毎日新聞が『FF11』を名指しで非難?「膨大な時間を損した」

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6月24日の『毎日新聞』東京夕刊に掲載された『バーチャルに生き、現実世界で生きられない…増えるネトゲ廃人』という記事で、オンラインゲームのタイトルを名指しで掲載し、オンラインゲームに没頭する(ハマる)ことの危うさを喚起をしている。

この記事にはオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXI』(以下、FF11)と、『メイプルストーリー』(以下、メイプル)をプレイしたがために廃人となり、人生が狂ってしまったという人物を紹介している。

『FF11』にハマってしまい、1日20時間続けてプレイをすることもあるという18歳の青年は、「仲間どうしで交代で眠って、出現を待った。勝てば達成感があった」と毎日新聞の取材にコメントし、食べるものといえば食パンと牛乳で、生活はパソコンとベットの往復だったという。彼は、「膨大な時間を損した。若者が勉強もせずゲームばかりしたら、まともな勤めはできない。ネトゲ廃人が増えたら社会の損失でしょう」と語っていたという。

また、『メイプル』にハマった男子はあまりにゲームばかりしているということで、両親が運営会社にアクセスできないようにする処置をしてもらったところ、男子が両親に暴力をふるうようになり、仕方なくアクセスできるように再開してもらったという。以前、ガジェット通信の記事としてお伝えした『ゲームのセーブデータを親に消されキレちゃった少年』と同じような状態だろうか?

この毎日新聞の記事は、それらのことを例に出してオンラインゲームの危うさを解説する注意喚起の記事となっている。しかし、事実を伝えるという点では確かに事実を伝えているのかもしれないが、事実を “公平に伝える” というのであれば、オンラインゲームを非難するのは間違っている、いや、偏(かたよ)っている記事といえる。

確かにテレビゲームという性質上、若年者が楽しむ機会が多いのは否めない。しかし、そのようなことを見越して『FF11』を運営するスクウェア・エニックスは「現実の世界での生活を大切にしてほしい」という内容のコメントを出している。それ以上のことをゲームメーカーにしろというのは、あまりにもナンセンスである。

オンラインゲームに中毒性があるというのであれば、確かにそれはあるのかもしれない。しかし、タバコを吸いすぎれば健康を害する、飲酒が過ぎればアルコール中毒になりえる、食べ物を多く食べ過ぎればメタボリックになり糖尿病になりやすくなる、包丁を武器とすれば人も殺せる、パチンコばかりしていればパチンコ依存症にもなりえる、それらと同じことなのである。

節度と限度ある生活をしていれば、それがオンラインゲームであれ食生活であれ、タバコや葉巻などの嗜好品であれ、楽しく快適に愛用できるのである。すでにこのような議論は10年近く前から語られており、そして結論も出ているものだと思うのだが、今になってオンラインゲームに対する非難記事が出ること自体が、ややおかしいのではないだろうか。

オンラインゲームの危険性を語る前に、何か犯罪や事件や事故が起きたときにテレビゲームに対して真っ先に矛先が向くという、ほとんど根拠のないマスコミの風潮を何とかすべきであると思われる。(このニュースの詳細記事はこちら)。

イラスト: 中邑みつのり

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