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【モゲラプロジェクト】Flashゲームクリエーターインタビュー powered by 0stage 第8回:ババラ(中編)

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未来検索ブラジルはこの冬、Webゲームと、その作者であるクリエーターを紹介し、サポートしていく新サービスをリリースします。開発はいよいよ佳境に入り、近日中に新しい情報をお届けできる予定です。新サービスのリリースを記念してお送りするFlashゲームクリエーターへのインタビュー第8弾は、ババラさんの2回目。ゲーム制作へのモチベーションやこだわりについて聞いてみました(編集:未来検索ブラジル、インタビュー・写真:0satage 星野健一)。

クリエーター:ババラ
『BABARAGEO』(http://babarageo.com/)で作品を発表するクリエーター。ドット絵をフィーチャーした、レトロゲーム調の作風が特徴。アクションRPGの『ゼノレダ』やシューティングゲーム『ウチューフォース』で注目を集め、2007年に発表したアクションRPG『太くて長いオレの○○○』、2008年に発表した続編『太くて長いオレの○○2』を世界的にヒットさせた。

前編はこちら

■なぜゲームを創るのか?
星野 基本的には、お仕事とゲーム制作は関係しないわけですよね。

ババラ そうですね。

星野 そういう中で、自分のプライベートな時間を使ってコンテンツを創る理由ってなんですか?
生きるにあたっては、創っていなくてもいいわけですよね。

ババラ ブログで「創る」と書いちゃってるからっていうのもあるし、そうやって「創る」って言っちゃったのに、他のもの創って公開しちゃったりして。
そうすると、「続編を待ってマース」みたいなコメントをもらって、こちらも「待っててねー」みたいに書いちゃったりして。
だんだん創らなきゃいけないものが増えてきちゃって(笑) 。

星野 「創る」っていっちゃった手前とか、続編への期待とか、うれしい外圧ですね(笑)、なるほど。
でも、そもそも最初に創り始めた理由はなんだったんですか?

ババラ 『遊撃手』っていうパソコン雑誌が昔あって、『Wizardry』とか『Load Runner』みたいな Apple のゲームを扱ってた硬派な雑誌だったんです。
その雑誌に掲載されていた(多分)南伸坊のインタビューか何かで、「モニターにコンピュータで出力した絵が映っているのを観るだけでうれしくなる」みたいなことを言ってたんです。

それを読んだときに凄く共感して。
自分で描いた絵を何とかして操作できるものを創りたいと思って、PC-6001のころからゲーム創ってるというのがあるかもしれない。

星野 新卒の時にゲーム会社へアプローチして、実際に就職したりしていたということは、ゲーム制作を仕事にしようと思っていたときもあったんですよね。

ババラ そうですね。
今は、ゲームを創るために生活をしなくちゃいけないから、仕事をして生きられるようにしてゲームを創っている。

星野 会社にバレないようにっていうのはないんですよね。

ババラ 以前の会社ではこっそりやってましたけど、今はバナーゲーム創っちゃったり、同僚がテストプレイしてくれたりしてるんで。
隠していないというか、バレバレですね(笑) 。

星野 今の制作規模には満足しているんですか?

ババラ そうですね。
最初の就職活動のとき最終面接サボっちゃった会社に入ってたら、多分今は3Dでおっぱいの揺れ方がどうとか、やってたんじゃないかと思うんですけど(笑)。
自分自身は、今の3Dの絵はそんなに好きではないんで。

かといって昔懐かしいドット絵のゲームを創らせてくれるゲーム会社もなさそうっていうか、仕事でそういうゲームを創るのはとても大変そうですよね。
そう考えると、今の環境っていうのはよかったのかな、と思ったりもしてます。

星野 そうですね。
仕事で創るのは、色々自由にならないことも出てきますからね。

ババラ これでアメリカみたいに自作のFlashアプリケーションで食っていけるなら、それはいいなって思いますけど。

■小中学生のコミュニティから流入
星野 サイトへのアクセスの波はどんな感じですか?

ババラ やっぱり小中学生が多いので、春休み夏休みにアクセスが特に増えますね。

星野 小中学生が多いですか。

ババラ 圧倒的に(笑) 。

星野 小中学生だっていうのはどうやって判断してるんですか?

ババラ コメントで自ら小学生とか中学生だって書いてる人は、まあ、おっさんが詐称してる可能性もありますけど(笑)、おそらく小中学生でしょう。

後はリンク元が子供向けの掲示板だったりすることが多いので、予測として子供が多いという判断です。

星野 子供向け掲示板って恐るべしですよね。
全然しらないサイトに巨大文化圏があって。

ババラ 巨大コミュニティがあって。

星野 Webだからコミュニティが大きければ気付いてもよさそうなのに、普通の大人のネットアクセスでは絶対に行き着かない。
検索エンジンからの流入は『Google』と『Yahoo!』だとどっちが多いですか?

ババラ 『Yahoo!』の方が多いんじゃないですかね。

星野 キーワードはどんなのが多いですか?って、さっきからSEOっぽい質問ですいません(笑)。

ババラ 昔は「Flash」とか「ゲーム」とかが多かったし、サイトつくる時もそういうキーワード意識してたんですけど、最近はそういうキーワードはほとんどなくて「太くて長い」とか「ババラ」とか(笑)。

星野 タイトルとかサイト名直接で来るんですね。

ババラ なので危機感を感じていて(笑)。
SEO対策でスタイルシート対応し始めたりとかしてるんですけど。

■新しく創ることがモチベーションに
星野 (笑)。
ブログで公開して、その後完成に至るゲームと至らないゲームがありますよね。
例えば『太くて長いオレの○○2』は結構なスピードで完成に至っていると思うんですけど。
完成に至る/至らないの差はどういうところから出てくるんですか?

ババラ 割と新しいゲームは早く完成できるんですね。
今まで創ったことがないゲームとかは。
で、創り方が分かっちゃったゲームは遅くなっちゃう。
創り方の手順が分かっちゃってると作業になっちゃうんで、なかなか作業が進まないっていうのはあります。

星野 『太くて長いオレの○○2』は『太くて長いオレの○○○』があったけれども、新しいつくりだったんですか?

ババラ そうですね。
ボスの攻撃で色々初めてやることをやってたんで、ノリノリで創れて早めに仕上がりました。

星野 創ること自体も楽しくないといけない(笑)。
作業感が出てくると、モチベーションが維持できなくなってくるんですね。

ババラ そんな感じでやってるので、楽しみに待っていただいている皆様にはご迷惑をおかけしております。

■“ドット絵”にこだわる
星野 創るときにこだわっていることはなんですか?

ババラ ドット絵です。
ドット絵といっても正確ではなくて、回転パターンとかは大変なんで創らずに、そのまま回しちゃったりするんですけど。

星野 テーストの話ですよね。

ババラ ドット絵を構成する色数のルールを一番最初に必ず決めます。
ゼノレイダー』が分かりやすいんですけど、『ゼノレイダー』のアイテムは6色で表現してるんです。

星野 印象より少ない。

ババラ 後は『ウチューフォース2』の敵単色とか。
『太くて長いオレの○○2』は、キャラクターごとに使っている色は違うけど、色数は黒プラス3色で固定しています。
1キャラだけ間違って、黒プラス4色使っちゃってるんですけど(笑) 。

星野 それってどのキャラですか?

ババラ それは内緒で(笑)。
探してみてください。

星野 色数を制限する理由ってなんですか?

ババラ 見た目の統一感を大事にしてるのと、性格付けを色でやっているというか。
特別なボスとかアイテムだけ色数を増やしたり、違う色を使ったりして、スペシャルな印象を与えたりっていう効果を与えています。
『ゼノレイダー』の最後の剣だけ青を使ってたり。

星野 色数を制限することで、テーストとして昔のゲーム画面のような印象を与えますよね。
『ウチューフォース2』のように敵を単色にすると、単色スプライトの印象が得られるし。
画面全体の色数が結構多くても、キャラごとの色数が制限されていると懐かしいドット絵のテイストがあるにもかかわらず、実際には豊かな絵が創られていくとか。

ババラ 色数を縛るのは、ゲームを創るならやってみるといいと思いますね。

星野 インタラクティブなコンテンツではどこに何が表示されるか分からないところがあるから、要素ごとに色を絞れば状況も把握しやすくなりますよね。

ババラ 描くのも楽だし(笑) 。

星野 そこで落としちゃうんだ(笑) 。

ババラ 『MSX』とか昔のハードは、本当にハードの制約で色数とか制限されてたわけですけど、今はそういう制約はないですよね。
だから、自分で制限しないで創っちゃうと、背景だかキャラだかよく分からない画面になっちゃう。

星野 テーストでいうと古っぽく見せるっていうことですよね。

ババラ ドットも、別に細かく描いたりパターンをたくさん描こうと思えば描けるけれども、それには時間が掛かっちゃうし、それでおもしろくなるのかっていうとそうじゃないよなって。

星野 面白さの本質はそこじゃないと。
個人の限られた時間でおもしろさを追求しようとしたときに、何を削ってどこに時間をかけるかってことですね。
なるほど。

■“新規性”より“面白さ”
星野 ゲーム性に対するこだわりってありますか?

ババラ ないです(笑) 。

星野 (笑)。
難易度はどうですか?

ババラ 新しいゲーム性とかってあまり興味ないというか。
面白ければ似ててもいいじゃんと思ってますね。

星野 似ているというか、知っているゲーム性っていうのはWebゲームでは重要ですよね。
遊び方がパっと分からないと、そもそも遊んでもらえない。

ババラ Webでフリーで遊べるゲームで、フレームレートとかハイスコアの正確性とかに心血注いでつくるのもバカバカしいんで、そういうのはなしで行きたいです。

得点争いとかも、といいつつ、昨日『オフィちゅラブ』(編集部注:聞き手の星野による作品)のランクイン目指して激しく遊びまくったんで、得点要素はわりと引きになるかなと思ったりしてきてるんですけど(笑) 。

星野 遊びの要素として。

ババラ そうですね。
ただ、自分がつくっているゲームは基本的に遊んだだけ点数が増えるのばかりなんで、スコアを争ってもどれだけ暇かっていうのが明らかになるだけなんですけど(笑)。

星野 確かに『けすくん』の点数とか、『太くて長いオレの○○○』の剣の強さとかって、どれだけ時間を費やしたかの指標ですよね(笑)。
ネットゲームって、どれだけ時間を使わせるかっていう創り方をしますよね。

ババラ MMOPRGだと、1回倒すと1時間とか3日とか経たないと出てこない敵とかがいたりして、そういうのをボーっと待つしかないっていうのはなんか遊ばせてもらっている気がしない。
だから、そういう風にはならないようにしたいですね。

星野 そういう進むだけ点数が増える「易しげ感」っていうのは新しいなと思いますね。

ババラ 新しいというか、パッケージのゲームでは許されないんじゃないかと思うんですけど(笑)。

星野 (笑)。
あー、でもどうなんだろう。
遊んでいて楽しいのであればそれはコンシューマ機とかでもアリなんじゃないですかね。

第9回に続く)

0stage 星野健一 プロフィール:
ゲーム業界で開発に携わりながら個人でもウェブゲームを製作。
『オフィちゅラブ』で『OCNゲームxなつゲー Flashゲームコンテスト』グランプリを受賞。
現在は個人や同人で活動するクリエイターや、それを目指す人たちをサポートするためのウェブサービス提供に向けて活動中。
ブログ:
0stage-blog

※このインタビューの全文は、0stage(http://0stage.jp/)でご覧いただけます。

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記者:

宮原俊介(編集長) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

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