『iPhone』の『Flash CS5』潰しは任天堂に対するハッカーインターナショナルと同じ状況なのか?

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Adobe Flash Professional CS5

先日iPhoneOS4の発表と同時に『iPhone』アプリ開発規約が変更されていたとして開発者の間で問題視されていた。その変更点とは「FlashやC#など他言語からクロスコンパイルされたアプリや互換レイヤーを介して動作するアプリを禁止」といったもの。iPhoneは基本的に自社で提供したSDKでのみ開発を許す、『MonoTouch』や『Flash CS5』での開発は禁止という内容と取れる。もちろん開発者達はこの規約に不満を抱えている。それだけではなく、発売を控えている『Adobe Flash Professional CS5(以下、Flash CS5)』の新機能として『iPhone』アプリ書き出し機能がある。そんな目玉となっている『Flash CS5』の機能を全否定するかのような新たな開発規約。アップルとアドビシステムズは仲が悪いのか? 実はそうでもなく今のアドビがあるのはアップルのおかげといっても良いくらいなのだ。アドビ創業時に『PostScript』事業の仕事をアドビに依頼しておりアドビの収入の大半はそのアップルからの請負で賄っていた。現在でこそ世界最大手のソフトウェア企業になっているが、昔は苦しい時期もあったようだ。

今回の『iPhone』の利用規約改定の件をもう少し分かりやすく解説できないかと記者は四苦八苦した。そこで思い浮かんだのが任天堂のライセンシー制度だ。任天堂はソフトウェアを開発するさいにライセンス契約を結んでいる。その際にソフトウェア企業はライセンス料を支払い機材を受け取る。しかし中にはライセンス契約せずにソフトウェアを開発するメーカーも存在する。それが古きソフトメーカー、ハッカーインターナショナルだ。ハッカーインターナショナルはファミコン、スーパーファミコンのアダルトゲームを開発していた。ハッカーインターナショナル側はライセンス契約せずにゲームを作るのは何ら違法では無いと語っていた。同社と任天堂は過去に裁判ざたにまでなったが、それはライセンスの問題ではなくチートツールの『Hacker Junior』に対してのものだった。これはパワーアップさせたり残機数を増やしたりといった数値を変更することができるツールだ。これに対して問題ないという判例が出ている。そのためかハッカーインターナショナルはファミコン、PCエンジンでソフトウェアを開発継続していた。

今回の『iPhone』のクロスコンパイラにしても『Flash CS5』や『MonoTouch(C#)』での開発はなんら問題無いような気がする。アップル側は駄作アプリが市場にあふれかえることを避けたい為の規約なのだろう。しかし『iPhone』アプリはすでに“アタリショック”を起こしている状況で今更手を打っても手遅れではないだろうか?

数ヶ月後にはクロスコンパイラされたアプリの締め出しは容易に予想される。しかしアドビは『Flash CS5』の対応を継続していくとしている。アップルが早々にObjective-Cの開発環境をマルチプラットフォーム(Mac、Windows)に整えてくれたらみんなはそちらで落ち着くと思うのだが。開発者からしてみたら開発しやすい環境があればそれで良いのではないだろうか。アップル vs アドビの今後の動向はもうしばらく目が離せそうに無い。

【Adobe CS5】より使いやすくより易しく『Flash Professional CS5』はクリエーターの未来を開く

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