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大臣とフルオープンで会談して『仕事をさせてください』と言いたい――古賀茂明氏第2回超党派勉強会テキスト起こし

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古賀さん講演

【このテキストは転載自由です】

7月13日水曜日に衆議院議員会館にて開催されました超党派の勉強会「第2回日本中枢を再生させる勉強会」での古賀茂明さんの講演の様子を取材し、テキスト化しました。

東電救済法案とも言われる「原発賠償機構法」を成立させようという動きが加速しており、その法案を批判する言論への圧力が強まっています。いちはやく「古賀プラン」を提示した古賀茂明氏は辞任を求められ、本日7月15日までの回答を迫られています。もちろん、このようなクビ宣告に法的根拠はありません。それに対して遂には海江田経産大臣までもが「言いたいことがあればきく」と返答。そして古賀氏はフルオープンでの大臣との会談を申し込みたいと発言しています。前代未聞の大臣と閑職に飛ばされた職員との「フルオープン会談」は実現するのでしょうか。「話をきく」と言った大臣からの返答は? また、古賀氏は法的根拠のない「退職勧奨」により仕事を辞めることになるのでしょうか。

資料

動画と当日資料のPDF版はこちらにございますので、参考にしてください(取材:東京プレスクラブ)。――このテキスト起こしは古賀さん講演部分のみですので、出席者からの発言や質疑などは動画でご確認ください。

古賀氏講演は11分25秒あたりから
・当日配布された資料を東京プレスクラブが電子化したものはこちらです

リストラが必要なのは東電だけではない。国もリストラを

おはようございます。経済産業省の古賀でございます。

国の責任か、東電の責任か、という議論がおこなわれています。国の責任というと、国民負担、そいて電気料金はどうなる、といった話になりがちですが、「国の政策を進めてきた人達の責任」はどうなのか、ということになると今まで殆ど議論されていません。

東電の責任といった時に、「徹底的なリストラを」という話がでてきますが、政府の責任といった時に、「政府のリストラを徹底的に」という話は出てこない。

それから、東電の責任といった時に、「経営者の責任」という議論がされます。東電の社長は交代されましたが、それ以外の役員の方々は十分な責任をとっていると私は思いません。政府に関して、そういう「責任」というのは一切問われていない。議論もされていないのではないか、という風に思っております。

「国の責任」という議論をするときに、「国のリストラ」ということを必ず議論していただきたいなと私は思います。すぐにできることと言えば、例えば資産売却のようなことがあります。例えば経済産業省でもいろんな独立法人を持っています。例えば石油関係とか、そういうところに株式会社、その子会社、孫会社等をたくさん持っていて、そこに天下りがたくさん行ってます。そういうところを全部整理といったことをやっていただくようにしたらいいんじゃないかなと思います。

政策を運営していた人達の責任という意味では、現在の経産省の幹部も過去エネルギー行政に携わっておられた方がたくさんいらっしゃるので、そういった方々の責任もきっちりとる、という形にしなければいけないんじゃないかなと思います。

渡辺さん

電力会社、関連会社への天下りはそのままでよいのか

それから、天下りの役職員が、今もまだ電力会社に携わっておられます。役員の場合は調べればすぐわかるんですが、職員のところまで下りていったり、関連会社まで下りていったりといったところが非常に見えにくい。そういったところはちゃんと調査をしていただきたいと思います。民主党政権には非常に得意な技があってですね、法律でできないことでも「要請をする」という伝家の宝刀がありますので、天下りの役職員に関してはご本人に退職をお願いする、あるいは会社に対して、そういう役員に関しては退任させるようにということを「要請する」ということはできると思います。そういったこともちゃんとやった上でケジメをつけて次の政策を考えていただきたい、という風に考えております。

政府は官僚と一線を画し戦う姿勢を

今、最大の問題は政府に対する信頼が完全に失われているということだと思います。政府が何を言っても国民は信じられないという現実がありまして、特にエネルギー政策に関しては、経済産業省、エネルギー庁、原子力安全保安院に対する不信感が頂点に達しています。ですから、いくら政府が「原発は安全だ」と言ったところで誰も信用しない、ということですので、まずはそこを変えなければいけません。そのためには政府が自ら襟を正す。そしてこれを政府主導でやっていただきたい。当然、官僚は今私が申し上げたようなことについてはものすごく抵抗すると思いますが、海江田大臣をはじめとする政府の責任ある立場にある政治家の方々が、そこは官僚とは一線を画してですね、しっかりした責任をとらせる、リストラをやる、ということを明確にする。そういう「戦っている」という姿勢を見せれば、民主党政権は官僚とは違うんだ、という信頼感が生まれてくると思うんですね。ですから、そこをまずスタート地点としてやっていただきたい、という風に思います。

「先送り」を警戒せよ

それからもう一つ、このスキームのことについて具体的な点についていくつか申し上げます。私が元々申し上げておりましたのは、この処理についてある程度時間がかかる、という事であります。

聞くところによりますと、自民党の中でも「2段階でやればいいんじゃないか」という議論が出ているという風に聞いております。とりあえずは今の政府案、もしくは今の政府案を若干修正したような形で行って、法的処理といったような、ドラスティックな最終処理のところは、将来考えたらいいんじゃないか、というような、私から見れば先送り的な考え方が、色々議論されているという風に聞いております。

「実際の問題として時間がかかる」ということと、「そのうち法的処理を考える」ということはまったく意味が違います。最初からやはり法的処理というもの、法的整理というものを視野に入れ、それをやります、という方針を立てた上で、それが最終的に終わるまでには時間がかかりますよ、ということで是非進めていただきたいと思います。

古賀茂明さん

東京電力へ無尽蔵にお金を入れることができる法案、国民転嫁のトリック

この法案を通して、それが動き始めますと、政府は無尽蔵に東京電力へお金を入れることができるようになります。それも融資じゃなくて、出資で入れられます。本来は債務超過になるはずなんですけれども、「債務超過になりそうだ」といった瞬間、すぐに出資してしまえば、債務超過にならないですね。このようにして法的整理を逃げ続けることができるようになってしまいます。その間に、政府の出資といった形でのリスクは高まり、仮に2年後3年後に法的整理をするということになった場合、その出資分というのは銀行の債権よりも先に減資されてしまう、ということになります。これは結果的に銀行の債権を弁済するために国民負担としてどんどんつぎ込む、というようなことが起きるということです。

法的整理が「できない」ではなくて「したくない」なのでは

それから債務額が確定しないから法的整理ができないという話があります。これに関しては、あらかじめ法的な措置は必要かと思います。例えば会社更生法を使うとすれば、会社更生法の手続き開始の要件として「原子力の損害賠償の関連の場合だけ、政府は巨額の賠償が予想されて、将来債務超過になるおそれがある」というだけで申し立てができ、かつそれで手続き開始を裁判所が決定できるという、特別条項をひとつ作ればいいと思います。その上で、手続きが開始されたら、多分賠償額が決まるまでに1年ぐらいはかかるのかなと思います。そしてその他の廃炉の費用だとか、今の原子炉を安定させるために必要な時間などを考え合わせながら、色んなものが確定してきます。そういったものを確定させた上で、最終的な再生計画をつくるということにすればいいのです。これは普通の事業再生でもザラにあることです。「支援に入りました」と言ってから、最終的な再生計画、あるいは更生計画ができるまで、昔は2年ぐらいかかることはザラだったわけです。ですから、その間に確定させていけばいい話で、今、「できない、できない」と言っているのはですね、したくないからそう言ってるだけです。国会というのは法律を作ったり、変えたりできるわけですから、足りない部分は立法措置するとしてもですね、基本的な考え方は、今申し上げたような形で進めていただくのが、国民負担の最小化とか、公正性の確保というような、一番重要な原則を満たしていくことができるんじゃないかという風に思っております。

「早く大臣と会って辞めろ」

それから、最後に、テーマとはずれますけれども、私の近況につきましてご報告をさせていただきたいと思います。6月24日に松永次官から、「退職の勧奨」というものを受けました。その内容は、「7月15日に辞めてくれ」というものでございます。それは今週の金曜日なんですが。国会では渡辺代表(みんなの党)や塩崎先生あるいは他にも水野先生とかですね、それから他にもご議論をいただいてですね、その度に大臣は、「言いたいことがあるのであれば、私の部屋のドアは開いております、いつでも来て下さい」というようなことを言われたそうであります。私は大臣からそのようなことを言われたことはありません。大臣と会ったことはありません。私は非常に不思議な感じはしてるんですね。クビにすると決めてから「言いたいことがあればきいてあげるから、来るなら来い」と。だけど自分からは絶対に呼ばない。それがすごく不思議なんです。先週1回、また次官から呼ばれて、言われたことは「手続きに時間がかかるので15日に間に合わなくなるから早く決めてくれ」と。私は「手続きに時間がかかる、ということは関係ないじゃないですか」と申し上げました。昨日、また官房長から呼ばれまして、「とにかく早く辞めることを決めろ」と。「大臣が会うと言ってるんだから、早く大臣と会って辞めろ」という指示をいただきました。

大臣とフルオープンで会談を。「仕事をさせてください」と言いたい

私は、そういう意味では大臣とは色々とお話はさせていただきたいと思ってはいます。これから大臣にアポイントを申し入れようと思っておりますが、その前に自分の考え方を整理すること、そして大臣には、会談をできればフルオープンでやらせていただきたいと(会場からざわめきと拍手)、いうことを申し入れようと思っています。もちろん、大臣と私、二人の話ですから私だけで決めるわけにはいかなくて、大臣が駄目だと言えば、それはできない、ということになるかと思います。いずれにしても、大臣とお会いして、大臣のお話を伺った上でですね、判断をしていきたい。(会場を見ながら)先生方にはたいへんなご支援をいただいておりますので、簡単には辞められなくなってしまったんですけれども(会場笑)、たいへん有難いと思うと同時にですね、ただ、私は、残ることが目的ではなくてですね、「仕事を、したい」ということですので、大臣には、まずそのことを申し上げてですね、「仕事をさせてください」「仕事を与えてください」と言いたい。もし大臣が「お前には絶対に仕事なんかさせない」と言われれば、仕事が絶対ないのに残っているというのは意味がありませんので、その場合はやっぱり何か考えなくてはいけないのかな、と思います。「総理を見倣って、もっと粘れ」とか私が話をしにいく前に大臣が辞められるんじゃないかとかですね、色んなことを思うわけですけれども、私は別にポストに執着するつもりもありませんし、仕事が与えられるのかどうか、ということで判断していきたい、という風に思っております。以上です。(会場より拍手)

「日本中枢を再生させる勉強会第2回」出席者:

渡辺喜美さん(みんなの党)、小沢さきひとさん(民主党)、塩崎やすひささん(自民党)、河野太郎さん(自民党)、池田信夫(経済学者、アルファブロガー)ほか勉強会出席者多数。第2回勉強会発言者には佐藤ゆかりさん(自民党)、世耕弘成さん(自民党)、桜内文城さん(みんなの党)、柴山まさひこさん(自民党)ほか。

●古賀茂明さん(経済産業省 大臣官房付)プロフィール

ダイエー、カネボウなど事業再生のプロフェッショナル。中曾根康弘元総理をして「これは革命だよ」と言わしめた公務員改革を支え、遂には昨年末公務員改革に及び腰の民主党と衝突し、閑職に飛ばされる。震災後はエネルギー産業の未来へのたたき台となる『古賀プラン』等を公開し、議論の一翼を担う人物として注目されている、が先日経産省より「退職勧奨」という圧力を受ける。まさに「戦う官僚」。その力の源泉をきいたところ、がんとの闘病を通して「正しいことをやりたい」と考えるに至ったとのこと。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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