【放送技術】1万5千円でポータブルミキサーを作るやりかた
今回はNKHニコ生企画放送局のブログ『[NKH]ニコ生企画放送局』からご寄稿いただきました。すべての画像を表示するには、こちらをご覧ください。
【放送技術】1万5千円でポータブルミキサーを作るやりかた
放送局の人達が外での収録で利用する音声機材に、ポータブルミキサーというものがあります。
これは、2〜4の音声入力をミックスするためのミキサーを、外で使いやすいようにコンパクトに、つまみをわかりやすくしたものです。電池で動くようになっていて、NKHの生放送でも使えれば非常に便利なのですが、何しろ値段が高いのです。いーっちばん安いもので3万 *1 、高いものだと40万クラス *2 のものも……。
*1:『2チャネルポータブルミキサー FMX-20』アツデン株式会社
http://www.azden.co.jp/product_301.html
*2:『ポータブルデジタルミキサー DMX-P01』ソニービジネスソリューション株式会社
http://www.sony.jp/pro-audio/products/DMX-P01/index.html
そこは、自作・改造大好きなNKH。今回は既存の民生用機材を使ってポータブルミキサーを作ってみましょう。
というわけで材料その1、Yamahaの『AUDIOGRAM6』 *3。これはUSBオーディオインタフェースとして非常に優秀な製品で、NKHでも2台所持しています。一部の業務用マイクに使うファンタム電源も内蔵し、コンプレッサーもついているので、音量が上下しがちな屋外でも安定させることができる優れもの。
*3:『AUDIOGRAM6』Yamaha
http://www.yamahasynth.com/jp/products/interfaces/audiogram/#specification-audiogram6-anchor
何よりこの機材、パソコン(PC)に接続しなくてもUSBで電源を供給するだけで利用できてしまうのです!もちろん、以下のTipsはPCとそのまま接続しても使えますよ!
《以下の改造において生じた責任はNKHは一切負いません。念のため。》
そして、100円ショップで買ってきた小物入れバッグ、カラビナ、マジックテープ。計300円。
つぎに、秋月電子で販売している、単三4本USB電源セット。これは、単三電池の出力を“そのまま”USB端子に出すもの。電池は必ずニッケル水素充電池を利用してください。アルカリ電池を利用すると電圧が高すぎて『AUDIOGRAM6』が故障する可能性があります。ニッケル水素電池だと、定格出力が1.2Vなので、1.2x4=4.8Vと、USBの電圧に少し足りないくらい。これで理論上は『AUDIOGRAM6』が4時間動作します。
ふたを閉じるとこんな感じ。スイッチもついていて便利です。DC5Vの表示はおまけと考えましょう。
バッグに入れやすいように、L字のコネクタを買ってきました。
ケーブルで電池と『AUDIOGRAM6』を接続します。電池の電源を入れると無事起動しました!
上に伸びるマイクケーブルは邪魔ですよね、なので、こういう変換ケーブルでL字に変換します。この種のケーブルは、見た目が同じでも内部の配線が違って全く動作しないことがありますので注意して下さい。
(以前説明した500円で変換ケーブルを作る方法 *4 とも別の結線です!)
*4:「【画像つき】500円以下でできる! 業務用マイクをパソコンにつなげる方法!」2010/02/11『[NKH]ニコ生企画放送局』
http://nkh.enjoynicolive.com/p166.html
あとはヘッドホンもつなぎ、音声出力はアナログでご自由にお出しください。
ひとつだけ注意点なのですが、『AUDIOGRAM6』は、ヘッドホン出力とアナログライン出力の音量のつまみが一緒なのです。ですので、『AUDIOGRAM6』のMainのつまみは音が割れない程度に大きくして、後の音量調整はつないだ先のPCやヘッドフォンで合わせましょう。ボリューム付きヘッドホンケーブルも市販されています。
一式を先ほどのバッグに詰め込んで、マジックテープで固定すれば。
伊予柑先生、かっこよくきまりました。音声さん御用達、ポータブルミキサーの完成です!!
この、『AUDIOGRAM6』ポータブルミキサー化計画の利点は、市販の『Bluetooh』送信機や、はては業務用ワイヤレスシステムを使って無線で音声を送ることで、PCを持つ人と音響さんが別に担当できることです。PCとカメラを持って生放送する人は、なかなか音声にまで気が回らないもの。でも放送において重要なのは、実は映像よりも音声なのです。
今後、NKHの放送でもこのポータブルミキサーを大活用していきます!
by 990のひと
執筆: この記事はNKHニコ生企画放送局のブログ『[NKH]ニコ生企画放送局』からご寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信
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