どのキャラとエンディングを迎える?RPG調ファンタジー絵巻『桜花戦記』
良質なゲームには、必ず良質な物語があるもの。ムービーシーンをふんだんに取り入れた大作ゲームに限らず、レトロゲームのようにシンプルなゲームでも、その背景となる物語を想像させるものは名作といえるのではないでしょうか。逆にゲームという仕組みが、プレイヤーの脳に物語や世界観を刻み付ける“装置”として機能している作品もあります。『桜花戦記』は、無料でプレイできるFlashゲームでありながら、コンシューマの大作ゲームに劣らぬ物語を見せてくれる作品です。
このゲームの主人公は、赤い髪の少女レン。かつて大陸を支配した“神王”と人間との戦争で神王たちを制し、封印した伝説の魔女です。戦争後、眠りについたレンはその1000年後、神王たちが復活の気配を見せる桜花国で長い眠りから覚めることになります。レンを目覚めさせた桜花国の領主、ヒョウとその家臣たちと共に、レンは再び神王との戦いに臨む――というのがこのゲームのあらすじ。
ゲーム内容は、敵との戦闘を勝ち抜いていくシンプルなRPG。戦闘シーンでは、2人のキャラクターを護衛につけ、攻撃・回復など魔法のコマンドを入力してレンを操作します。コマンドは、魔方陣にマウス操作で“印”を描いて入力するというユニークなもの。魔法を発動させるのに必要な集中力の減少と回復に注意しながら、リアルタイムにコマンドを入力していきます。経験値の概念は見える形では存在しません。ステージが進むにつれ、使える魔法が増えていきます。
ステージの合間には、キャラクター同士の会話シーンが挿入されますが、『桜花戦記』の物語を進めるうえで重要なのは戦闘シーン。どのキャラクターとどれぐらい一緒に戦ったか、というパラメータが、最後の戦いやエンディングの内容に結びついていきます。プレイヤーにとって思い入れの強いキャラクターが物語にかかわっていくゲームシステムは、数々のコンシューマ機でリリースされている人気シミュレーションRPG『ファイアーエムブレム』を想起させます。RPGとしてゴリゴリ攻略するのではなく、世界観やキャラクターを楽しみながら物語を読み進める“絵巻”のようなこのゲーム。あなたはどのキャラクターとエンディングを迎えますか?
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『桜花戦記』(『モゲラ』にて公開中)
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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