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日本が移民を受け入れられるようになるための条件と提案

フランスの日々

今回はMadeleine Sophieさんのブログ『フランスの日々』からご寄稿いただきました。

日本が移民を受け入れられるようになるための条件と提案

「日本への移民は2010年時点では時期尚早」*1 では、移民賛成の立場から、移民と現在日本に住む日本人が融合しながら生む社会の素晴らしさを書いてきました。しかし、現時点での移民受け入れは失敗の可能性が高いという理由で時期尚早だと書いてきました。
*1:「日本への移民は2010年時点では時期尚早」 2010年8月2日 『フランスの日々』
http://mesetudesenfrance.blogspot.com/2010/08/2010.html

このエントリでは、日本が移民を受け入れられるようになるための条件提案を書いていこうと思います。提案は、移民を成功させるためのシンプルかつ、 時間はかかるけど着実な方法だと思います。

・移民賛成派にヴィジョンがない
前エントリ *1 では、移民賛成派の意見が不甲斐(ふがい)ないことも指摘してきました。
1) 危機感をあおって解決方法は移民しかないと力説する論調
2) 経済的効能を強調し、移民によって引き起こされる諸問題(人種差別、治安、宗教問題)を見せない、議論しない、通り過ぎたい、あとで考えるという論調
3)自分にとって都合がいいことを語っているように思えるポジショントーク的論調
など、賛成派の僕でもウサン臭く感じるほどです。そこには肝心かなめの、外国由来の日本人と列島由来の日本人が融合して創りだす社会に対するヴィジョンがないのです。

いつの時代にも移民に徹底反対な人はいるので全員が賛成することは無理ですが、ヴィジョンなくして過半数の賛成は不可能です。賛成派はこれを見せないことには始まらないのです。前エントリ *1 では“移民成功後の多文化を許容しあって異端に寛容な日本”として個人的なヴィジョンを書きました。理想主義だと考える人が多そうですが、僕は最も確度の高い日本の未来であると考えています。賛成派が半数を超えれば移民を受け入れつつ、移民に徹底反対な人はその後、外国由来の日本人と列島由来の日本人が融合する社会で“走りながら考え”て行くことになります。このエントリでは、賛成派が半数を超えるための戦略について書いていこうと思います。

・自分が幸せになるために他人を幸せにするというコンセプト
まず、前エントリ *1 で紹介した“移民成功後の多文化を許容しあって異端に寛容な日本”を実現するには、他人を幸せにすることが自分が幸せになるための近道というコンセプトを根付かせる必要があります。なにしろ「移民成功後の多文化を許容しあって異端に寛容な日本」は”日本に来た移民が幸せになって笑顔を生み、その笑顔を見て元から列島にいた日本人も笑顔になる未来” なのですから。自分よりお金持ちな外国由来の日本人に嫉妬(しっと)しては始まりません。 同様に、自分が無職で、外国由来の日本人が働いていても恨んではいけません。移民が日本に来て幸せになっている様子を恨みがましい目で見てはいけません。 移民は日本に行けば自分がより幸せになれると信じて来日してきたのです。その願いが成就したことを共に喜ばなければなりません。

移民は、人種、宗教、背景となる文化が違っても、子どもが病気になれば心配し、子どもが上手く絵をかければ喜び、子どもが悪さをすれば悲しくなる、日本人と変わらない人間であることを分からなければなりません。また、彼らの幸せを奪えば、自分が幸せになれると考えてはいけません。そして彼らが笑顔になる社会が、列島由来の日本人にも笑顔を作るということを忘れてはいけません(移民という異端に寛容な社会は、列島由来の日本人の異端にも寛容な開放感のある社会です)。要するに移民の立場を考えるにあたって、仮に彼らが両親、兄弟、家族、友人であったらどうするかと考える必要があるのです。その前に、移民に感情移入する前段階として、まず移民を知らなければなりません。

・日本が移民を受け入れられるようになるための条件
移民に徹底反対する人は実際の移民体験がない人です。この点で、移民反対派に移民の良さを分からせるのは、江戸時代に牛肉を汚れていると思っていた人たちに“すき焼き”のおいしさを分からせることと似ています。すき焼きのおいしさは言葉で言っても説明できなくて、食べてみないとわからないのです。移民もすき焼きも経験すればその旨さが分る。その証拠に、前エントリ *1 で紹介した移民賛成派のエントリはすべてが海外で書かれたものなのは偶然ではないでしょう。それは海外で暮らすエントリの著者らは自分たちが移民という立場にいて、移民経験者なのです。移民賛成派が海外にいるのは、移民が想像していた以上に良い(または悪くない)ことを理解したからだと思います。

日本人の多数が移民経験者になるためには、日本に移民を入れてみるか、日本人が海外に出ていくしかありません。前エントリ *1 の移民失敗のように“移民失敗後の列島 / 外国由来の二分された日本人が対立する”(少なくとも想像上の)リスクがあり、移民を入れることに反対する人が多数である以上、日本人が海外に出て移民経験を積むしかありません。僕は日本が移民を受け入れられる体制になるには、少なくとも以下の条件が満たされる必要があると考えています。

人生で1年以上外国で過ごしたことがある日本人が過半数になること

外国で生活するということは、自分が移民と同じ立場に置かれるということです。自分が移民の立場で世界を見れるようになるのです。その国の人達にされてうれしかったこと、悲しかったことがわかるようになります。日本人の過半数が海外経験のある人になれば、両親、兄弟、家族、友人にひとりは移民経験がある人がいることになるはずです。その人が、ブログ、『Twitter』、『mixi』で日記を書いていれば、日本にいる人も移民体験や、異文化理解が進んでいきます。そして、日本にいる日本人が移民の立場を理解できるようになれば、日本人が外国人に接する態度が変わります。その日本人の両親、兄弟、家族、友人の移民体験が、目の前にいる移民の人の立場に重なるからです。

目の前にいる移民に対して、自分の両親、兄弟、家族、友人と同じぐらい親身になって考えられる状況がそろって初めて、外国人と日本人がともに幸福になるための議論が始まると思います。それには、1年じゃ少なすぎるとか、過半数じゃ少なすぎるという意見があるかもしれませんが、最低レベルとして、これぐらいの条件は必要ではないでしょうか。

・高校生以上の学生を対象に国から海外滞在一年間の金銭援助
移民を受け入れる体制を作るには、日本人自身が海外にでていかなければならないというのが、このエントリの結論ですが、それを達成するために、希望する高校生、大学生に海外滞在一年間の金銭的サポートをするという方法を提案します。民主党には、子ども手当や高校の授業料無料化ぐらいではなく、これぐらいやってもらいたいです。海外で事故や事件に巻き込まれたり、金銭を巻き上げられたりするトラブルが頻発することと思いますが、めげずに30年ぐらい続ければ上記の条件をクリアできるかもしれません。そうすれば、海外に出ていった青年が老人になるころには、外国人と日本人がともに笑って、異文化に寛容な社会が誕生するのではないでしょうか。

“移民に触れずして移民反対”を打ち破るためには、移民は入れられないので、日本人が海外に出ていくしかないというのはシンプルな提案だと思います。が、いかんせんお金はかかります。高校生・大学生の希望者数にもよりますが、財政負担になることは間違いありません。それでも、外国由来の日本人と列島由来の日本人が作り出す調和によって皆が幸せになり、多様性が互いの短所を補いながら産業競争力も回復するという未来が描ければ、僕は進んで、そのための重税を受け入れたいと思います。

・まとめ
30年も待ってたらその前に日本が沈没しますよという意見もあるでしょう。日本経済の弱体化が加速して行けば行くほど、日本人は職を求めて海外に出ざるを得なくなってきます。つまり、日本経済の弱体化が加速して行けば行くほど、日本経済を強化できる移民政策の実現に近づくのです(すこし皮肉ですよね)。

“人生で1年以上外国で過ごしたことがある日本人が過半数になる”時代は遅かれ早かれ、来ます。日本経済の弱体化で、にっちもさっちも行かなくなってから、仕方なく職を求めて海外に出ざるを得なく海外に出るより、余力のある今のうちに日本人を海外に出す政策が求められていると思います。

執筆: この記事は今回はMadeleine Sophieさんのブログ『フランスの日々』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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