人気漫画家が亡くなった先生と漫画業界のために小学館へのmetoo告白 / セクシー田中さん作者が他界で
小学館で人気漫画雑誌・ビッグコミックスペリオールで『フットボールネーション』を連載している大武ユキ先生。従来のサッカー漫画とは大きく違う視点から描いたサッカー漫画として高く評価されており、漫画ファンだけでなく、スポーツ業界にも数多くの愛読者がいる。
芦原妃名子先生が亡くなったことに関して言及
『フットボールネーション』で人気を博しいる漫画家の大武ユキ先生が、漫画『セクシー田中さん』作者・芦原妃名子先生が亡くなったことに関して言及。今後、どうしていくべきなのか、漸進的な意見を述べるとともに、過去にあった自身の「metoo体験」を告白。それと同時に、他の漫画家たちに強く気持ちを伝えている。
<大武ユキ先生のXツイート>
「今現在、小学館で連載をしている身としては、例の件で小学館の対応がおかしいとRPしたり発言するのはリスキーなのは十分分かってるけど、この機会に社内構造や体質を改めてくれないと、この先、安心して描けないと言う事は担当さんを通じて伝えてある」
「自死するとして、死に方は色々あるじゃないですか。そんな中、この季節にわざわざ栃木まで行ってダムで亡くなったって事実は、もっと重く受け止められて良いのでは? と。どれだけ「訴えたい事があったのか」と想像してしまうのは漫画家と言う職業柄かも知れませんが」
「先生の遺言的な、亡くなり方、現在あそこで連載してる我々が、metoo 的に汲んで発言しないと、先生が報われない気がしてます。metooで言うと1997年にスピリッツで読切を掲載してもらった事がありましてな。ただ、その読切を載せるに「新人の連載コンペ」と言う形を取らないとダメだったと。その時、自分、既にアフタで我らの流儀を描き終わってたので「新人」扱いは講談社にも失礼じゃね?と思いつつ、どうにも出来なかったす。誌面に載せてもらえるって状況で、え、でも自分、新人じゃないし、それおかしくないですか? とは、当時は言えなかった。その手の、なんかおかしくね?的な事が常態化してる気がしてます」
「あと、自分の仕事が無い時期に、小学館の少女漫画のアシとして数年、糊口を凌いでた経験がありましてな。これはかなり稀有な経験だと思ってる。その時に「原稿が遅いお前が悪い」的な罰則として、バイク便が自腹なのを見て、いやいやいや、となったのだけど、他の出版社で、そんな事あります??」
今現在、小学館で連載をしている身としては、例の件で小学館の対応がおかしいとRPしたり発言するのはリスキーなのは十分分かってるけど、この機会に社内構造や体質を改めてくれないと、この先、安心して描けないと言う事は担当さんを通じて伝えてある。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
自死するとして、死に方は色々あるじゃないですか。そんな中、この季節にわざわざ栃木まで行ってダムで亡くなったって事実は、もっと重く受け止められて良いのでは?と。どれだけ「訴えたい事があったのか」と想像してしまうのは漫画家と言う職業柄かも知れませんが。 https://t.co/QgUBxSsGqu— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
先生の遺言的な、亡くなり方、現在あそこで連載してる我々が、metoo 的に汲んで発言しないと、先生が報われない気がしてます。 https://t.co/i1BD9EVyDT— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
metooで言うと1997年にスピリッツで読切を掲載してもらった事がありましてな。ただ、その読切を載せるに「新人の連載コンペ」と言う形を取らないとダメだったと。その時、自分、既にアフタで我らの流儀を描き終わってたので「新人」扱いは講談社にも失礼じゃね?と思いつつ、どうにも出来なかったす。 https://t.co/0KcseU2XiA— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
誌面に載せてもらえるって状況で、え、でも自分、新人じゃないし、それおかしくないですか?とは、当時は言えなかった。その手の、なんかおかしくね?的な事が常態化してる気がしてます。 https://t.co/qyDHbTo81G— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
完全に同意です、自分もあそこで描いてると誇りたいです。そして個々の編集さんは基本的ちゃんとしてます、と。 https://t.co/0oYX36AjV3— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
あと、自分の仕事が無い時期に、小学館の少女漫画のアシとして数年、糊口を凌いでた経験がありましてな。これはかなり稀有な経験だと思ってる。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
その時に「原稿が遅いお前が悪い」的な罰則として、バイク便が自腹なのを見て、いやいやいや、となったのだけど、他の出版社で、そんな事あります?? https://t.co/d4ct6hrfnD— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
バイク便が自腹だった話は、同じ小学館の青年誌部門の編集さんに話すと、皆、ええ、有り得なくね?と言う反応で。あの会社では、少女漫画部門の地位の低さが顕著である証と共に、他の部門では認識すらされてないのが、ヤバいと思ってます。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
少女漫画部門の原稿料が、青年誌少年誌と比べて低いと言う話をすると、売上が低いから的なリプが付くのだけど、めっちゃ売れてる少女漫画はたくさんあって。お嫁に行くまでの腰掛けor旦那に養ってもらえるだろうから原稿料低くても良いよね?って感じの原稿料の低さと言うのは認知されて欲しい。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
これに関しては、小学館だけの事情では無いと思う。 https://t.co/hqAinTa3qN— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
ただ、この時の担当編集さん、いいひと。や、おたんこナース、伊藤潤二先生のあれこれを担当してて、ある意味マジ優秀で、自分のフットボールネーションの原形のネームを小学館の他の編集に繋いでくれたので感謝しかなかったりする。 https://t.co/qyDHbTo81G— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
少女漫画部門の原稿料が、青年誌少年誌と比べて低いと言う話をすると、売上が低いから的なリプが付くのだけど、めっちゃ売れてる少女漫画はたくさんあって。お嫁に行くまでの腰掛けor旦那に養ってもらえるだろうから原稿料低くても良いよね?って感じの原稿料の低さと言うのは認知されて欲しい。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
今もそうかは知らないけど、連載してる売れっ子作家さんが、原稿をわざわざ自分で編集部に持って行ってるのを知って、あそこの少女漫画部門の異常さを知った。お洒落して手土産を持って編集部に原稿を持って行くってどう考えてもおかしい。売れっ子がそうだとすると新人さんにもプレッシャーが掛かる。 https://t.co/hqAinTa3qN— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
この先、オレのあの会社内での立場が危うくなるとしたら、そーゆー事って証拠を遺しておきますね https://t.co/QgUBxSsGqu— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
すごくざっくりした感慨だけど、今回のこと、講談社や集英社で連載してたら?それこそ小学館でも、ビッグ系の青年誌だったら、先生はまだ生きていた、と感じている。「構造的」な逃げ道の無さが先生を追い詰めたと個人的には思っている。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
頼むよ、君達は、何ら不具合を感じてなくて、それがメディア化されててどこに対しても問題無かったとして、他のも全部、そうなのかは、個人の感覚だから。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
これに関しては、小学館ならではの、原稿料の低さは構造的な話って、多分に広まった筈で。「少額」館って、ネットミームは、描いてる当事者からすると、うん、ほかと比べて安いよねって、リアルにしかならない, https://t.co/hqAinTa3qN— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
皆んなで渡れば怖くないので、小学館で描いてる作家さん達のmetooが続くことを願ってます。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 4, 2024
頼むよ、君達は、何ら不具合を感じてなくて、それがメディア化されててどこに対しても問題無かったとして、他のも全部、そうなのかは、個人の感覚だから。— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) February 5, 2024
「それが出版業界だから」と一蹴出来ない問題
「本音を言いにくい」「意見が言えない」「従うしかない」など、編集者・出版社と作家の関係性が不健全であれば、それは作家の大きな負担となる。なにより、それが当たり前の業界であることが問題と言える。よって「だって今までそうだったから」「それが出版業界だから」「受け入れてもらうしかない」と一蹴出来ない問題である。
大武ユキ先生が語った言葉
大武ユキ先生が語った「自死するとして、死に方は色々あるじゃないですか。そんな中、この季節にわざわざ栃木まで行ってダムで亡くなったって事実は、もっと重く受け止められて良いのでは」との言葉、イメージするだけで心が締め付けられる人は多いはず。
さらに「頼むよ、君達は、何ら不具合を感じてなくて、それがメディア化されててどこに対しても問題無かったとして、他のも全部、そうなのかは、個人の感覚だから」という大武ユキ先生の気持ち、出版関係者でなくとも、人間社会に生きている以上、重く受け止めるべき部分なのではないだろうか。
『フットボールネーション』18巻、2023年11月30日に出ました!次巻までまたお待たせしてしまう予定ですが、よろしくお願いいたします! pic.twitter.com/D7wdhw6HEQ— 大武ユキ@フットボールネーション18巻 (@YUKI_OTAKE) December 1, 2023
※冒頭イメージ画像はフリー素材サイト『写真AC』より
(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)
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