“通話できるコンデジ” ドコモの携帯電話『L-03C』製品レビュー
NTTドコモが携帯電話の冬春モデルとして発売した『L-03C』。LGエレクトロニクス製で、見た目はほとんどコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)なのに通話と『iモード』ができる携帯電話です。フルキーボード携帯『N-08B』などユニークなハイスペック端末がそろう『docomo PRO series』にラインアップされています。スマートフォン全盛の昨今、あえて携帯電話として独自のカラーを打ち出した同製品をお借りしてレビューしてみました。
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・見た目はコンデジそのもの
外観は薄型のコンデジそのもの。横向きにして立てると、携帯電話には見えません。
光学3倍ズームの飛び出すレンズを搭載し、デジタル4倍と合わせて最大12倍のズーム撮影が可能。オートでの撮影距離は広角時で約0.5m~∞、望遠時で約0.6m~∞、マクロ撮影では広角時で約0.1~0.8m、望遠時で約0.4~0.8mとなっています。
側面にはズームホイールと一体化したシャッターボタンがあり、コンデジ同様の操作が可能。
ズームやシャッターは、タッチパネルで操作することもできます。
・縦なら電話 横ならカメラのUI
携帯電話として使う通常時は本体を縦に持ち、タッチパネル式携帯電話として利用します。画面には縦方向で文字やアイコンを表示。
側面のカメラボタンを押すとレンズが飛び出し、カメラモードに切り替わります。このとき、画面の文字やアイコンは横方向に表示。
画面だけでなく、本体ボタンも携帯電話とカメラでユーザーインタフェース(UI)が異なります。縦方向で持つと、ボタン横にプリントされたアイコンで通話や終話、マルチタスクの機能が割り当てられていることが分かるデザイン。
横方向で持つと、ボタン内にプリントされたアイコンで機能を終了するホーム、静止画と動画のカメラ切り替え、再生、ゴミ箱の機能が割り当てられていることが分かります。
・スマートフォン的『iモード』携帯
タッチパネル操作が中心となるため、画面のUIはスマートフォンに近いものとなっています。通話は通話アプリ、『iモード』は『iモード』ブラウザのアプリを起動するイメージ。
『iアプリ』も利用できます。3.0インチの大画面でアプリが使えるのは面白そう、と思い探してみましたが、レビューした時点では『L-03C』対応アプリの数が少なく、動作するアプリを見つけられませんでした。『デコメール』や『iチャンネル』、『着うた』、『iモーション』には対応しているので、これらサービスを重視する方にはおすすめ。GPSやワンセグ、『おサイフケータイ』、『iコンシェル』には非対応となっています。
ほかにスマートフォン的な特徴として、Googleサービスのアプリがプリインストールされていることが挙げられます。検索のほか、『YouTube』や『Picasa』、『Googleマップ』、『Gmail』、『Googleニュース』、乗り換え案内のサービスが利用可能。
『Googleマップ』を利用してみましたが、地図は大画面で表示され見やすい印象。ところが、地図のスクロール操作ではソフトウェアキーを表示して移動する方向の矢印をタッチする必要があるのがちょっと不便に感じます。せっかくタッチパネルなのにちょっと残念……。
一方で、タッチパネルならではの操作性も盛り込まれています。『iモード』ブラウザで表示したページのリンク先などで別ウィンドウを開いた場合、横方向に指をスライドさせて前画面、後画面に移動することが可能。ブラウザの操作で少し気になったのは、独特なタッチ操作。1回のクリックはポインタを合わせる操作に相当し、選択したリンク先ページを開くには2回クリックする必要があります。慣れれば問題ないでしょうが、スマートフォンの操作になじんでいる方には違和感があるかもしれません。
フルブラウザも利用可能。音量ボタンを利用して画面の拡大・縮小ができ、タッチ操作でスクロールできるので見やすく使いやすいのですが、こちらも『iモード』ブラウザ同様、ポインタ移動で1回、リンク先を開くのに2回のタッチ操作が必要です。
・強力なカメラ機能を試す
続いてカメラ機能を試してみます。撮影モードには標準、スマイルショット、ビューティーショット、連続撮影、ハイスピードショット、パノラマ撮影、フレーム撮影、音声付き画像、アート撮影が選択可能。シーンモードでは自動、インテリジェントモード、ポートレート、スポーツ、風景、夜間、夜景ポートレート、ランプ、花火、料理が選べます。ISOの選択やホワイトバランスの調整、露出補正、マニュアルフォーカスもタッチパネルから操作できるので、コンデジと機能はほぼ同等と言ってよいでしょう。
最大12倍のズームは、広角側で全身を納めて、望遠側で顔のアップが撮れる強力なもの。これだけ見ても、“携帯電話のオマケのカメラ”ではなく、“通話できるコンデジ”という『L-03C』の特徴をよく表しています。
マクロ撮影では、被写体へ十分に寄って撮影可能。
高感度レンズを搭載し、暗い場所や夜景の撮影に強いのも特徴です。
ちなみに、レンズが出たカメラモードで通話することはできません。電話がかかってくるとレンズが収納され、電話モードに自動で切り替わります。
パノラマ撮影機能も搭載。連続して撮影した写真を合成して、1枚のパノラマ写真として保存できます。
・十分すぎる撮影機能
コンデジと携帯電話が一体になった『L-03C』。高級コンデジと比べた場合、カメラ性能には多少見劣りがしますが、携帯電話のカメラとしては十分すぎる撮影機能と言えるでしょう。使いこなすほど楽しくなりそうな印象を持ちました。
これからコンデジを本格的に触ってみたいという方には、電話と兼ねて入門機として利用してみるのがよさそう。コンデジと携帯電話を別々に持ち歩きたくない、という方にもオススメです。
『L-03C』主な仕様
サイズ:約W60×D112×H17.3(最厚部22)mm
重量:約165g
3G連続待ち受け時間:約420時間
GSM連続待ち受け時間:約310時間
3G連続通話時間:約300分
GSM連続通話時間:約250分
ディスプレー:約3.0インチ 480×800ドット ワイドVGA TFT液晶 1677万7216色
外部メモリー:microSD(2GBまで)、microSDHC(16GBまで)
カメラ:顔認識CCDカメラ
有効画素数:約1210万画素
記録画素数:約1200万画素
カラー:Black、Champagne
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
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