日本人と中国人の「幸せになる順番」の違い~「忖度」しすぎの日本人?
◆中国人に比べてなにかと忖度しすぎの日本人?
少し前まで、日大アメフト選手の悪質タックル問題と、財務省の森友学園文書改ざん問題が、連日報道されていましたよね。
それを見ていて、僕は思うんですよ。私は中国でのビジネス経験が長いのですが、日本と比べると「忖度」の文化はほとんど感じることがありません。日本は「忖度」文化がありますが、これにはプラス面もマイナス面もあると思います。忖度は他人の気持ちをおしはかることを意味し、場の空気を読み、物事が円滑に進むようにするメリットがあります。一方で、具体的な指示やゴールが不明瞭になり、疲弊することになります。また組織内での責任の所在があいまいになり、コンプライアンス上の問題も発生しかねません。
私が接してきた中国人と日本人のコミュニケーションを比較して考えると、結局日本人って、忖度しすぎだと思うんです。上司がこう思ってるだろうから、自分はこう動こうとか。根回しをして、事が大きくならないように上手に済ませようと考えがちなのではないでしょうか。
中国人がそんな風に根回しするかと言ったら、確実にしないですね。彼ら中国人は、嫌なことは嫌だ。良いことは良い。楽しいことは楽しい。どんな事でも自分の感情・感覚を一番にして行動するんです。
ビジネスの世界ならなおさらで、彼らは面と向かって戦うことを辞さないのです。たとえ契約書を交わしていても、状況が違ってきて契約通りに納品できなくなったら「環境が変わったのだからしょうがないでしょ」みたいに言ってきます。
日本人的には、「契約を守れない、どうしよう…」って、ストレスを抱えることでしょう。でも彼らのように、開き直ってしまうと、精神衛生上は絶対いいと思うんですよ。自分自身にはストレスかからないから。
日本人って、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、和を大事にする人が多いので、「嫌われたらどうしよう」「いい人だと思われたい」みたいに考えすぎてしまって、結局は自分が苦しくなっていく。
まず周りを幸せにしようとする日本人、まず自分が幸せになろうとする中国人
日本人の感覚として、まず自分の周りの人たちを幸せにして、次は幸せになった周囲を見た自分が、幸せだと感じる、そんな順番です。
でも中国の人は、まず自分、自分が幸せになる。自分が幸せなんだから、自分の周りにいる人たちも幸せになるだろう。それが当たり前だと考えてます。この “幸せになる順番” の違いが、大きな差だと思うんですよね。
日本人も中国人も、自分も周りも幸せになりたいっていう、頂上は一致しているんです。けれども、山の登り方が違う。
嬉しい時はうれしい。
悲しい時は悲しい。
悔しい時は悔しい。
と、感情を表に出すっていうことが、ストレスを貯めない第一歩だと思うのです。日本人はその感情を押し殺して、組織の体裁やメンツを優先して仕事をするから、ストレスフルになるし、いつまでたっても幸せ感情が生まれてこないということになってしまいがちです。
日本人にも中国人にもそれぞれの考え方があり、どちらが正しいとは断言できませんが、世界にはさまざまな価値観がありますから、視野を広げて、まず自分を大切にして行動すると良いと思うのです。
(北 宏志/中国ビジネスアドバイザー)
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