【レビュー】エイリアンに乗っ取られた高級すぎるノートPC『ALIENWARE M17x』
今回ご紹介するのは『Alienware(エイリアンウェア) M17x』というゲーミングノートパソコン(PC)です。ところで「Alienware」とは、米国にて絶大な人気を誇っているプレミアム・ゲーミング・ブランド。デルが「Alienware」の日本市場での展開を宣言し、製品第一弾がこの『M17x』というわけなのです。かく言う記者も、実はゲーミングPCの類を見かけると、ついつい目を奪われがちなのです。「なにこれごつい」と言いながらも、発光するキーボードとか発光するファンとか発光するボタンとか発光するベイとか、無駄と言えるほどに光るデバイスは嫌いじゃない。むしろ好き。すごく好き。もうわざと薄暗い中でニヤニヤしてくれと言わんばかりの“いでたち”は僕らが想像していた未来のフォルムなのです。でもでも、そうした伊達な一面も、パワーがあってこそのもの。お洒落なだけじゃ物足りないのです。パワーがなければ!
大丈夫。この『M17x』、圧倒的・暴力的と言っても過言ではないパフォーマンスを17インチノートパソコンに詰め込んでみました!というハイエンド”ゲーミング”ノートなのです。デスクトップでもなかなかお目にかかれないであろうスペックの一部をざっくり説明してみます。
– グラフィック性能「これより強いのってないの?」
搭載しているグラフィックコントローラーが『NVIDIA GeForce GTX 280M』。これは2009年3月に発表されたノート用の最上位コントローラーなのです。更にはノートパソコンであるにもかかわらずSLI構成で搭載可能にしてしまいました。ちなみにSLIというのは2つのグラフィックコントローラーで通常以上のパフォーマンスを出そうというコスト度外視の超パフォーマンス重視の規格だったりします。デスクトップでもSLIにしているというとかなりのマニアなのにノートでこれはありえません。ちなみに『GTX280M』をSLI構成でノートパソコンに搭載したのは『M17x』が日本初らしいです。そりゃあそうだよなあ。
しかも使用用途に応じて、内蔵グラフィックの『NVIDIA GeForce 9400M G』と『GeForce GTXグラフィック』を切り替える『Binary GFX機能』というものを搭載。これは、ボタン1つで内蔵グラフィックに切り替えて、消費電力を抑えるというカシコイ機能。確かに常時、フルパワーでは熱も出るし消費電力もバカになりません。この『ステルスモード』を使うことで、システム全体の消費電力を240Wから65Wまでカットできるとのことです。押せ押せイケイケだけではモテないのです!
– CPUまわり「4コア余裕でした」
CPUにはインテル『Core2 Extreme プロセッサー QX9300』を選択可能。もちろん、『Core2』シリーズの最高峰です。ほかに選択可能なのは『インテルCore2 Duoプロセッサー』、『インテルCore2 Quadプロセッサー』、『インテル Core2 Extremeプロセッサー』とラインナップはさまざまです。もちろんオーバークロック設定も可能(もちろん、というのも変な言い方ですけどこのマシンではむしろそれが自然な気がしてしまう)。メモリは最大8GBまで搭載可能。どうするの!もちろんOSは64bit版WindowsVistaです。
– ストレージ「RAID?当たり前っしょ」
HDDであれば最大1TB(500GB x2)。そしてSSDであれば最大512GB(256GB x2)の2台構成といった選択が可能。2台構成、つまりRAID環境の構築が前提となっています。RAID 0もしくはRAID 1の構成が選択可能なので、よりパフォーマンス重視のストレージ環境で固められるのです。
– ディスプレイ「広いですが何か?」
ディスプレイは17インチWUXGA(1920 x 1200ピクセル)またはWXGA+(1440 x 900ピクセル)のいずれかの液晶ディスプレイから選択可能です。この広さも、数字で記すのは簡単ですが、ノートパソコンではなくデスクトップPCで使うハイエンド寄りなイマドキ液晶ディスプレイのスペックです。
– 周辺その他「高級なのが当たり前です」
フロントについたスピーカーベイは思いのほか効果的にステレオサウンドを届けてくれます。FFベンチ計測中、「あ、いつもより音がいい!」と思ってしまいました。ちなみにひとまず測ってみたFFベンチの測定結果は6809-H。モンスターハンターフロンティアベンチマークでは6942でした。今回の貸出機は完全に最高スペックになっていませんが、十分すぎるスコアをマークしました(貸出機:Core2ExtremeQ9300、4GBメモリー、GeforceGTX260M Dual)。USBは側面左右に合計4基。ほかにはVGA、HDMI、E-SATA、1394A、サウンド4系統が用意されています。
これだけのスペックを並べ立てたノートパソコンというのもそうそう見かけません。いやもはやノートのそれではない気がしますが、同じベクトルにある製品としては以前にご紹介したレノボの『ThinkPad W700ds』が挙げられるでしょうか…。
ThinkPad W700dsの記事はこちら
「でもお高いんでしょう?」と気になる価格は23万9800円から。編集部にて「申し込みフォーム」から確認できた最上位スペックでの価格はおよそ90万円でした。つまり、90万円で夢のマシンが手に入るチャンスが日本に初上陸した、ということになります。
さあこのチャンス、見逃す手はない?! のかな。
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