なぜ動く? 手を使わない電動車いす
手を使わず動かせる車いすが、2011年12月3日から開催されているMake:Tokyo Meeting07に出展された。この車いすは「自律移動システム テンプラー」と呼ばれるもので、Hyogo Assistech LAB(HAL)が開発した。利用者は頭に巻いたバンドを通じ、車いすを前後左右に移動させることができる。
Make:Tokyo Meeting07は、12月3日から東京工業大学のキャンパスで開催されているイベントで、テクノロジーを使いこなす「Maker」が展示やワークショップを通じ、作品に関する情報をシェアしようというもの。
■車いすは「脳波で動く?」
「自律移動システム テンプラー」は手足を使わない車椅子で、利用者の頭に巻いたバンドから送られる電気信号によって移動する仕組みになっている。「頭に巻いたバンド」というと「脳波を感知しているのでは」と思われがちだが、実際にはこめかみ(テンプル)の筋肉の動きを電気的信号に変えるシンプルな構造だ。よって利用者は、右の奥歯を噛んだり左の奥歯を噛んだりすることで、車いすを動かすことになる。
HALの担当者によると、このシステムは市販の電動車いすに後付けできるようになっており、理論的には利用者の噛む力によって感度を調整することもできる。ただし、こめかみに付けるドイツ製の「筋電アンプ」が一つ15万円と高価であることと、「介護する側が心配になってしまう」可能性があるため、車いす利用者がこのシステムを使って一人で出かける日が来るまでには、「もう少し時間が必要だろう」という。
◇関連サイト
・[ニコニコ動画] 手を使わずに動かせる車いす「テンプラー」 を視聴
http://www.nicovideo.jp/watch/1322905980
(土井大輔)
【関連記事】
「社会貢献で飯を食う」ソーシャルビジネスはWin-Winとなり得るのか
飯舘村村長「全村避難はゴーストタウンになる。村民のためにならない」
ほとんどもらえないのが実情 犯罪被害者への給付金
乙武洋匡「究極のバリアフリーは障害をネタに笑える社会」
ワタミ前会長、都知事選に出馬表明 「大いなる素人でありたい」
ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。