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「放射能うつすぞ」は失言ではないのか。「ヤクザ記者」を追いかけたら誰が得するのか。

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経済産業省

旧メディア人同士の縄張り争いのために真実はウヤムヤに

鉢呂元経産大臣の失言をめぐって、メディアに品位がないと話題になっています。しかしそもそも発言に品位がなかったのは鉢呂氏ではなかったのでしょうか。何故、話がすり替わっているのでしょうか。

もともとはオフレコの場で語られた内容とのことですが、しかしオフレコとされた発言が取り沙汰されるのは初めてではないわけですし、政治家側も発言は常に公表されるものと覚悟しておかなくてはならないということ、ただそれだけなんだと思います。

大臣会見のオープン化が進んでいることに伴い、マスコミは他メディアを排除した囲み取材やオフレコと称した取材のような形で大臣の囲い込みを図っているだけで、事実上そこは単なる「クローズド」なネタ収集の場となってきているということなのでしょう。これは一部マスコミによる談合で、それはそれで問題ですが、これ自体大臣が「やらない」と言える権限は持っているわけで、大臣とマスコミの利害が一致しているから続いているということです。

しかしどのような形にせよ、そのあり方が間違っているにせよ、一度漏れてしまった発言に問題があるのであれば、メディアとしてその経緯やそのときの真意などを問うのは当然のことなのではないかと思います。

最大の焦点は何か

鉢呂氏が発言の詳細な状況について説明を避けたことについて各メディアは追求しているわけで、ここを厳しく追及するのはメディアとしての勤めだと思います。ジャーナリストの思考回路についてはよくわからないところもあるのですが、あの会見においてそこが最大の焦点であるのは間違いないでしょう。そもそも「放射能すりつけてやる」発言についての詳細がわからなければ、大臣が辞めなくてはいけなくなった経緯についてもよくわからない、ということになります。会見中、海外メディアの記者が「このままでは海外に向けて大臣が辞めた理由の説明ができない」と発言していましたが、海外のみならず、国内でもよくわからんのです。発言が事実とすれば不穏当であることは間違いないわけですから、謝罪した上で大臣として引き続きがんばっていただければそれでよかったのではないかと思いますが、よくわからないまま、本人は辞めるということを早々に決めて会見に挑んだわけです。鉢呂氏は「そんな発言をした確信がない」と述べていますが、まったく意味不明です。ではますます辞めなければよい。さらにその裏には官僚との確執もあると言われていますが、この発言のあるなしがわからないとそこまで話が及ばない。

そういった追求がおこなわれている中、不遜な態度で鉢呂大臣を追求する記者に対して「敬意を持って質問してくださいよ」「恥ずかしいよ君はどこの記者だ!!」と怒鳴ったのは、フリージャーナリストの田中氏だそうです。しかし敬意を問題にするなら、会見後に注意すればそれでよかったのではないでしょうか。

鉢呂元大臣への共感、陰謀論

田中氏のブログを読むと、田中氏は鉢呂元大臣に対して共感する部分もあったようで、記者クラブによる陰謀論等も語っておられますが、激昂されている理由はそのあたりにあるようにも感じます。その後も、鉢呂大臣を激しく追及した記者を「ヤクザ記者」と称し、追いかけ回しているそうですが、しかしながらそれをもって誰が得をするのかよくわかりません。他メディアでもそれに追随し「暴言記者」等と称して事の次第を紹介しているところもあるようですが、それで鉢呂元大臣の発言の真相がわかったりするのでしょうか。記者クラブの陰謀、果ては官僚との確執まで斬り込むのであれば、やはり避けて通れない部分ではないかと思うのですが。

旧メディア人同士の縄張り争い

ちなみに、昔のことならまだしも、割と最近の9月8日に田中氏はTwitterで

野田首相の「復興増税」に驚いた。アホか。将来の納税者である福島の子供を危険に晒しておいて増税も何もないだろ。カダフィだってこんなバカなことはしない。
http://twitter.com/#!/tanakaryusaku/status/111532489167736832

と発言しておられます。首相に対してアホとかバカとか書き連ねる方が議員への敬意について語ることに違和感を禁じえません。

はたから見てるとどっちもどっちであり、古いジャーナリスト同士で大ゲンカするのはいいんですが、結局やっぱし「放射能すりつけてやる」発言の経緯はよくわからず仕舞いです。辞任すると言っているのだからそれは何かを言ったには違いないというのが大方の見方でしょうが、本当にその発言はあったのか、なかったのか、どのようなものだったのか、そこで本人の言葉を得られるかどうかは大きな違いです。最大の焦点はそこであり、目の前の真実を追い求めることを忘れて、古いタイプのジャーナリスト同士の縄張り争いの話が割り込んでくるのは本当によくないと思います。マスコミ対フリージャーナリストの縄張り争いなんて、読者にとってはホントどうでもいいことです。便乗している「元紙メディアで今はネットメディア」みたいな人達も、腹に据えかねるものが元々あるのでしょうが、だからと言って今回の追求の仕方は的外れのような気がします。まさに、単なる便乗です。的外れなことで騒いでも、何も変わりません。そんな利権争いはどっか場外でやってはどうかと思ってしまいます。

知りたいことがあるので近々経産大臣の会見にも行ってみようと思っているのですが、質問したらこのような形で追いかけまわされるとすると、ちょっとこわいですね。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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