くまモンのTwitter休止は賢明な判断

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くまモンSNS休止

くまモン(熊本県)のSNS休止は賢明な判断

間違った情報を発信してしまっても修正が困難なTwitter(ツイッター)。
これまでの災害時にも多くのデマや間違った情報が流された経緯があるが、このTwitterの仕組みは、災害時の公式情報の発信には向かない。刺激的な情報であれば拡散しやすくデマが発生しやすい上に、修正が難しい。その性質を逆手に取ったいたずらも絶えない。

今回の地震でも悪質なデマが実際にTwitter上で拡散していた。

一次ソースの案内を

個人的なメッセージ発信や呼びかけなどには向いているがニュースやウェブサイトでみかけた情報をコピーしてTwitterをはじめとしたSNSで発信するのは控えるべきだ。

災害時のネットでの公式な情報発信は「ここを閲覧すれば正しい情報が得られる」という場所をつくり、そこに追記もしくは更新していく形が最も安全で、ウェブ等で災害時の情報発信であれば、固定したURLを持つページを作り、そこを更新していく形が望ましいだろう。つまりは自治体のホームページや信頼のおける報道機関(NHKや新聞など)のウェブサイトや放送などの「情報の一次ソース」を閲覧するということになる。

緊急時において、どれが正しい情報かわからないまま多くのメッセージを検索している時間はないし、それら真偽がわからない情報が錯綜するのは非常に危険である。

くまモンの沈黙は賢明な判断

「くまモンのツイッターや県のTwitterアカウントが沈黙している」と一部で話題になり、その休止そのものを批判する論調もあるようだが、ツイート休止は非常に賢明であり当然の判断だと思う。

くまモンは、正しい。

特に公式であれば書かれたことが本当だと信じこんでしまう人もいるわけで、確実でない情報を発信するわけにはいかない。緊急時は、正しい情報にアクセスできる環境を保つ、ということが最も大事なことだと思う。くまモンに一次ソースの場所を示して欲しいという向きもあるようだが、そこまで求められてはくまモンも大変だ。私自身、熊本県出身ですが、今回のくまモンの対応は、普段は優しくソフトでにこやかだが、いざというときはやるべきことに真剣でそこしれぬ力を発揮する熊本県人を彷彿とさせ、いかにも熊本らしいなと感じました。

今はくまモンの元気なSNSでの発信が復活することを期待しつつ、事態を見守りながらくまモンのツイートを待とうではありませんか。

関連リンク

※情報を集めています
熊本地震 支援・募金・義援金情報まとめ
https://getnews.jp/archives/1445565

※トップ画像はくまモン公式ページより( http://kumamon-official.jp/information )
くまモン公式ページではこれら批判に対し「この度の地震に見舞われた方々の事を最優先に行動しているところであり、SNSでの情報発信については控えております」とコメントを発表しています。

(深水英一郎/ふかみん)

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深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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