通勤時のストレスから誕生?電動ファットバイク「HERO」、街乗りやアウトドア需要に

運動になるうえ環境にも優しいことから人気のe-bike。まずヨーロッパで普及が進み、車社会のアメリカでも注目を集めている。先日も米スタートアップが手がけた「Mihogo One」を紹介したばかりだ。

今回紹介するHeybike社の「HERO」は、街乗りはもちろん険しい道のりで能力を発揮する電動ファットバイク。アウトドアでの冒険を愛する人のため全地形に対応したHEROは、大自然を満喫するうえで頼れる相棒になるだろう。

Image Credits:Indiegogo

クラウドファンディングサイトIndiegogoにて実施中のプロジェクトは、残り10日あまりの時点で33万ドル(約5000万円)を超える支援獲得と目標達成率3300%超という成功を収めている。選べるリターンは「Hero 750W Mid-Drive Ebike」および「Hero 1000W Rear Hub Ebike」の2モデルで、それぞれ2699ドル(約41万円)と2399ドル(約36万円)。

あらゆる地形で爽快な冒険を楽しめる

Hero 750W Mid-Drive Ebikeには、アメリカの一般的な出力規制上限750W※1を誇る強力なミッドドライブモーターを搭載。最大160Nmのトルクによって高い安定性とパワー供給を実現している。一方、Hero 1000W Rear Hub Ebikeのリアハブモーターは1000W・最大100Nmトルクで、最大出力1000Wが許可されている6州と出力制限のない2州で走行可能だ。

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乗る人のペダリングスタイルに適応するインテリジェントなトルクセンサーによって、急勾配の坂道や険しいトレイルなどあらゆる地形で冒険を楽しめる。

カーボンファイバーフレームで強度と軽量を両立

T800カーボンファイバー製のメインフレームはわずか2.8kg。カーボンファイバーの利点を生かし、重量を減らしつつ抜群の耐久性が実現した。アルミニウムと比較して36%も軽いため、マシンの総重量は2モデルとも75ポンド(34キログラム)。階段や段差があっても人によっては持ち運びできる。

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風の抵抗と振動を軽減するよう設計されたフレームは、スムーズで快適な走りを約束するだけでなく、正確なコントロールとペダリングも容易にするという。

トラクションを強化する幅約10センチのファットタイヤ

HEROが履くのは26インチ×4インチのファットタイヤ。近年日本の街中でも見かけることが増えたファットタイヤは、幅の広さによる高い安定性が魅力だ。街乗りはもちろん、雪原や砂地などさまざまな地表で優れたトラクション、優れた衝撃吸収性が特徴である。

1回の充電で最長97キロの航続距離を実現

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パワーと軽さを両立させたHEROは、1回の充電で最長60マイル(約97キロ)という航続距離を実現。UL 2849規格※2の認証を受けた864Whバッテリーは48V/4Aの充電器で充電可能、4時間でフル充電が完了する。これからは充電を気にせず旅にこぎ出せるだろう。

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専用のHeybikeアプリによって速度や走行距離、バッテリー残量などの走行情報をリアルタイムで把握できる。渋滞や不慣れなルートを避けるためのナビゲーションアシスタント機能もうれしい。

通勤が大きなストレスに…Heybike起業背景

HEROを開発したのは米サンフランシスコを拠点とするHeybike社だ。スマートで高品質なe-bikeを専門に製造する同社は、すべての人に最高のライディング体験を提供しつつ、地球環境に貢献することを使命として誕生した。


設立者の1人であるジェイソンさんが、高層オフィスビルで勤務していた2015年のこと。交通渋滞や公共交通機関のトラブルから何度も遅刻してしまい、通勤が大きなストレスになっていた。

翌2016年、アウトドアサイクリング業界の経験が長いウィリアムさんとジェイソンさんが出会い、「通勤をもっと快適で便利なものに」いうビジョンを共有。Heybike社が立ち上げられ、第一号となるe-bike「Cityscape Electric Cruiser Bike」が誕生した。

脱炭素社会への移行が進む近年、e-bikeはEVより金額が低くアクセスしやすい移動手段として注目を集めている。アメリカでのパイオニアの1社として市場にイノベーションをもたらすHeybike社は、ユーザーのニーズに応えて製品ラインを拡大。現在では40モデル以上の幅広い選択肢を提供している。

引用元:
Heybike
Indiegogo

※1:米国の一般的な出力上限は750Wだが、以下の6州では最大出力1000Wが許可されている(ジョージア、カンザス、ミネソタ、オクラホマ、オレゴン、バージニア)。また、ミシシッピ州フロリダ州は電動自転車の最大出力制限を設けていない。

※2:米国最大規模の第三者安全科学機関UL Solutions社が作成した認証制度

(文・根岸志乃)

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