モビリティ革命到来、バッテリー交換式小型EVバイクの充電ステーション「Swap」がインドネシアで拡大中

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EVについては賛否両論あるが、少なくとも小型二輪までの大きさならEVは非常に便利だ。現代のモーターとバッテリーは、自宅から半径十数km範囲を移動する程度であれば十分過ぎるパフォーマンスを発揮してくれる。自転車ではやや遠いが、だからといってアイドリングを必要とするガソリンエンジンのバイクを出すのは少し大げさ過ぎる……という距離を得意とするのがEVバイクだ。

小型バイクが生活必需品となっている東南アジアでも、日を追うごとにEVバイクが増えている。この記事ではEVバイクとそのバッテリーを取り扱うスタートアップのSwap Energyについて解説していきたい。

充電ステーションで手軽にバッテリー交換

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インドネシアのバイクブランドであるSmootは、バッテリー交換式のEVバイクを開発・販売している。

EVの欠点は、ガソリンの給油よりバッテリー充電のほうが時間がかかるという点である。しかし、このバッテリーを手軽に取り外せる設計にし、なおかつそれを交換できる場所があればどうだろうか。このようなことは四輪EVではなかなかできないが、小型のバッテリーで動くEVバイクなら可能だ。

あらかじめ充電を済ませてあるバッテリーを用意すれば、それが続く限りはEVバイクの走行距離は無尽蔵に近い。

ただし、スペアのバッテリーをライダーが背負って持ち運ぶわけには当然いかない。ならば、街中に充電ステーションを設置すればいい。スマホを充電するモバイルバッテリーの貸し出しサービスの要領でやれば、ライダーとしてもバッテリー容量に困ることはないはずだ。

Smootのバイクは、バッテリーシェアサービス「Swap」の用意するステーションで即座にバッテリーを交換できる仕組みなのである。

バイクは生活に必要不可欠

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Swapのバッテリーステーションの利用は、スマホ用モバイルバッテリーのシェアサービスのそれと仕組みはほぼ同様である。

スマホアプリでステーションの位置を確認し、予約・貸し出し手続きや利用料決済もこのプラットフォームで行う。今やインドネシア全国に1,500カ所設けられているステーションで、速やかなバッテリー交換を実施できるのだ。

インドネシア人にとって、バイクは“絶対になくてはならないもの”といってもよいだろう。

現地の高校生のバイク通学も、決して珍しい光景ではない。日本ではいまだに「バイクに乗っている高校生は不良」という烙印を押されてしまうかもしれないが、首都ジャカルタですら公共交通機関が貧弱なインドネシアでは人生のかなり早い段階でバイクに跨るようになる。高校の駐輪場を見れば、自転車よりもバイクのほうが圧倒的に多いことが確認できる。

そんなインドネシアの市街地を行く小型バイクは、最近まではほとんど日系メーカーの製品だった。ジャワ中部の都市では時折ベスパを見かける程度で、車道を埋め尽くすのはホンダとスズキとヤマハである。

しかし、そこへSmootのEVバイクという新星が登場した。

コンビニエンスストアのロゴが公式サイトに掲載

Swapを展開するSwap Energyは、2024年1月にシリーズA投資ラウンド2,200万ドルの資金を確保することに成功した。

それまでインドネシアの小型バイク市場の王座に君臨していた日系メーカーにとって、Swap Energyのこの動きは大きな脅威になり得るだろう。それは新たな競争を発生させ、より魅力的な製品やサービスの誕生につながる。その光景は、かつての日本にあったシャープとカシオの「電卓戦争」に似ている。

また、Swapの公式サイトをのぞいてみるとなぜかコンビニエンスストアや飲食チェーン店のロゴが掲載されていることに気付くだろう。日系コンビニのファミリーマートもその中に名を連ねている。これはSwapのステーションの設置に協力している事業者の一覧。Swapの影響力は、今や他業種にも及んでいるということだ。

インドネシアに「モビリティ革命」が訪れようとしている。

参考・引用元:
Swap
Smoot

(文・澤田 真一)

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