インターネットを匿名の卑怯者の楽園から変えるにはどうすればよいか
今回は『アゴラ』様に掲載された井上晃宏さんの記事からご寄稿いただきました。
インターネットを匿名の卑怯(ひきょう)者の楽園から変えるにはどうすればよいか
何度かこの『アゴラ』で発言してきて気づいたのは、インターネットで論争するには匿名が圧倒的に有利だということである。実名で発言しようとすると、種々の問題がある。だから、インターネット掲示板では匿名の卑怯(ひきょう)者が大手を振って歩いている。
匿名ならば、自分の体験を自由に書くことができる。少しでも実名で書いた人なら、身にしみてわかるだろうが、“個人的体験”というものは、しがらみがあって、そうそう書けるものではない。批判的言動を弄するとなると、かつて世話になった人に類が及んでしまう。
よって、実名で発言する限り、すでに公刊されている書籍からの引用だとか、他人のウェブの引用だとか、業界での“常識”だとかいった腰の引けた発言しかできなくなる。
だからといって、匿名発言を認めるわけにはいかない。それは、法的な処罰などのサンクションを免れた無責任発言を認めることになるからである。
もともと、インターネットは実名の世界だった。固定IPしかなかった時代には、匿名発言などしようがなかった。しかしながら、プロバイダーによりIPが非固定になったからこそ、多くの人がIPを利用できるようになったのだから、固定IPに戻ることは現実的ではない。
掲示板での発言には、すべて、投稿時のIP表示を義務付けるようにしてはいかがだろうか。少なくとも、それで、使っているプロバイダーは明らかになる。プロバイダーが判明すれば、プロバイダー責任法により、後日、利用者の開示を強制することができる。
IP表示をしないサービス業者については、国内プロバイダーにブロッキングを義務付ければよい。まさに、こういう場合にこそ、ブロッキング強制化は威力を発揮する。有害情報とは、セックス表現や暴力表現だけではないのである。
執筆: この記事は『アゴラ』様に掲載された井上晃宏さんの記事からご寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信
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