『Ingress』コジプロ発表当日にCEOと密会!! 都立明治公園で行われた交流会リポート

2025年9月23日(火)、Niantic Spatialが開発運営を行う位置情報ゲーム『Ingress』のディレクターを務めるブライアン・ローズ氏の呼びかけで“Niantic Park”こと都立明治公園でミートアップが開催。
当日は思わぬサプライズ発表もあり、多くのエージェントがいろいろな想いを胸に参加したことだろう。
質問が飛び交う濃密な時間
本記事では怪文書から始まったミートアップのなかから、ブライアン氏とエージェントのあいだで交わされた質疑応答内容を中心に振り返る。
そして同日の昼間、コジマプロダクションの設立10周年を記念したイベント“Beyond The Strand”でサプライズ発表があった、パートナーシップに関するこぼれ話も最後に書き記しておく。

よりよいイン活の環境作り
もともとは“何は試してみたい”というニュアンスの呼びかけもあり、新機能もしくは新しいバトルのヒントになる体験でもできるんじゃないかとドキドキ。
きっと戦う準備を整えて当日現地に挑んだエージェントも多かったはずだ。


当日はブライアン氏のほかNiantic Spatialの創業者兼CEOであるジョン・ハンケ氏、代表取締役社長の村井説人氏や副社長の川島優志氏らも参加。
おそらくNiantic Spatialになってからエージェントのまえに彼らが揃うのはこれがはじめてだろう。



結果からいえば、何か新しいものを試すということはなく純粋なミートアップ。
その後半で行われた質疑応答は約30分と長丁場。
エージェントたちからの質問にブライアン氏がひとつひとつ丁寧に回答してくれた。
【機能・コンテンツ関連】
――Operation Portal Recon(ポータル・リコン)はいつ再開しますか?
ブライアン:今年の後半に再開する予定で内部テストはすでに始まっています。
――ARグラスとの連携はその後どうなっていますか?
ブライアン:Niantic Spatialが独自のハードウェアを開発するというよりは、さまざまなプラットフォームで『Ingress』が動作する環境をめざしたい。そのために現在は各社のARグラスを検討しているところです。
――Resistanceが勝利したときには専用のメダル(OSIRIS)があったがEnlightenedに対して専用のメダルがないのはなぜでしょうか?
ブライアン:現時点で明言できるものはないですが導入する場合は、来シーズンから始まるものに関しては両陣営にとって公平で明確な計画を立てているところです。
――Recruiterメダルは復活しませんか?
ブライアン:旧来の『Ingress』のシステムは悪用されやすかった。かんたんにズルいことができてしまう環境でした。それを解消するための仕組みを現在検討中です。
――Seerメダルは復活しますか?
ブライアン:Seerメダルがあった当時、我々はポータル数を増やすことを目的としていました。しかし、いまは数ではなく質を重視したい。それを可能にするための仕組みを検討しているところです。また、みなさんのなかにはSeerメダルのカウントが進んでいる方もいると思います。それを踏まえ、現在の環境に戻すべきかは引き続き検討していきます。
――低品質なポータルを削除するシステムを考えているのでしょうか?
ブライアン:はい、考えています。現時点ではWayfarerを活かしたポータルの品質向上を優先していますが、将来的にはほかの方法も検討する必要があると思っています。
――プレイに支障をきたすミッションの対応策は?
ブライアン:将来的にWayfarerをミッションにも活用することを検討しています。

▲レベル上限の解放に関する質問に、現状は考えていないこととリカージョンを重ねてたのしんでもらえたらとブライアン。
【イベント関連】
――今後、日本のどんな場所でアノマリーをやってみたいですか?
ブライアン:開催する方向で検討をしています。もしいい候補地や協力してくれるPOCがあったらぜひ教えてください。また、来年(2026年)には新しい形式のアノマリーを試してみたいとも考えています。それを実現させるにはエージェント、PoCのみなさんのチカラが欠かせません。よりよくたのしいアノマリーを実現させるためにもぜひ今後ともよろしくお願いします。
――来年、日本でイベントはありますか?
ブライアン:はい、開催を予定しているのでたのしみにしていてください。
――暗号解読系のイベントもぜひお願いします。
ブライアン:がんばるよ!
――現地参加のアノマリーとリモートで獲得できるメダルの棲み分けはできませんか?
ブライアン:次回すぐというわけにはいきませんが調整を検討しています。
――実際アノマリーに参加すると戦いとは別にメダルを獲得するためのポイント稼ぎを意識してしまうことがある。そうではなく、アノマリーだからこその体験を通じて獲得できる仕掛けを考えてはいないのでしょうか?
ブライアン:Niantic Spatialに体制はかわったことで現在アノマリーの仕組みを見直してるところです。さきほどのメダル同様にすぐというわけにはいきませんが、できるだけ近い将来のアノマリーで実現できるよう検討を重ねているところです。また、我々『Ingress』開発チームとしてルールが毎回ころころとかわってしまうことのない環境を意識しています。
――エージェント・オリンピアード(過去に富士急ハイランドを貸し切って開催したイベント)のような企画を予定していますか?
ブライアン:いまのところ予定はありませんが、現在行われている“Ingress Worldwide stats competition”のようなコミュニティ主導の活動と協力していきたいと考えています。もちろんチームのみんなとは今後もクールなイベントを検討していきます。
【Ingress Worldwide stats competition】

【要望・その他】
――現地参加のアノマリーとリモートで獲得できるメダルは分けることはできませんか?
ブライアン:次回のシリーズでは検討をしています。
――メダルを並べ替えたり整理したのですが?
ブライアン:メダルを種類別に分類するなど改善を検討しています。もしいい案があったらぜひ教えて下さい。
――誤ってプレイしたミッションメダルを消せるようにはなりませんか?
ブライアン:そういった声があることは把握していますが現状はまだ検討していません。
――アプリ内課金以外でエージェントが貢献する方法はありますか?
ブライアン:すでに多くのかたが身近な友だちや家族を招待してくれていると思います。そこで『Ingress』の何がたのしくて続けているのかを周囲のかたに伝えていただくことが興味を引く重要なポイントだと考えています。そこからコミュニティを広げ導いてほしい。それが例えばこのミートアップや来年のアノマリーだったりね。私はみなさんのXアカウントをフォローしていてたくさんのコメントを励みに開発を続けています。そうしたSNSでの投稿もコミュニティの拡大に大きな効果があるので今後もぜひよろしくお願いします。
――ピンバッジなどアノマリーでの公式グッズを復活してほしい
ブライアン:検討をしているところなんですが……頒布会に行くと私たちが作るものより優れたものがあるのでどうしようかなと悩んでいます(一同笑
――情報を発信するプラットフォームがX(旧Twitter)になっているが、何か新しい方法を考えているのでしょうか?
ブライアン:アプリ内のコミュニティボタンから現在“Bluesky”にアクセスきます。これは、将来的には“Bluesky”を新しいコミュニティの拠点にできないかという前提のもとに作られています。それでも現在Xでも情報発信をしているのはエージェントのみなさんが利用しているからなんです。そんなわけでぜひ、“Bluesky”も活用してもらえるとうれしいです。

▲コジマプロダクションとのパートナーシップはゲーム開発に関するものかという質問に、技術的なパートナーシップでありゲーム開発に関わるものではないという回答。そういった締結なのかは別途下記の記事を確認してもらいたい。
【コジプロ10周年記念イベント:Beyond The Strandレポート】

今回のミートアップはコジプロとNiantic Spatialがパートナーシップを締結するという驚きのニュースがあった当日のことで、多くのエージェントがどんな内容なのかと興味津々。
現段階で言えるのは上記にまとめたものくらいだが、あくまでも技術提供とサポートといったことなのだろう。
ちなみに筆者はコジプロ10周年イベントに招待された理由がこのパートナーシップであったことをつゆ知らず。
※詳細はぜひ上記のレポートで※
開演前、筆者を見つけたブライアンたちは、いま声をかけたらネタバレになってしまうと舞台裏からこっそり見ていたとあとから聞かされた。

▲コジプロのチームがこっそりアノマリーに来ていて、そのなかでもGORUCKに興味を持ったという裏話が個人的なハイライト。
そんなわけでブライアンの怪文書から始まったミートアップは、ジョンまで駆けつけてくれるサプライズもあって大盛りあがり。
質疑応答中はエージェントに混じって地べたに座りその様子を伺っているジョンがとても印象的だった。

▲前にでなよとエージェントたちに促されるも「ここでいいよ」と照れくさそうに笑うジョン。その眼の前に座って質疑応答を撮影することになって何だか不思議な気分だった。
それではみなさんまた次の現場で!!


P.N.深津庵
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