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【映画クロスレビュー】センセーショナルすぎる警察汚職事件を描く『日本で一番悪い奴ら』

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『日本で一番悪い奴ら』

【ストーリー】
大学時代に鍛えた柔道の腕前を買われて道警の刑事となった諸星は、強い正義感を持ち合わせているが、なかなかうだつが上がらない。やがて、敏腕刑事の村井から「裏社会に飛び込み『S』(スパイ)を作れ」と教えられた諸星は、その言葉の通りに「S」を率いて危険な捜査に踏み込んでいくが……。2002年、北海道警察で起こった“日本警察史上最大の不祥事”と呼ばれる「稲葉事件」が題材。

【スタッフ】
監督:白石和彌
原作:稲葉圭昭
脚本:池上純哉

【キャスト】
諸星要一:綾野剛
山辺太郎:YOUNG DAIS
アクラム・ラシード:植野行雄(デニス)
黒岩勝典:中村獅童
村井定夫:ピエール瀧

2016年6月25日公開。R15+
http://www.nichiwaru.com/

扱う内容は生臭いのに疾走感がある。主題歌も素晴らしい!

日本警察最大の不祥事とも言われる『稲葉事件』をモチーフに、重々しい内容を生々しく描き切った本作品には”これぞ邦画”という気持ちを抱かせてくれました。警察内で認められるべく、法を守るべき警察官が法を破って評価され、腐りながら邁進していく様子は、心の中にドロドロと澱が溜まっていくような、その反面どこか爽やかな印象も残る不思議な感覚に陥ります。これは扱う内容自体は非常に生臭いものの、疾走感のある凋落ぶりが、そういった印象を与えてくれたのかもしれません。物語が終演し、なんとも言えないどん底ぶりを味う最中に鳴り響く、スカパラ&Ken Yokoyamaさんの「道なき道、反骨の。」がまた素晴らしい。是非最後まで堪能して下さい。
(ひげおやじ・男性)

“綾野剛のカッコ良さ”は消え去り、「諸星」にしか見えない

きゃ〜剛くんかっこいい〜。そんなミーハーな気持ちでみれたのは最初の15分くらいでした。そこから先は、もう剛くんにみえなかった。誰だこいつは、ってなるくらい。それくらいやばかったです。時々「うわっ、何この人、股下長っ……(かっこいい……)」とは我に返ってはおもったけど、ほとんど諸星にしかみえなかった。巷で話題のイケメン俳優綾野剛には本当にとてもみえなかった。もはやイケメンではなかった。どちらかというとイッテル方のイケメンだった。やばかったです。人間ほんとにやばくなる瞬間、寄り目になるんですね。私も痴漢にあったら、寄り目剥こうって思いました。あとデニスの植野ですが、「外人顔すぎて居酒屋でポップコーンをおとおしにだされる人」ってイメージだったんですが、まあ、そんなかんじでした。よくはまってました。胡散臭かったけど可愛かったです。この映画唯一の癒しといってもいいのではないでしょうか。諸星の元となった稲葉さんは監督いわく「色気のある人物」だそうですが、剛くん演じる諸星からそこまでの色気は感じませんでした。が、その分?危険で野生な雰囲気がものすごかったです。全体としては内臓にどっしりくるやばい映画でした!
(Mちゃん・女性)

欲に振り回され人として堕ちてゆく姿にゾッ

序盤は正義感溢れる警察官の物語かな? と思い見てましたが、徐々に人間の欲に振り回され人として堕ちてゆく姿を見てゾッとしました……。欲望に忠実に生きて、周りの人をも巻き込んでしまう主人公。ああはなりたくないけど、どこか共感できるところもあって、終始ハラハラドキドキしっぱなしでした!
(Kちゃん・女性)

なぜ警察に自分のすべてを捧げ、盲信してしまったのか?

実録を元にして作成された映画なのかと思うと身の毛がよだつ内容だ。
綾野剛演じる諸星が、北海道警察に自分のすべてを捧げ、盲信してしまう原因はいったい何だったのか。諸星のバックグラウンドに関する具体的な描写について多くは描かれていないものの、諸星の細かな動作や目使い、そして徐々に変わっていく諸星の表情から、彼の本質を感じ取ることができ、綾野剛の底力を見せつけられたように思う。
また、映画作品としても見応えのある非常にハイレベルな作品だが、作品で描かれていたことは実際に起きている事実であり、大人として知っておくべき警察界の現実を教えてくれる
という点でも、誰もが一度は見るべき作品だろう。映画ファンも映画初心者も、必ず想定以上の満足度を得られる作品だ。
(Eちゃん・女性)

根深い権力組織の腐敗は全然他人事じゃない

稲葉事件という、警察・マスコミが報道しない大スキャンダル事件の映画でした。
稲葉事件だとなんかちっちゃそうだけど、中身は北海道警察凶悪密輸裏金殺戮事件、みたいな!

お話は、1980年頃から2002年頃にかけての乱暴で幼稚な大規模犯罪にまつわるものですが、多数の関係者のうち他2名ほどしか逮捕されていないようで、あらゆる国家権力により徹底的に揉み消しにされたものみたいです。それが映画化されたとは、それだけでまずセンセーショナル!

主役が綾野剛で、また原作が主役モデルの稲葉さんなので、
鑑賞後の印象としては、根は純粋だけど血の気の多い人が周りに裏切られて一人悪者にされちゃった、みたいな感じでした。
柔道だけで警察に入って、上司のアドバイスに従って盲目に突き進んだ的な、終わりのシーンではちょっとアイヒマンを連想したけど、うーむ、ちゃんと言い訳も入ってる気する……。

ただこれは、日本に蔓延る根深い権力組織の腐敗からきているので、北海道の人じゃなくても、全然他人事じゃないのです。
警察ばかりか国税まで加担したなんて……。

専門機関に置かれた特権。
それはそもそも何のためのもので、何に歪められてしまっているのか。
内部でのタテマエ的な正当化事由が酷すぎて、それが罷り通るなんて、驚愕して嫌悪感・憤りを感じました。

しかし一方、フレンドリーな役者さんたちがコミカルな場面を作っているため、
つい何度も笑ってしまって………!
自分の善悪感覚がイカレている!と、不謹慎な気持ちになり、自分のことが不安になりました……。

この人たちにもこの人たちの仕事で養うべき大事なものがあって、こういう職場に入ってしまったから、そこで生きていくためには仕方がなかったのかな、なんて思ってしまい。
ほんとはもっと危機感をもたなきゃいけないのに……。

でも、私もこの度初めてこの事件のことを知ったし、
この映画をきっかけに、皆さんの意識が向くといいな!

男女絡みシーンもおもしろかったです(笑)。
(Rちゃん・女性)

(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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