【検証】SSDで、古いノートパソコンは生き返るか?

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SSD本体


– ノートパソコン、安くなったよね
モバイルPC、とりわけネットブックと呼ばれる小さなパソコンをこの頃よく見かけるようになりました。
各部品の高性能化と低価格化が進み、その結果、「小さくても安い」ノートパソコンがいくつもお店に並べられている、というわけなのです。かつて「小さなパソコン」はお金を持っている(はたまた、お金を盲目的につぎ込める)マニアなユーザーのものでしたが、前述のような低価格化のおかげで、多くの人がモバイル環境を楽しめるようになったと言えるでしょう。

閑話休題。
今ではすっかり安くなったノートパソコンですが、以前に買った時の値段を考えると、どうしても「もったいないなあ」という気分にさせられてしまうのも事実。そんな”もったいない病”の患者でもある記者は、なんとかお気に入りのVAIO(VAIO TypeS)を使い続けられないかと考えたのでした。その結果、いきついたのは今の流行ともいえる「SSD(Solid State Drive)」です。詳しい人にはもはや説明不要かもしれませんが、SSDというのはハードディスクドライブ(HDD)に変わる新しい記憶媒体なのです。簡単に言うと、記憶可能なメモリーをハードディスク代わりにパソコンに搭載してしまおう、というモノなのです。
HDDと比べた場合の特徴としては……
・モーターなどの回転系部品を使っていないため、衝撃に強い
・アクセススピードが比較的速い
・低消費電力である
・まだまだ高価

……ということがいわれています。
今回、SSDに着目したのはそのアクセススピード。「古いノートパソコンにSSDを載せると、起動時間の短縮はもちろんのこと、全体のアクセスが速くなる」とインターネットの人たちは言うのです(本当かなあ?)。HDDは全体のスピード低下の原因になっているケースがあるようなので、大きな効果が見込めるのか実験してみたいと思います。

– SSDを入れてみよう
前置きがすっかり長くなりましたが、今回使用した機材はこちらです。

A-data SSD64GB 箱


SSDはA-dataの『S592』を採用しました。 2.5インチ SrialATA対応、64GBの容量です。実売価格18000円程度でした。組み込み対象となるパソコン(PC)は、VAIO TypeS(SZ-90S)。2006年に購入したCore Duo プロセッサー T2300(1.66 GHz)、メモリー1GBというものです。WindowsXPで使う分には決して遅くはないPCなのですが、SSDを搭載することで劇的な向上がみられるのかどうか、興味が沸くところです。

箱裏RW


今回のSSDはRead(読み込み)は最大で230MB/s、Write(書き込み)は最大170MB/sというスペックですので、現在発売されているものの中では比較的速い製品に属すると言えそうです。
(そうは言っても、開発スピードが異常に早い製品のひとつですので、これを皆さんが読まれるころには遅い部類に入っているかもしれません。そこはご容赦くださいね)

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まずは、なるべく正確な計測を目指すため、リカバリツールを使ってマシン全体の初期化を行います。ああ、きれいさっぱり。

計測!


HDDでの計測後、いよいよ換装のための分解です。
分解に先立ちお約束ですが、メーカー製のパソコンを個人で分解した場合、通常保証を受けられなくなることがほとんどです。この記事と同じことをしようとして機材の破損・故障といった障害に見舞われたとしても編集部は何も責任を負えませんのでその点、どうかご注意くださいね。いわゆる自己責任でよろしくおねがいいたします!

分解後、HDD


まずは裏ぶたからネジをはずし、キーボードの取り外し、パームレストの取り外しを行います。本製品にはSeagate製のHDDが積まれていました。ケーブル類、絶縁テープなどを慎重に取り外し、SSDと入れ替える準備をします。SSD自体は意外と軽量。熱なんかも減るのかなぁ……。

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慣れない作業に手間取りながらも、なんとかネジを締め終えました。使い続けていたことで内部基盤のネジがゆるんでいたのも閉めなおし。ちょっとスッキリ。

SSD換装

– 計測してみよう
SSDに換装した後は、起動時にF2キーを押してSSDが正しく認識されていることを確認したあと、リカバリDVDで環境復旧させます。DVDからの読み込みがボトルネックになっているのか、インストール中の体感速度は感じられません(速くなっているのかな……)。さあ、長いインストール作業を終えたら、いよいよ起動速度の計測です。ちょっと、ドキドキします。

– 気になる結果は?
想像以上に速くなったといえそうです。
HDDからの起動時間:58秒08
SSDからの起動時間:19秒83
(WindowsXPにて。スタートアップにIEのショートカットをいれ、スタートページの「ガジェット通信」が表示されきるまでの時間をストップウォッチで計測)
今回の実験では、なんと、SSDはHDDの1/3の時間で起動してしまいました。


動画での比較結果はこちらです!(ニコニコ動画)


参考:CrystalDiskMark 2.2での計測結果(SSD/TestSize100MB)
Sequential Read : 129.135 MB/s
Sequential Write : 94.651 MB/s
Random Read 512KB : 109.010 MB/s
Random Write 512KB : 92.735 MB/s
Random Read 4KB : 21.747 MB/s
Random Write 4KB : 7.015 MB/s

crystaldiskmark

起動時間も十分に速くなっているのに加えて、通常の使用感覚も明らかに早く(軽く)なっているのがわかりました。
SSDは特にランダムアクセスが速いので、ネットのブラウジングなどで「間」が無いのが印象的でした。「古いノートパソコンが生き返るのかどうか」、ということでいうと、十分、「生き返る」という実感がありました。また、気になっていた放熱もありませんでした。いつもはパームレストの左側の部分がだんだんと暖かくなっていました。しかしSSDに変えてからは放熱を感じる事がありません。まだまだ容量対価格が下がると思われるSSDですが、今回の体感速度上昇は購入に先立つ「心のいいわけ」として十分なものです。「ほら、こんなに速くなったよ!」という家族へのいいわけになるかどうかはあなた次第ですが、検討してみる価値は十分あると思いますよ。

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オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

TwitterID: wosa

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