貯蓄ゼロの綱渡りな人生を避けるために必要なこと

貯蓄ゼロの綱渡りな人生を避けるために必要なこと

 お金がなかなか貯まらない、節約しているはずなのに出費がかさむ…。家計事情に余裕がある人はなかなかいません。
 『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社/刊)の著者であり、ファイナンシャルプランナーでもある長尾義弘さんは、書籍の中で、「お金が貯まりにくい人」に特徴的な行動や習慣をあげ、それらから脱して「お金に好かれる」ようになる方法を説明してくれます。

 今回、新刊JP編集部は長尾義弘さんにお話を伺い、私たちはどのようにお金に対して向き合えば、お金に困らない人生を送ることができるのかを聞きました。その前編をお伝えします。
(インタビュアー・記事:神知典)

■貯蓄ゼロ、綱渡りの人生を避けるために必要なこと

――『お金に困らなくなる黄金の法則』を執筆されたきっかけからお聞かせください。

長尾さん(以下敬称略):もともとはまったくちがう内容の本を書こうと思っていました。でも企画づくりの段階で、あるライターさんと話をしているうちに、その人が宵越しの銭を持たない「貯金0円」な人だということがわかって、「心配だな。もしこれから何かあって仕事ができなくなったら、どうするんだろう? 何か伝えなきゃ」と思って方向転換をしたんです。それが、今回の本の執筆動機ですね。だから当初書こうと思っていた内容とはまったく違うんです(笑)。

――そういった「お金を貯められない人」は、根っこにどのような問題を抱えているとお考えですか?

長尾:お金に対する意識に問題があるのだと思います。「貯めようとは思っているんだけど、なかなか貯まらない」という現実に向き合わず、心のどこかで「それでもなんとかなるだろう」と思って、やりすごしている。でも、ほんの少し意識を変えれば、こういう人でもお金は自然と貯まりはじめます。

――「それでもなんとかなるだろう」と考えている人は確かにいます。ただ、現実はそうではないと。

長尾:一生独身でいた場合は生涯で約1億円、お子さんが二人いた場合は約2億円ほどかかります。さらに自分で稼いだ額のおよそ4割が税金で持っていかれるということも忘れてはいけません。
また、老後の費用だけでも3000万円はかかると言われています。これは厚生年金が6000万円分もらえるということを前提としています。ゆとりのある老後をすごそうと思った場合は、少なくとも3000万円用意できないとまずいというのは確かです。
貯めておかないといけない費用があるなかで、一番効率の良い貯め方をしなければいけない。効率の良い貯金の仕方は幾つもあるので、それを頑張るしかないと思います。

――生涯に必要なお金はどれくらいなのかが分かると、「お金をどう管理しよう?」という意識が自然と沸いてきます。毎日コツコツとお金を貯めていく上でまずは家計簿をつけようと思う人も多いと思いますが、「家計簿をつける必要はない」というメッセージがとても新鮮でした。

長尾:家計簿はつけるのにとても手間がかかります。私から見れば、1日単位でお金の出入りをチェックすることに、それほど意味があるとは思えません。年間の収支がどうなっているかを押さえておけば充分でしょう。

――お金を貯める上で、家計簿をつけることはあまり意味がないのはなぜですか?

長尾:10円20円単位の出費を気にして家計簿をつけるくらいだったら、日々の生活のなかで「お金について考える時間」を少しでも多く確保したほうがいいと思いますね。「この税金は、どうしてこういう仕組みになっているんだろう?」と調べてみるとか、「少しでも高い金利でお金を預けられるところはないか?」と情報収集をしてみるとか。同じ銀行であれば、あっちの銀行よりもこっちの銀行の方が金利は良いとか。自分の持っているお金をもう少し効率よく運用できるように考えるべきでしょう。

――銀行の活用方法についてもっと詳しくお話をうかがいたいのですが、個人が銀行をうまく使うために、気をつけるべきポイントを教えて下さい。

長尾:ネット銀行をうまく活用することです。あまり知られていないようですが、ネット銀行のなかには、大手都市銀行にくらべて金利が高く、振り込み手数料が安いところも結構あるんです。
私がおすすめしているのは、新生銀行の「2週間満期預金」(定額預金)です。この仕組みを使うと、年利換算で0.1%の金利がついてきます。しかも、預けて2週間経てばいつでも下ろすことができる。大手都市銀行の定期預金の金利相場が0.025%程度だということを考えると、これを使わない手はないと思います。

(後編に続く)


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