さんのブログ『新世紀のビッグブラザーへ』からご寄稿いただきました。

毎日新聞倒産への道
毎日新聞の第34期中間決算(平成23年9月30日)が発表されたのですが、凄いことになっております。2010年7月28日の記事 *1 で、下記のように毎日新聞の平成22年3月決算の“健全性”の凄まじさをご紹介しました。

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『さて、問題の健全性分野。(  )内は対前年同期の数値です。 
◆流動比率:54.2% (70.9%)
◆当座比率:35.4% (44.1%)
◆自己資本比率:5.8% (10.5%)
(中略)
ちなみに、“一般的には”流動比率が100%以上であれば、1年以内に支払不能になる可能性が低いといわれています。すなわち、流動比率は100%を超えていることが普通なのです。さらに、当座比率の方は“100%以上であることが望ましい”とされています。毎日新聞の場合、流動比率が54.2%、当座比率が35.4%ですから、もやは“健全性が危機的水準に至った”と判断しても構わないと思います。と言いますか、ここまで低い流動比率や当座比率は、本当にはじめて見ました。
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*1: 「毎日新聞倒産への道 その12」 2010-07-28 『新世紀のビッグブラザーへ』より引用
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10603061706.html

上記の通り書きましたが、今回は↑健全性がこんなレベルではなくなってしまいました。

『毎日新聞第34期半期報告書』(平成22年9月30日時点) 『新世紀のビッグブラザーへ』
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_32.html#Mainichi

今回の中間決算における、健全性分野は以下の通り。(  )内は前中間決算期。

◆流動比率:39.5%(51.0%)
◆当座比率:23.3%(31.8%) 
◆自己資本比率:4.4%(5.1%) 

流動比率が4割を切っている~っ!!!! こんな決算が存在しうるとは……。

いや、当座比率の23.3%も凄いです。なにしろ、現金や売掛金、受取手形など、当座に“現金化”できる資産では、“1年以内に返済が必要な負債”の四分の一しか賄えないということですから。中間決算時の流動比率や当座比率が悪化したのは、資産の減少というよりは、負債の増加のためですね。ずばり、“短期借入金”の増加のためです。何しろ、前中間決算と比べて百億円以上増えています。

しかも、損失を重ねることで純資産が食いつぶされつつあり、ついに自己資本比率が4.4%に低下してしまいました。バランスシートの95.6%は負債ということでございますね、はい。

純資産の部を見ると、何と利益剰余金が残りわずか2億5100万円になってしまっています。平成22年9月末中間決算時点の純損失が18億円。ここに下半期で2億5千万円の損失が加わると、利益剰余金がきれいさっぱり食いつぶされ、資本金を侵食しはじめることになります。

もう、ゴールしてもいいんじゃないですかぁ?

健全性があまりにもインパクトがあり、いまいち影が薄くなってしまいますが、収益性は以下の通り。(  )内は前中間決算からの変動です。

(単位:百万円)
◆売上高:61,632 (▲5.3%)
◆売上原価:36,247 (▲5.2%)  <<<コスト
◆売上総利益(粗利益):25,385 (▲5.3%)
◆販管費:27,488 (▲4%) <<<コスト
◆営業利益:−-2,102 (前年同期は-1,835)
◆経常利益:-2,431 (前年同期は-1,537)
◆純利益:-1,804  (前年同期は-942)

前期は、中間決算時点で9億4千万円の赤字だったにも関わらず、その後、コストをガリガリ削って黒字にもっていきましたが、今回も同じことをするんでしょうかね? 新聞産業の状況を見る限り、最終損失が20億円を突破し、利益剰余金が消滅する可能性の方が高いと思いますが。 

執筆: この記事は三橋貴明さんのブログ『新世紀のビッグブラザーへ』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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