<ライブレポート>LUNA SEA、35周年ツアー第2弾で『IMAGE』と『EDEN』を再演

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<ライブレポート>LUNA SEA、35周年ツアー第2弾で『IMAGE』と『EDEN』を再演

 2024年春から結成35周年ツアー【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA】をスタートしているLUNA SEA。5月から7月にかけて開催された第1弾【EPISODE 1】では『SHINE』『LUNACY』の終幕直前の2作が中心となっていた。7月下旬に始まった今回の【EPISODE 2】では、2ndアルバム『IMAGE』(1992年)と3rdアルバム『EDEN』(1993年)というメジャーデビュー直後の2作に新たに焦点が当てられている。本稿では8月24日~25日に開催された東京公演の模様をお届けする。
 
 1992年に開催された『IMAGE』のリリースツアー【IMAGE or REAL】の名を冠した24日の公演は、当時のセットリストを踏襲する形で「Dejavu」からエネルギッシュにスタート。バンドにとって初のミュージックビデオが制作された不動の定番曲だが、これを当時まだ20代前半だった彼らが創った事実は改めて考えると凄まじい。ライブはそこからJのベースが力強く牽引する「MECHANICAL DANCE」へと続き、熱量がさらに高まっていく。

 「会いたかったぜ!!35周年、俺たちの限界に挑戦するツアーだと思っています。今日はさらに飛ばして行きたいと思ってるんで、みんな思いっきり楽しんでいけよ!」とRYUICHIが煽ると、SUGIZOとINORANの幻想的なギターが耳に残る「IMITATION」へ。音源より多少スローにアレンジされた演奏はより深みを増しており、新たな側面を魅せる。その後も跳ねるリズムが身体を揺らす「IN MIND」、壮大で荘厳な音像の説得力に釘付けとなってしまう「Image」とレアなナンバーが披露されていく。

 一際圧巻だったのは前半の最終ブロック。淡々とダークな音像を奏でる「SANDY TIME」から、終末的な白い世界観へと誘う「WALL」、そして同曲のアウトロのヴァイオリン・ソロを経て「VAMPIRE’S TALK」が立て続けに響きわたった。真矢の全身全霊なドラミング、RYUICHIのシャウト混じりの壮絶な歌唱、まさに感情を演奏・歌唱を通して吐き出すようなステージだ。LUNA SEAの真髄を観たような、圧倒される感覚すら覚えた3曲だった。

 真矢のドラムソロから幕開けとなった後半戦は初期曲のオンパレードとなった。スピーディーな「FATE」、ハードコア色の強い「SYMPTOM」と「CHESS」。まるでインディーズ時代のセットリストのような容赦ないハイテンポでアグレッシヴな流れにSLAVEたちの興奮にも拍車が掛かる。最後は「TIME IS DEAD」のコール・アンド・レスポンスで会場を一つにすると、「PRECIOUS…」で大合唱を生み出し、あっという間に本編を駆け抜けた。

 アンコールでは、1stアルバムに元々収録されていたが、『IMAGE』で再アレンジされた壮大な名曲「MOON」が投下される。空間全体に音が広がり、その中に浸っているような没入感は幻想的という言葉では不十分なくらいだ。その後、ダブルアンコールでは「BLUE TRANSPARENCY 限りなく透明に近いブルー」、「WISH」の大団円で締めくくられた。

 25日の公演ではタイトルが『EDEN』のリリースツアー【SEARCH FOR MY EDEN】に。初日以上にレアな楽曲が詰まった貴重な公演となった。アルバム同様に重厚な「JESUS」でスタートすると、そこから1993年当時のセットリストのように「Dejavu」へと流れ込む。初っ端からボルテージ全開だ。

 「お前たちの本気の声、聞かせてくれるか?東京、行くぞ!!」とRYUICHIが煽ると、爽やかさすら覚える清涼な音像が輝く「ANUBIS」へ。SUGIZOのコーラスも非常に美しい。そして、LUNA SEAとしては珍しいシャッフルビートが取り入れられた「STEAL」から各メンバーのテクニカルな演奏が印象的な「LAMENTABLE」へと繋げていく。どれも1993年以降ほとんど演奏されていない楽曲なだけあって、イントロの段階で歓声が挙がる。

 「『EDEN』の世界、いかがですか?31年ぶりの【SEARCH FOR MY EDEN】。TOKYO GARDEN THEATERは前回のツアーで完成したての頃に一度演っていて、昨日SUGIZOが“新しい故郷”と名付けたけど、これからもLUNA SEAの音楽をいろんなところに届けて、世界中を故郷にしたいよね」とRYUICHIが話す。このハングリー精神を今でも燃やしている姿勢は本当に素晴らしい。続く「RECALL」もレア曲。浮遊感が心地よい、彼らのレパートリーの中でも屈指の名バラードだ。そこからSUGIZOのヴァイオリンが軸となるワルツ調の「Providence」、そして1stシングルのカップリング「Claustrophobia」と濃密でシアトリカルな世界観を構築。まるで映画の中にいるような、別世界に誘われるように前半戦は締めくくられた。

 ドラムソロを経て、後半は「MECHANICAL DANCE」からスタート。LUNA SEAの全楽曲の中でもトップクラスのポップさを持つ「STAY」で爽やかに疾走すると、「SLAVE」で一転してダークで鋭利なサウンドを響かせる。最後は1stシングルであり『EDEN』収録曲でもある「BELIEVE」で熱く本編を終えた。

 アンコールは2ndシングル「IN MY DREAM (WITH SHIVER)」からスタート。90年代のシングル曲の中では少々レアな部類に入る曲なのもあり、こちらも嬉しい選曲だ。続く「WISH」と併せて会場を多幸感で満たした後、最後は「PRECIOUS…」で終演を迎えた。

 MCで結成35周年ツアーに関して「全国、どんなホールもライブハウスにするために回っている」と今回RYUICHIが語っていた。まさにライブハウス時代、そしてそこからホール規模へと成長していった時代の楽曲たちを【EPISODE 2】では届けたわけだが、その言葉に偽りなしと言えよう。当時の楽曲たちが改めて蘇る今回のツアーは、また新たな形で当時の情景や熱狂も呼び起こしている。黒服限定GIGというさらにコアな表現に踏み込んでいくことが明かされている【EPISODE 3】は9月中旬からスタート。既に期待感が爆発しそうだ。

Text:Haruki Saito
Photos:田辺佳子、上溝恭香

◎公演情報
【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 3-】

2024年9月14日(土)茨城・水戸市民会館 グロービスホール
LUNACY 黒服限定GIG

2024年9月16日(月・祝)山梨・YCC県民文化ホール (山梨県立県民文化ホール)
SHINING BRIGHTLY

2024年9月22日(日)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
BRAND NEW CHAOS

2024年9月23日(月・祝)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
LUNACY 黒服限定GIG

2024年10月4日(金)三重・三重県総合文化センター 大ホール
IMAGE or REAL

2024年10月6日(日)栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
SEARCH FOR MY EDEN

2024年10月11日(金)福島・いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
LUNACY 黒服限定GIG

2024年10月15日(火)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
SHINING BRIGHTLY

2024年10月16日(水)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
BRAND NEW CHAOS

2024年10月25日(金)岩手・さくらホールfeat.ツガワ 大ホール
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE

2024年10月26日(土)青森・リンクステーションホール青森
UN ENDING STYLE

2024年11月14日(木)神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY1

2024年11月15日(金)神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY2

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