『最後のパレード』売上金の寄付をユニセフが拒否「お断りしました」

盗用問題がいまだ解決していない書籍『最後のパレード』(著者・中村克)。ディズニーランドでの感動的なエピソードをまとめたこの書籍は、発売されるやいなや数十万部のベストセラー書籍となった。しかし、複数の内容に無断転載や盗用と思われるエピソードが収録されていることが発覚し、出版元のサンクチュアリ出版は自主回収を決定。現在は書店に並んでいない。

そんな騒動を重く受け止めたサンクチュアリ出版は、『最後のパレード』の売り上げのなかから数パーセントを日本ユニセフ協会に寄付することを決定。著者である中村氏のサイトでも、日本ユニセフ協会に初版として刷り上げた47,000部の3パーセント(1,776,600円)を寄付したと掲載している。

しかし、“寄付した” としていながらも、日本ユニセフ協会は寄付金の受け取りを拒否していたことが判明した。これは、ガジェット通信編集部に届いた事情通の方の情報を元に取材班が調べたところ発覚したもので、日本ユニセフ協会は1円も受け取っていないことがわかったのである。このことについて、日本ユニセフ協会とサンクチュアリ出版に取材をして詳しいお話をうかがった。

日本ユニセフ協会によると「当初は寄付をいただくということでお話を進めていたのですが、いろいろと問題が発覚してきたこともあり、今回はお断りしました」とのこと。どうやら、寄付を断ったのは事実らしい。

サンクチュアリ出版の『最後のパレード』担当者の話によると「確かに今回は寄付できないということになりました。ですが、『最後のパレード』の売上金という名目ではなく、弊社の売上金のなかから寄付できないかとご相談させていただいているところです」とのこと。どうしても寄付をしたいという気持ちがあるようだ。

もともと日本ユニセフ協会の名称を公表して寄付の宣言をする場合、あらかじめ日本ユニセフ協会の許可を得ている必要がある。名称を自由にしようさせると企業の売名行為につながるためで、日本ユニセフ協会の条件をクリアした場合にのみ、使用許可が出る。やはり、クリーンなお金で世界の子どもたちを救うという目的があるからなのだろう。

今回の『最後のパレード』の寄付金はその条件を満たすものではなかったことになるが、はたして、サンクチュアリ出版としての寄付金は受け取られるのかどうか、注目したいところである(このニュースの詳細記事はこちら)。
 

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