山口俊一・内閣府特命担当大臣閣議後会見 「個人情報保護法改正はEUからダメと言われないのが大事」(2015年2月13日)

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2015年2月13日10時45分頃より中央合同庁舎第8号館で山口俊一内閣府特命担当大臣の記者会見が開催されました。前日に自由民主党の政務調査会が「個人情報保護法改正に関する提言」を公開されたことに関連した質問をすることができました。ここではその部分を抜粋して紹介します。

※参考 個人情報保護法改正に関する提言を内閣府IT担当大臣に申入れました。(自民党政調会IT戦略特命委員長・平井卓也衆議院議員のサイト)
http://www.hirataku.com/topics/362/ [リンク]

※詳細な大臣発言・質問・議事録は、内閣府ホームページにてご確認下さい。

パーソナルデータに関する質問(抜粋)

ーーパーソナルデータに関してお伺いします。自民党政調会が個人情報保護法の改正に向けて「個人情報の取得後のオプトアウトによる利用目的の変更は認めない」という提言を出されたかと思います。パーソナルデータ検討会の議事録を拝見する限り、両論あるように感じますが、大臣が何らかの形で判断されることになるのか、その時期はいつになるのか教えて頂ければと思います。

山口大臣:基本的には、党の方から提言は頂きました。

おっしゃる通りで、実はこの件に関しては双方意見がありまして、そこら辺の調整を進めている時に、党の方からも(提言を)頂いた。公明党の方からのお話もこれからあるのだろうと思うんですが、そこら辺を受けて総合的に判断していく。やっぱり基本的には個人情報をしっかりと守りながら、同時に時代の変化の中でいかにそれを利活用できるかというところで、双方が完全に「これいいね」となるかは別として、しっかりと双方の意見を聞きながら最終的にまとめていきたいということです。

もう一つは、せっかくやったのに、やっぱりEUの方から「日本ダメじゃないの」と言われないようにするのが大事だと思いますね。

個人情報保護法改正の行方は……

開催中の通常国会に提出される見込みの個人情報保護法改正案ですが、その骨子案では、企業が個人情報を取得した時に「利用目的の変更がありえる」と通知・公表して、個人情報を提供した本人が後で利用を拒否できるオプトアウト(利用停止)の手段を用意すれば、新たに発足する個人情報保護委員会に届けることで目的外利用ができるようになる、とされています。つまり、一度企業に渡した個人情報が別の目的で使われる可能性があるわけです。
これには、経済協力開発機構(OECD)が定めたプライバシーガイドラインに適合しなくなる、という反対意見が根強く、今回の自民党政調会の提言につながっています。
IT総合戦略本部のパーソナルデータ検討会で議論されてきた法改正は、EU(欧州連合)から日本に個人データを自由に移転できるようにすることが目的の一つとされてきたので、山口大臣の発言はそれを確認する色合いが濃いといえるでしょう。

「理研が記者に対応を相談した」発言で波紋広がる

一方、STAP細胞問題の理化学研究所の対応について、山口大臣が「今回の件はいろいろと記者さんに内々で相談したようです」という発言があり、出席した記者の中でざわつく一幕がありました。
当初、小保方晴子氏をはじめとする関係者の処分について、予定のなかった記者団へのブリーフィングがセットされたのは、山口大臣ら閣僚が「しっかりと説明責任を果たしてほしい」と述べたことも影響したと見られますが、山口大臣によると、「(会見をしなくても)いいんじゃないの、という意見も一部あったようで、(結局は)やっぱりあった方がいいとなったと」いう経過があったと発言。アドバイスした記者の存在を匂わせました。
大臣退出後、会見場では「幹事社には(話が)来ていない」「一体誰?」といったささやきが交わされることに。「何のためにあのような必要のない発言をしたのか」といぶかしがる声もありました。ひと言でクラブ加盟社の記者を惑わすあたり、山口大臣の老かいさを感じざるを得ませんでした。

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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