ゲリラ豪雨から身を守る家庭の備え
備えは道具だけではなく、「逃げる備え(決断)」が大切
近年、よく耳にする「ゲリラ豪雨」。ゲリラ豪雨とは、非常に狭いエリアで驚異的に大量の雨が降る「局地的豪雨」のことを指します。驚異的に大量の雨が降った場合に懸念されることは、山間部や丘陵地では、地盤が緩み土砂崩れなどが考えられます。また、郊外を含む都市部では、排水機能を超えた大量の雨が行き場を失い、浸水や洪水を招くことが予想されます。今回は、都市型の「ゲリラ豪雨」に対する家庭での備えについてお話しします。
対策として、まず思い出してほしいのが「非常持ち出し袋」です。家庭では「一家に1つ、もしくは2つ」ではなく、「ひとりに1つ」と考えてください。大人と子ども、男性と女性ではそれぞれに必要なものが違うので、ぜひ用意してください。
次に浸水や洪水に備える対策ですが、その前に水の特性について述べておきます。
(1)水中では呼吸ができない
水に飲み込まれたら数分で死に至ります。
(2)抵抗が大きい
密度の大きさが空気の830倍です。浸水した家や車などではドアが開きません。
(3)体温を奪われやすい
空気の25倍の速さで熱を奪います。濡れた体は急速に体温が奪われるのです。
つまり、浸水や洪水に対抗する備えは「道具」だけではなく、「逃げる備え(決断)」が大切です。
命を守るためには、「知識」と「冷静な判断力」が必要
水害に限らず、様々な災害において「逃げ遅れ」から尊い命を奪われた不幸は数えきれません。住宅火災から地震や風水害などの天災まで、自然の猛威に対して人は無力です。無力であるからこそ「逃げる決断(時間と場所)」が大切です。では「逃げる(避難する)」ためには何が必要でしょうか。
(1)ひとり1つの「非常持ち出し袋」と必要最小限の中身
(2)ハザードマップと避難場所、および避難経路の確保
(3)動きやすい服装とヘルメットや手袋、探り棒など身を守る道具
荷物を1つにまとめ、両手を使える状態で「逃げる(非難する)」ことが重要です。
自然災害においては、気象庁から各種警戒情報(警報・注意報など)が配信されます。その場合、「配信された情報がどの程度の注意や行動が必要なのか」を判断しなければなりません。2013年8月30日から運用が開始された「特別警報」(命を守る行動を呼びかける内容)が発令されたときの「行動(=知識)」と、「逃げる(非難する)タイミングと場所」、「逃げ遅れたときの対処(近隣の2階、救助要請)」など、状況に合わせた臨機応変な「対応(=判断力)」が求められます。
「ゲリラ豪雨」をはじめ自然災害全般では、生死を分ける結果につながるので、十分な「知識」と「判断力」を身につけたいものです。
最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。
ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。