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Perfumeのおわりのはじまりが始まる

perfume

アイドルはアイドルでいいと思います。だけど結構疲れるんでしょうね。今回はモッシュさんのブログ『Superartlife』からご寄稿いただきました。

Perfumeのおわりのはじまりが始まる
遅ればせながらPerfumeのNewアルバムの『トライアングル』を聴いた。これはもうだめと思った。悪くないけれど心踊る部分がない。Perfumeである必要がない。何よりPerfumeがでかくなりすぎて、周りの大人も本人たちもPerfumeが手に負えなくなってきてるのが手に取るようにわかる。

松浦ヲタが言うのもアレだけれど(そしてだからこそ説得力があると思うけれど)アイドルに自我を持たせたら絶対にダメだ。まだ日本語の歌ものハウスの土壌がなくて、あったとしてもアマゾネスたるボンキュボンなネーちゃんがどや顔しながら熱唱し、こちらは心して迫力に耐え々々聴くというくらいのシロモノしかなく、そんなところにキャッチーなメロディーにカタカナ語を駆使した歌詞の歌をボコーダーを乗せて、それは衝撃的なものが颯爽(さっそう)と風のように登場したのが Perfumeだった。アイドルとテクノというニッチな組み合わせがいわゆるテクノポップというジャンルを確立して、フォロワーが数多く生まれ、スマップまでが厚顔に物まねをして、そしてPerfumeはチャートのピラミッドの頂点に立った。

Perfume的にも商業的にも今の位置にステイしたいのはわかる。でもアイドルは命が短いからこそ燃焼されて花火のように燃えて消える。基本アイドルヲタクは○○ちゃんにはずっと今のままでいて欲しい。そこには進化を望む声はない。今のままでいて欲しい、でもそれはかなわない、でも願う、でも絶対にかなわない。この感情の摩擦が時に異常なほどの熱量になり、いろんな人をねじらせておかしな方向に向かわせる。だからこそ面白い。だから前に進む必要も、前を走り続ける必要もなく、一番大切なのは圧倒的な現状維持力。

Perfumeは『GAME』あたりから明らかに先を見るようになった。ほぼインストの曲があり、バキバキのノイズを入れた今っぽい音を入れて、そしてキラキラしたものが消えカタカナ語も消えた。そして今回の『トライアングル』でそれが顕著になった(気がする)。わかりやすい表現をすると、完全にアイドルからアーティストという舞台に上がろうとしている。ここで大事なことで、そして石を投げないで欲しいんですが、基本的によっぽど天賦の才がなければアイドルはアイドルでしか生きられなくて、どう考えてもPerfumeの3人はそこには当てはまらない。なのに、売れて、売れて売れて、チャートのピラミッドの頂点に立ち、アーティストっぽいことをやらせて、大いに勘違いをした。3人も、周りの大人も。だからちょっと前にはてブをにぎわせたロキノンインタビューがあるわけで。勘違いもはなはだしい。やっぱりアイドルに自我を持たせるとロクな事がない。これは別に自由を奪えとか恋愛禁止とか言うレベルではなくて、アイドルという職業を全うさせるためのモチベーションを保つということ。

アイドルはアイドルを演じてるからこそキラキラ光る存在になれるわけで、自我をもって何かをしようと意思を持ったとたんにプロペラが止まる。大人はアイドルは蝉(せみ)のように短命と割り切って、使い切りくらいの気持ちでいかないと良いものは生まれない。駒(こま)として気持ちよく仕事をしてもらうようにコントロールして、適当なタイミングで結婚でもさせるのが一番いい。

最先端を見ているフリをさせて、アーティストであるという気持ちにさせて、永遠を得ようとしている限りPerfumeにはもう明日はない。

アーティスト>アイドルって誰(だれ)が決めたんだよ。そういう空気はまとめて死ねよ。

(こちらの記事はモッシュ さんのブログより寄稿頂きました : 元記事はこちら

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