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ネットでクリエイターは食っていけるのか!? 西又葵・岸田メル・佐藤秀峰らが語る『現代の絵師が生計を立てるには?』

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2月19日、ドワンゴコンテンツにて生放送『ニコニコ“クリエイター奨励”新発表~現代の絵師が生計を立てるには?~』が行われた。放送は2部構成となっており、第1部では『niconico』のサービスの一つである『クリエイター奨励プログラム』について、第2部では西又葵さん、岸田メルさん、佐藤秀峰さんの3名のクリエイターと『DLSite.com』の高原真志さん、『TINAMI』の篠田匡弘さん、ドワンゴの伴龍一郎さんの3名とMCのまつもとあつしさんの7名によるクロストークが行われた。

第1部 クリエイター奨励プログラム


第1部では、現在行われている『クリエイター奨励プログラム』の現状報告と追加機能の情報提供が行われた。

以前までは動画メインで対応していた奨励プログラムであったが、今後は“静画”にも積極的に対応していくことが決定。また、以前は投稿者アカウントでのみ奨励金を受け取ることができていたのだが、今後は投稿者が指定した複数のアカウントに任意割合で奨励金を分配することが可能になる。これによって、複数のクリエイターで共同制作した動画や、線画と色塗りで別々の絵師が作成した“静画”なども複数のクリエイターが同時に奨励金を受け取ることが可能になる。この分配は4月以降に導入予定だそうだ。

ちなみに、現時点で配布された奨励金の総額は3億336万8632円分。受け取った人数はユニークユーザーで3973人。この人数を多いと見るか、少ないと見るかは議論の余地がありそうだ。また、支払額別に見ると1000万円以上が3人、500万円~999万円が4人、100万円~499万円が56人いるそうだ。このあたりの上位クラスのユーザーは、おそらく『niconico』内だけで生計を立てていると言ってもよいのではないだろうか。こうした高額を受け取るユーザーが多数いることから、『niconico』内で確定申告用紙がダウンロード可能になった。

第2部 パネルディスカッション


第2部では、イラストレーターの西又葵さん、岸田メルさん、漫画家の佐藤秀峰さんの3名がクリエイターサイドとして、高原真志さん、篠田匡弘さん、伴龍一郎さんの3名が編集・プラットフォームサイドとしてトークを繰り広げた。

「ネットでクリエイターが生計を立てていくことができるのか?」というテーマでのパネルディスカッションで、まずはデビューしたきっかけについて語った。今回登壇した3名それぞれのクリエイターたちがデビューしたきっかけは三者三様であった。西又さんは自身の発行した同人誌の奥付に書いていた住所に連絡があったことから商業誌デビューのきっかけとなったという。岸田さんは元々自分のサイトにイラストをアップロードしていたものを雑誌の編集者が見て連絡をしてくれたことがきっかけとなった。佐藤さんは、編集に電話をしたり、作品を持ち込んだりと昔ながらのやり方でデビューを果たしたそうだ。

デビューのきっかけとしてネットが強く作用したのは岸田メルさんだけ。ただし、岸田さんのように、ネットで作品をアップし、そのイラストに人気が出たからといって必ず成功するわけではないと岸田さん自身で指摘している。また、ウェブに作品をアップすることは、あくまでも自分の作品を知ってもらうきっかけにすぎず、お金に変えるには工夫が必要と語った。

このようにネットからデビューすることについて、編プロ側の篠田さんは「ネットで人気があるというのはコミュニケーションによるもの。作品自体の評価のされ方はまた違ってくる。なので、作品の評価をしてもらう工夫が必要」と発言。また、今のクリエイターはネットに作品をアップロードして、URLを提示することで自分の作品がどのようなものかを示すポートフォリオを持つことは当たり前になっているようだ。

三者ともに共通した意見として見られたのが、自分をプロデュースする能力が必要だということ。「仕事をしていくらもらうか」という点も大事だが、仕事をする上で自分にメリットがあるものを受けたほうがいいという意見が共通しているように感じられた。

例えば岸田さんはソーシャルゲームに対して「1枚の値段が多少上がったからといってそれで食っていけるわけではない。それよりも仕事をして有名になることの方が大事。値段が安ければ有名になってから交渉すればいい」と発言。佐藤さんは「僕はお金大好きですが、有名人の似顔絵とかは無料で描いたりします。そうしてどんどん描いて、ビジネスになったときは値段の交渉もやります。とにかくいっぱい描くことが大事ですね」と、作品を多く描くことの重要性を何度も発言していた。

このような“交渉”に対して編プロ側である篠田さんは「仕事を頼んでいる側からすると、安く使えるに越したことはない。でも、安いなと思われたまま仕事をされると、値段の分だけ仕事をしました、と言ってくる人もいる。それならば最初から納得行く額でなければ仕事を受けないほうがいい。そして受けていただいたならちゃんと仕事をしてほしい」と発言。クリエイターも編集側もお互いに交渉、コミュニケーションが必要であるようだ。


このように、クリエイター側としては非常に参考になる個所の多いパネルディスカッションとなっていた。今回はクリエイター側からの意見が多く見られたのだが、編集・プラットフォーム側からの意見や、クリエイターと編集・プラットフォーム側との直接討論を行うことにも意義があるように感じた。“歌ってみた”や“ボーカロイドP”など、音楽の業界で起きた『niconico』ユーザーのメジャーデビュー。今後、イラストや漫画などのジャンルでもメジャーデビューを果たし、生計を立てていくことができるのであろうか、要注目である。

ニコニコ『クリエイター奨励』新発表~現代の絵師が生計を立てるには?~ ―ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv126334926

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記者:

ネットで流行っているものを追いかけていたら、いつの間にかアニメ好きになっていました。 http://com.nicovideo.jp/community/co621

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