世界中で「カワイイ」日本が人気らしい
21世紀に入り世界で最も広まった日本語は「カワイイ」だという。「世界カワイイ革命」(PHP研究所 著/櫻井孝昌)によると、パリではロリータ服で地下鉄に乗る女子がいたり、タイでは原宿で買った「なんちゃって制服」を着る女子がいたり、韓国ロリータ、イタリアロリータなど、日本の原宿ファッションをカワイイと支持する女子が世界中に増えているそうだ。
ブロンドヘアの女性が日本人の黒髪がうらやましいと言ったり、日本人の鼻がかっこいいというフランス人男性がいたり、日本人はカワイイ民族というスウェーデンの留学生の声もあり、日本は世界から好かれているという嬉しい報告もある。アニメに続きファッションの世界でも、カワイイ日本は世界から注目をされているようだ。
さて、「カワイイ」という言葉だが、外国人はスーパーキュートと認識しているようだが、日本では幼いもの、小さいものに対する情愛や愛着などを表現する形容詞として用いられてきた。最近は、「この服カワイイ」「このバッグカワイイ」「このカメラもカワイイ」「カワイイ部屋じゃない」「カワイイ車に乗っているじゃない」「このケーキ超カワイイ」など、本来の意味合いとは異なった使い方で私たちの生活に溢れている。
「友達と会うと、まずはそれカワイイじゃないって、お互いの持ち物が可愛いか可愛くないかのチェックはしますね。会社でもカワイイものを身に着けている人には必ず褒めるようにしています」という美保さん(32歳)は、「カワイイ」を社交辞令の挨拶に使うという。
「私はカワイイものが好きなので、気に入ったものをみつけるとすぐにカワイイと言いますね」と加奈さん(27歳) 。
「うちのおばあちゃんに、『おばあちゃん、カワイイね』というと喜ぶんです。カワイイに年齢は関係ないと思うし、彼と喧嘩したときに、そんなことで怒ってカワイイというと、すぐに機嫌が直ります」と眞子さん(30歳)
「カワイイ」は相手を心地よくさせる言葉でもあるようだ。
「スカートから下着が見えていた友達がいたんです。それを指摘した後、彼女が恥ずかしそうにしていたので、○○ちゃんってカワイイねと言ってその場を収めました」というのは由香子さん(35歳)。
ドジな人やイタイ人を指すときにも、「カワイイ」を使うが、周りでは相手をからかったりするときに使う人もいるそうだ。
最近よく耳にする、「エロカワイイ」「キモカワイイ」「ブスカワイイ」だが、
「エロカワイイ」は、「エロい」+「可愛い」の合成語であり、セクシーさや性的魅力を含んだかわいらしさを示す。
「キモカワイイ」は「キモい」+「可愛い」の合成語で、気持ち悪さや不気味さを持ちながら、それゆえに可愛らしくもあるさまを示す。
「ブスカワイイ」の「ブス」と「カワイイ」は相反する意味だが、ブルドックなど不細工な顔つきだが愛嬌がある顔を「ブスカワイイ」というらしい。
対極にある形容詞をカワイイと組み合わせることで、「キモい」や「ブス」のネガティブな意味を覆す「カワイイ」という言葉の威力はすごい。あらゆるものを「カワイイ」とひとくくりにできるのは、日本人の度量の大きさなのかもしれない。
なんでもかんでも「カワイイ」とひとことですますのは、語彙不足を指摘する声もあるが、カワイイを連発している女子高生たちは、同じ感覚を共有することで連帯感を生み出しているようだし、今や「カワイイ」は本来の意味を大きく超えて、様々な場面で使うことができる便利な言葉でもある。
相手を皮肉ったりからかったりする場合に使うのは問題だが、人間関係を円滑にする言葉として、「カワイイ」がどんどん使われればいい。 (オフィスエムツー/佐枝せつこ)
(参考引用)
「世界カワイイ革命」 櫻井孝昌 PHP新書
「可愛い」ウィキペディア
※表示 – 改変禁止 2.1 日本 (CC BY-ND 2.1)
※「独女通信」から転載 http://news.livedoor.com/category/vender/90/ [リンク] http://dokujo.jp/archives/51760849.html [リンク]
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