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『Tカード図書館問題』の武雄市長が個人情報を漏洩、公職選挙法違反の疑いとなる情報も

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Facebook市長として有名な佐賀県武雄市の市長が個人情報を漏洩した。漏洩した個人情報は氏名、郵便番号、住所などを含む個人情報232件。ファイル名から、武雄市長自身が管理する住所録ではないかと推測される。市長は自身のブログからリンクして公開している『Yahoo!ブリーフケース』の公開ディレクトリに個人情報が含まれる自身の住所録を置いていた。

市長はツイッター経由で個人情報漏洩を指摘され、23日22時40分頃ディレクトリごと削除した模様。

(武雄市長に指摘をおこなった @12648430 さんのツイートより)

公職選挙法違反の疑いも

ファイルは年賀状の住所録管理・印刷ソフトの形式となっており、その住所録部分には武雄市の住所も多く含まれていた。これらの住所へ実際に印刷し年賀状が送られていれば、公職選挙法の「あいさつ状の禁止」に抵触することになるため、しかるべき機関による調査が必要だと考えられる。

公職選挙法
(あいさつ状の禁止)

第百四十七条の二 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、寒中見舞状、暑中見舞状その他これらに類するあいさつ状(電報その他これに類するものを含む。)を出してはならない。

武雄市長が個人情報を含んだファイルを置いた場所は、プレスリリースのファイルを公開するためにつくられたディレクトリであり、同じ公開ディレクトリにファイルを置いていた。

あまりにずさんな管理だが、武雄市長の個人情報管理の甘さは、すでに『Tカード図書館』『ツタヤ丸投げ図書館』とも称される武雄市新図書館構想の発表時以降、すでに数多く指摘されていた。

すでに数多く指摘されていた個人情報をめぐる問題

この新図書館構想は、武雄市長と共にTSUTAYA(CCC)が企画したもので、最近ではスターバックスコーヒーも参入を表明しており注目されているプロジェクト。TSUTAYA(CCC)としても運営費が税金から安定して支払われる公共図書館運営事業はぜひとも展開したいと考えているようで、その上で『Tカード』の図書館導入はある意味前提となっているようだ。しかし『Tカード』関連では昨今セキュリティの問題が数多く指摘されているのが事実で、『Tポイントツールバー』がアクセス履歴を送信していた問題や、ドラッグストアでのTカード利用者の購入医薬品名や購入日付の漏洩問題などが発生している。当然、『Tカード』が図書館にこのまま導入され、図書館利用者が『Tカード』を利用すれば利用者の図書貸出履歴はTSUTAYA側へ筒抜けとなるのだが、新図書館構想の発表時セキュリティ専門家がその点を指摘すると、TSUTAYA側は返答に窮し、武雄市側に至っては逆ギレ回答をおこなうという顛末もあった。

さらにその後、武雄市側はセキュリティの議論そっちのけで、問題点を指摘したセキュリティ専門家を執拗にネットで攻撃し、官僚出身である武雄市長はその立場を利用して「職場の上司に報告する」「霞ヶ関そして国会議員に働きかけ、国会で取り上げる」「上京してあなたの職場にこのブログを持って行く」などとセキュリティー専門家に圧力をかけつづけ、ツイッターで脅迫まがいの発言を繰り返すなど、議論の深まりもなく、問題はまったく解決しないまま事態は泥沼化しているというのが現状だ。

【TSUTAYA図書館問題】Facebook市長がセキュリティ研究者に「公開討論を」「お背中流しまーす」と誘うも断られ「卑怯だ」と怒る

Facebookアカウントを市の職員全員に実名で取得させたり、図書館にTカードを導入検討してみたりなど、話題性はあるものの個人情報漏洩に対する危機感は希薄だといわざるを得なかった武雄市の施策。武雄市市長の個人情報漏洩事件を機に、一度立ち止まって個人情報保護の大切さについて考えるとともに、真摯にセキュリティ専門家のアドバイスを受けてみてはいかがだろうか。


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記者:

ニュースサイト『ガジェット通信』発行人。未来検索ブラジル代表。東京産業新聞社代表。ハリウッドエンターテイメントビジネス誌『Variety Japan』Senior Editor。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラクターに興味がある。好きな食べ物はシュークリーム。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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