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FF14プロデューサー吉田直樹&ひろゆき対談(後編)

吉田直樹氏×ひろゆき氏対談

前編に引き続き『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、FF14)のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とニコニコ動画管理人のひろゆき氏の対談を掲載する。前編ではFF14を通しての仕事や考え方にも広がったが、ここからはどんな話になるのか。後半のスタートは日本だけではなく、世界を見据えたひろゆき氏の質問からだ。

吉田直樹氏×ひろゆき氏対談(前編)に関しては、こちらをご覧下さい。(クリックで開きます)

アメリカが獲れないと話にならない

ひろゆき:
吉田さんの中で売り上げっていうのは世界と日本ってどれくらいの比率を想定しているんですか?

吉田:
やっぱり半々ですね。MMORPGというジャンル自体がアメリカ発祥のジャンルで、プレイヤーの最大勢力もアメリカなので、そこが獲れないとそもそも話にならないと思っています。日本でMMORPGというジャンルが、もう一段メジャーになる為には、いくつかの壁があると思っています。1つは言葉の壁。ドラクエ10に抜かれるまで、日本の最大課金者数記録を持つMMORPGは『ファイナルファンタジーXI』(以下、FF11)だったんです。その前はUltima Online。ドラクエ10の課金者数が40万アカウントを超えたと公式発表していて、仮にドラクエ10をやってくれている方が100%FF14をやってくれたとしても40万人。一方、世界を見ると『World of Warcraft』(以下、WoW)が全世界で1200万アカウントを記録していますが、WoWの日本人ユーザーの最大時は1万8000~2万5000くらい。最新のMMORPGに『GuildWars2』っていう作品があるんですが、あっというまに全世界で200万セールスして、当面のライバルだなと思うくらい挑戦的な意欲作で、すごく良く出来ているんですが、それでも日本人は1000人に満たないくらいしかいないんです。
本当にそれくらい言語の壁は厚い。
それともう1つは資金面。投資文化じゃないですか海外って。MMOって下手したら数十億かかるビジネスなので、ゲームを作るにしても投資家達から資金を集めて、出資を募ってやるから海外はばんばん新しいMMOがプロジェクトとして立ち上がりやすい。その分だけ初期回収に苦戦すると「続けられなくなる」「ギブアップが早い」というリスクはあります。逆に日本では、ゲームは今もなお一社単独でゲームって作っているじゃないですか。そこにそれだけの巨額投資をするって考え方が、リスクが高すぎて、大規模MMOだと、今のところスクエニだけになっている。結果、競争が発生しづらく、日本になかなか浸透しないってのが多分そこもあります。海外には面白いMMOはいっぱいあるんですけど、全部英語なので、この日本人の英語嫌いが治らない限りは浸透しにくいですね。

ひろゆき:
日本人ユーザーに知られていないんだから、WoWをパクって出せば「これ面白いじゃん」ってなるんじゃないですか。

吉田:
いいんじゃないかと思います。だってFF11は『エバークエスト』にハマった開発スタッフがみんな1年EQを遊び倒して「これのFFを作ろう」って始めたプロジェクトなので。その上で、FF11はMMORPGにシナリオと演出を持ち込んだから、海外でも高く評価されました。海外MMORPGは今度はそのFF11で好評だった”ストーリー性”を取り入れて進化するという。元々『ウィザードリィ』があって『ウルティマ』があってドラクエが生まれて、そこからFFが生まれてってのと、何も変わっていないです。グローバルスタンダードを作るところから始める、それで良いと思ってます。ただ、”FFであること”がとても重要で、チョコボがいてモーグリがいて竜騎士がいて、泣けるシナリオがあって出会いと別れがあって、飛空挺が飛んでて、みんなでわいわい召喚獣と戦って、それでいいんじゃないかなと。もちろんそれだけじゃない芯はあるのでまずは、ですけど。

ひろゆき:
『ディアブロ』やWoWみたいな小さいキャラがわさわさいるような方向にFF14はいかないんですか。

吉田:
いかないです。一度ローンチしているタイトルですし、新生といっても絶対的な賞味期限があります。同じFF14で立て直してみせるって選択をした以上、僕は(賞味期限が)2年ちょっとだと思っていました。MMORPGの平均制作年数って普通5年なんですが、それを半分以下でゼロから作り直して、大作と肩を並べるところまで(品質を上げて)って考えると、ベースのFF14から取捨選択の必要があって。でも僕自身思っていますが、世界的にマーケットを見渡した時に、FF14ほどMMORPGとして、キャラクタークリエイションとキャラクターグラフィックスに凝ったゲームってないんですよ。この等身、このリアルさ、この装備の質感、この品質で何年も愛着をもってゲームができるのはFF14だけだろう、ここは間違いなく勝てるだろうと思っているので、そこは逆に強みにした方がいいだろうと思っています。さっき放送中にもLOD(レベルオブディテール:カメラの距離によってポリゴンの制御を行う描画方式)の話で「分からないよこれ!」という発言がありましたが、HighからLowポリゴンになっても気づかないっていうぐらいシルエットにこだわっていますしね。

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記者:

インターネットの賑わっているところに大概参加をしながら約20年。 ここ最近はニコニコなどの動画サイトを根城にしつつ、何だかよく分からない生活を送る。 生放送においては過去に、日本全国を生放送をしつつ巡ったり、ヨハネスブルグ、ジンバブエ、カザフスタンなど「そもそも回線は大丈夫なの?」といった場所から生放送を行ったことも。 しかし、一番好きな場所は『自分の部屋』とのたまう、自称「世界で一番忙しいニート」・「世界で一番仕事をしない自宅警備員」。

ウェブサイト: http://com.nicovideo.jp/community/co7201

TwitterID: higeoyaji

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