消費者の声から100円ショップの商品を生み出す「みん100」
「こういうのが100円ショップにあったらいいな」という消費者の声を吸い上げ、実際に商品化する新商品開発SNS「みん100」の存在をご存知でしょうか?
みん100の基本的な仕組みを「公式サイトで“あったらいいな”を投稿 →精査検討し100円ショップ向け商品のメーカーに提案 →開発製造に進む商品を決定」と話す、みん100株式会社担当者に話を聞きました。
●みん100誕生の経緯
代表の池田がITエンジニアとして働いていた当時、100円ショップに商品を卸すメーカーの方々と関わる機会がありました。打ち合わせや交流を重ねる中で、「新商品のアイデアが足りない」「消費者のニーズをどう掴めばいいのかわからない」といった悩みを頻繁に耳にするようになりました。
商品のライフサイクルは年々短くなり、以前よりも速いペースで新商品を開発しなければならない時代。こうした課題は特定の企業だけでなく、業界全体に共通していると感じました。
そこで池田は、エンジニアとして培ってきたシステム開発の知識と発想力を活かし、「消費者の声を活かした新しい商品開発の仕組み」をつくれないかと考えました。その思いから誕生したのが、消費者とメーカーをつなぐ共創プラットフォーム「みん100」です。
みん100は約10年前に構想・立ち上げが始まり、2020年に法人化しました。現在は、代表取締役の池田大介、取締役の松野尾絢三、吉見友絵の3名という小さなチームで運営しています。立ち上げ当初は「メーカーのアイデア不足を解決する」ことが主な目的でしたが、現在ではそれを超えて、より社会的な意義を持つ活動へと発展しています。
100円ショップという「大量生産・大量消費」の象徴的な業界においてこそ、「本当に消費者が心から欲しいと思える商品」を生み出すことが大切だと私たちは考えています。単なるヒット商品づくりではなく、消費者と企業が協力しながら新しい価値を創り出す“共創文化”を広げていくこと。それこそがみん100が目指す未来です。
この文化を、まずは日本人の生活に深く根ざした100円ショップ業界から広げていくことで、メーカーの売上向上に貢献しながら、不良在庫や廃棄を減らし、環境にも優しい循環型の社会を実現していきたいと考えています。また、消費者がモノづくりに参加することで、商品に対する愛着を持ち、「つかう責任」への意識を高めるきっかけにもなると信じています。
●みん100発の商品を販売する100円ショップ
ダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツをはじめ、おそらくほとんどの100円ショップで販売いただいていると思います。
●みん100のユーザー
割合として多いのは20代から50代くらいまでの女性です。
●みん100で実際に商品化されるアイテム数
月に120~150件のアイデアが投稿され、実際商品になるのは年に10件程度です。
●これまでに商品化したアイテム数
およそ100アイテムです。
●ベストセラーとなったアイテム
カーテン用マグネットクリップ、ショートカットキーマウスパッド、立てて置ける保存容器、ベビーカー車輪カバー、蛇口延長ガイドなどになります。
●ビジネスモデル
収益モデルの基本はロイヤリティーモデルとなります。
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「こういうのが100円ショップにあったらいいな」というアイデアがあれば、気軽にみん100に投稿してみてはいかがでしょうか。
みん100 公式サイト
https://min-100.com/[リンク]
※画像提供:みん100株式会社
(執筆者: 6PAC)
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