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孫正義氏が『 デマツイート拡散』災害時Twitter利用の難しさ

医師会のコメント

●災害時は上級者でもTwitterを使いこなすのは難しい
ついにソフトバンク社長の孫正義氏までもがデマツイートを拡散してしまいました。確かに今、Twitterでの情報配信は、たいへん神経をつかいます。現在災害時であるだけに、ツイートする内容に間違いが含まれた場合、及ぼす影響が大きいからです。記者は大震災の起きた3月11日以降、つとめてTwitterストリームは読まないようにしています。Twitterに流れる情報を正確に見分ける能力と見分けるために費やす時間が自分にないことがわかっているからです。そんな私がもしいつも通りTwitterを読んでいたら、知らない間にデマの拡散に加担していた可能性もあると思います。孫氏はTwitterをかなり使いこなしてらっしゃるはずですが、そのような方でもデマ拡散に加担することになってしまうということが今回わかりました。特に災害時の特殊な状況下において、デマに加担せずにいるというのは、わかっている人にとっても難しいことなのだと思います。

問題となったツイート

●経緯
福島原発事故関連で「日本医師会が50km以内には立ち入らないようにと勧告」というデマ情報がTwitter経由で孫氏のもとへ届き、氏は3月29日、100万名近いTwitterユーザーにそれをそのまま転送しました。しかし日本医師会は「そのような勧告をおこなった事実はありません」とその内容を否定した、というのが簡単な経緯説明です。記事執筆時点で2日経過し拡散は落ち着いてきていますが、未だこの情報をもとに医師会に対して「なんのための医者だ」と批判している方もいるようです。もちろん、原発事故に関して避難範囲が妥当かどうかについての議論は深めていくべきですが、主張を述べることと、誰かの発言をそのまま転送することでは次元が違います。

孫氏はすぐに謝罪したもののデマの転送ツイートをいまだ削除していません。何故削除しないのか。意図は不明です。
孫氏は仕事上Twitterというサービスを推進する役割をになっており、Twitterというサービスに関しては間接的に利害関係者であるといえます。個人名アカウントとはいえ公益とならない間違った情報を掲載したのであれば、より迅速な削除対応が期待されるところです。少なくとも削除しないことが誰にとってメリットがあるのか、判然とはしません。誰にとっても利益にならないことを継続する意味もないので、単に「削除の方法がわからない」「忘れている」ということも考えられます。

●Twitterは善意のツールだがそれゆえにコロっと騙されやすい
チェーンメールやデマツイートは、親切心から起きてしまうものです。ツイッターなどソーシャルメディアは関係の近い人や自分が興味を持っている人とリンクしあい、情報交換をおこなうものですから、「この情報を、あの人に伝えなくては」という気持ちを強く持ってしまい、少々怪しい情報でも送ってしまいますし、アツい人ほどそれをやってしまうと言えます。そして受け取る側も「あの人が言うことなら本当だろう」と感じてしまいます。そもそもがそういう特徴ゆえに発展したサービスなので、これは今後も変化することはないでしょう。そして「知り合い全員に転送」が大変簡単にできてしまうという点も特徴のひとつですので、有用なツールではありますが将来的にもデマには弱いままでしょう。この弱点を克服するのは難しいものと思われます。

●平常時と緊急時は情報の経路を切り替えよう
意識的にできることとしては、情報経路の使い分けを、状況に応じておこなう、ということです。平時は情報交換のためにTwitterのような情報経路も大いに有用ですが、災害時など緊急の場合は、情報源を特定の信頼のおけるところに絞るべきです(例えばNHKや公的機関、自治体からの情報など)。ネットから情報を得る場合は常時より物事を批判的に見るようにし、できるだけ多くの情報源からの情報を照らし合わせる必要があります。それができない場合はその情報源は使わない方が賢明です。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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