シューベルトの『魔王』を明るくしてみた

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シューベルトの魔王を明るく

ベートーヴェンの『第九』をはじめとして、年末年始などはコンサートが行われたり、TVのクラシック番組で曲が流れたりなど、普段より増してクラシックを耳にする事が多いかもしれませんが、みなさんクラシック音楽はお好きですか? 音楽の授業以外は馴染みが無い人、普段からヘビロテで聴いている人、吹奏楽やオーケストラに入って演奏している人、二ノ宮知子さんの『のだめカンタービレ』 でハマった人……などクラシックとの付き合い方は様々だと思いますが、考えてみると意外にクラシックって身近な音楽なんですよね。普通に聴いたり演奏したりの他にも、アレンジを施して自分なりの表現をしてみる、という楽しみ方もありますね。平原綾香さんの『ジュピター』(グスターヴ・ホルストの『木星』がモチーフ)のように、ボーカル曲にして歌ってみるのも面白いと思います。

みなさんの中でも、クラシックが好きで独自アレンジをしてみたい!と思っている方もいるのではないでしょうか? パソコン用音楽制作ソフト(DTM)の高/多機能化や低価格化、幅広い製品ラインナップにより、アマチュアや楽器が弾けない人でも音楽制作にチャレンジしやすくなりました。また完成した曲をYOUTUBEやニコニコ動画といったサイトで公開するのも最近の楽しみ方。曲を公開するには著作権も問題になってきますが、著作権がオープンになっている物(パブリックドメインとも呼ばれます)が多いのもクラシック曲の魅力の一つです。自由に演奏や表現をして、それを多くに人に聴いてもらえるのは大きなモチベーションになりますね!
※著作権が切れている曲でも、他人が演奏した物をアップしたりするのは違法になる事があります。その他、様々なルールがありますので、著作権の扱いには十分気をつけてください! 公開の際には、著作権に関して説明している本やサイトも多くありますので、よく調べてみる事をオススメします

ジャンルやコード進行を指定するだけで曲が出来てしまうソフトもあるので、難しいことを考えずに何か作ってみましょう! まずは企画・構成を考える事から。例えば、暗くて辛くて悲しくてどうにも救いの無い曲を、楽しく明るく力強い、ポップスアレンジにしてみるのはどうでしょうか。モチーフとしては、シューベルトの『魔王』なんかは切な過ぎて良いかも!

【時間が無い人のための、『魔王』のあらすじ】
『「魔王」の気配を感じた「子」は、早く逃げようと「父」に訴えるのですが信じてもらえません。「魔王」はあの手この手で「子」の興味をひこうとします。結局「魔王」が力ずくで「子」の命を奪ってしまい、「父」は悲しみ激しく後悔する』という物語。

YOUTUBEで「シューベルト 魔王」で検索するといくつか出てきますので、原曲を試聴してみてください。いかがですか? 救いが無いし、曲もすっごく暗く悲しい! このイメージをガラッと変えて「明るい『魔王』」創りに挑戦してみましょう。手始めに暗い短調の曲を、明るい長調にしてみます。単純に、楽譜のシャープ(♯)やフラット(♭)の位置をずらすだけで、ほら不思議!! あれだけ暗かった曲が一発で明るくなります。『魔王』の場合、シとミにフラット(♭)が付いて(Gマイナー)いますが、フラットを二つとも取ってしまって、ファにシャープ(♯)を付けます(Gメジャー)。
※楽譜によっては移調されている場合があります

同じ演奏パターンも何度か出てきますので、コピー&ペーストなども利用して曲を完成させます。ドラムやギター、シンセサイザーなどを付け足したり、リズムや拍子を変えてみたりなど、アレンジや構成を変更すると全くの別物!と思えるほど違う曲になってしまうことも。歌物として主旋律を友達に歌ってもらったり、『初音ミク』などの『VOCALOID』等に歌ってもらうのも楽しそうです。詞の無い曲なら、この際作詞もして世界観を広げるのも良いですね! 一人でじっくり作るのも良いですし、友達大勢で協力し合いながら作るのも刺激になって楽しいと思います。

音楽ソフトでの曲作りでは、ソフトの使い方を勉強したりある程度知識が必要な部分も出てくるかもしれません。5分を越えるような長い曲であればデータ入力も根気がいりますし、表現力を豊かにしようとすると手間も時間もかかります。一所懸命に作業していた途中でデータが消えてしまったときの落ち込み様といったら、『魔王』の世界と同じくらい辛く悲しい!と言っても過言ではない(?)でしょう。

しかし、だからこそイチから物を作っていく楽しさと、完成したときの達成感、そして曲への愛着は他では得られないほど大きいと思います。

ぜひみなさんも、世界中の人が知っているあの名曲を、オリジナリティ溢れるアレンジにしてみて、多くの人に聴いてもらってみてはどうでしょうか。もちろん著作権への配慮と、原曲へのリスペクトはお忘れなく。

【作例 : シューベルトの「魔王」を明るくしてみた/YOUTUBE 版】
http://www.youtube.com/watch?v=0ebqRCOk5fk

※この記事は、ガジェット通信一芸記者のunit3さんが執筆したものです

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