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ラジオがURLを放送する時代へ ラジオ局が開発するラジオ端末がクラウドファウンディングを開始

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ニッポン放送、Cerevo、グッドスマイルカンパニーの3社は、ワイドFM対応ラジオ端末『Hint(ヒント)』の共同開発を発表。7月20日(水)に都内で開催された記者発表会では、同日より『CAMPFIRE』でクラウドファンディングを開始するとアナウンスされました。

ワイドFM対応ラジオ『Hint(ヒント)』

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発表会にはプロジェクトの発起人であるニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが登壇。「これまでラジオ局がラジオ(端末)を作ったことがなかった。同じく、家電メーカーの人はラジオ番組を作ったことがない。番組作りとハードウェア開発を同時に考えても良いと考えた」と、開発の背景を説明しました。

ラジオを愛し、デジタル誌で家電の連載を持つほどのガジェット好きである吉田アナが考えたのは、「これまでにない新たな機能を搭載したカッコいいラジオ」「寂しさを紛らわせてくれるけど、決して煩わしくはない、生活にそっと寄り添ってくれるプロダクト」です。

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試作機がお披露目されたラジオ端末『Hint』は、吉田アナのコンセプトをベースに、Cerevoがハードウェアの仕様設計や試作機の開発を手掛け、グッドスマイルカンパニーとデザイナーのメチクロ氏が製品のデザイン面で協力しています。

サイズは80 mm(直径)×287 mm(高さ)の円柱型で、重量は950g。ワインボトルと同じくらいの大きさです。四角いボックス型にアンテナが付いたような従来の形状とは異なる本製品は、「電波塔をモチーフにして、受信しつつ発信しているイメージ」(メチクロ氏)とのこと。

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FM放送用周波数を用いてAM放送の補完的放送を行なうワイドFM (FM補完放送)に対応し、ヘッド部分のつまみを回すことで周波数のチューニングを行います。

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本体の上部には無指向性スピーカーを搭載し、部屋の中のどの位置からでも最適な音を楽しむことができます。サウンド面はニッポン放送の技術部が監修しており、人の声が心地よく聴こえる柔らかいサウンドとなるように設計。ラジオ機能に加えてBluetoothスピーカー機能も搭載しているので、スマホに保存された音楽やポッドキャスト、ストリーミング配信サービスの音源をワイヤレスで再生できます。

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電源はACアダプタまたはリチウムイオン充電池(同梱)。バッテリー連続稼働時間は、ラジオ連続聴取において4~6時間となっています。

ラジオがURLを放送する時代へ

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ここまでの機能だけを見ると、スマホで『radiko(ラジコ)』を起動して既存のBluetoothスピーカーと連携すれば済む話ですが、ラジオ業界に大きな変革を与えるかもしれない新技術も発表されました。端末がラジオで流れた音声に反応して、自動でスマホへURLを通知する連携機能です。

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『Hint』には、「ピポパ」のDTMF音(電話のダイヤル音)を利用してスマホに情報を送受信できる“トーンコネクト”に加え、Bluetooth Low Energy(BLE)のビーコンを用いたGoogleの規格“Eddystone”に対応したスマホ連携機能を搭載。

技術的なことを省略して簡単に説明すると、ラジオ番組でDTMF音を流すことで、『Hint』を媒体として特定のウェブサイトのURLをスマホへ自動的に通知するという連携が可能になるのです。

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ブラウザアプリの『Chrome』をインストールしているスマホであれば、DTMF音を受信した『Hint』の近くいるだけで、URLの情報が次々と送られてきます。また、DTMF音によって『Hint』に搭載されたLEDの色を変化させることも可能です。

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番組に登場したアーティストの情報をURLで知らせたりできる他、LEDを使って「野球中継でジャイアンツが勝っていればオレンジ色、ホームランを打ったら七色に光る、などの楽しみ方も可能」(吉田アナ)と、この技術は今後様々な応用が考えられます。双方向性のメディアと言われるラジオですが、今後はラジオ局側からアクションする方法が画期的に進化を遂げるかもしれません。

クラウドファウンディングをスタート

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『Hint』は同日より『CAMPFIRE』でクラウドファンディングを開始し、目標金額は1300万円に設定されています。

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支援の最低価格は2万1500円(税込み)で、クラウドファンディングが成功すれば特典として『Hint』を1台手に入れることができます。最高は30万円(税込み)のプランで、初回限定カラー(シャンパンゴールド)の『Hint』 がもらえるほか、「番組内で名前を提供クレジットとして読み上げ」「ニッポン放送スタジオ見学会」「スポットCMに声の出演」「オリジナルラジオ番組を製作」などの特典が付いています。

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なお、BLEラジオの技術は特許を出願していますが、他のメーカーに技術を提供することも検討しているとのこと。当然ながら、DTMF音を活用したラジオ番組の製作については、ニッポン放送も含めてまだまだこれからの段階です。

しかし、それが当たり前になる日がやって来た時には、ラジオ放送局、ネット家電ベンチャー、フィギュアメーカーの3社によるこの共同開発が、ラジオ業界における大きな一歩として認識されることでしょう。ラジオのIoT化を望む層がどれだけいるかは不明瞭ですが、今回のクラウドファウンディングの結果がラジオの未来を占うかもしれません。

『CAMPFIRE』ワイドFM対応ラジオ『Hint(ヒント)』:
https://camp-fire.jp/projects/view/8696

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記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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