Dan Isomura × Sareena Sattapon
など、音楽とアートが交差する企画展「RE:FACTORY_2」


 
1月12日(金)より、音楽とアートが交差する企画展「RE:FACTORY_2」が開催中。アートと音楽はたえず隣接し、お互い影響を与え続け、多くの文化的な現象を起こしてきた。活動のルーツや作品の制作過程において音楽から強い影響を受けている作家も非常に多い。今回は“音楽とアート”をテーマに、過去に森山未來がMCを務めるYouTube番組「MEET YOUR ART」に出演し、注目を集める気鋭のアーティスト総勢23名の作品をそれぞれの作家の音楽にまつわるテキストともに展示・販売する。
 
会期中はイベントを開催予定。イベント情報はWALL_alternative公式Instagramにて告知予定。
 
出展アーティスト(五十音順、敬称略):Dan Isomura × Sareena Sattapon
、大久保紗也
、大野修、
岡田佑里奈、
加賀美健、
金氏徹平、
川人綾
、後藤夢乃
、GORILLA PARK
、高山夏希
、東城信之介、
那須佐和子
、長谷川彰宏
、藤倉麻子、
布施琳太郎
、松岡柚歩
、丸山太郎
、南谷理加、
谷敷謙
、やましたあつこ、
山田康平
、山田美優、
油野愛子
 
【一部出展作品と作家による音楽にまつわるテキストのご紹介】
 
大久保沙也「Primeval」2024年
 

 
制作において音楽は、作品のムードを左右する重要なものです。制作の際に聴く音楽は、制作段階が完成に向かっていくに従って無音に近づいていきます。キャンバス張りや画面を研磨するような作業では、人の声の入ったもの。マスキングでラインを引く作業では、主にジャズやクラシック。そして油絵の具を扱う際は、色彩の選びや構図など細かい決断の連続となるため、思考の妨げにならないよう静かなアトリエで制作を行います。静かなアトリエで絵と向かい合っている時にも、音やリズムを感じているように思います。
 
高山夏希「1_24」2024年
 

 
私の初めてのライブ体験は小学生の時、浜崎あゆみさんのコンサートだった。今も変わらず、あゆを聴き続けている。制作や展覧会をつくることに向き合う日々で、もちろん聞くものは多様になったけれど、それでも自分を一番奮い立たせてくれる曲は、自分の変化する趣味嗜好とはまた別次元にある。それが私にとって、浜崎あゆみさんの音楽だ。自分の眼や手を動かしながら、耳から曲を聴くことで、あゆに憧れた原点の自分を何度でも再生し、生きる力をみなぎらせることができる。
今回出展する作品は、浜崎あゆみさんの「Heartplace」の曲をイメージして制作しました。VHSで何度も何度も見て聴いた大好きな曲です。
 
山田康平「Landscape」2023年
 

 
私は制作をしている時、何かしらの音を常に取り込んでいます。 それらは音楽の時もあれば、アーティストのインタビューだったり様々です。その中でも一般 的な音楽は、日常生活の中で失われた消失を思い出させてくれたり、また、それを修復した り、何か手に届きもしないような現実に対しては挑戦するような気持ちにさせてくれます。 人が人のために作る音楽が好きです。世界や社会のために作る音楽もあると思いますが、今 の私は嘘臭く感じてしまいます。人は自然かもしれないが、人は人であることの罪悪感のようなものを常に持ち続けています。
 
山田美優「Let Go(hommage)」2023年
 

 
初めてライブに行ったのは、中学生の頃で、Avril LavigneのThe Best Damnツアーだった。響く生の音、会場のエネルギー、今でも鮮明に覚えている忘れられない記憶だ。 音楽は音の組み合わせや連なりがメロディーとなり、その時間を共有することで鑑賞することができる。ライブはその空間、瞬間を共有することで感動が生まれる。一方で、絵画は静止しているためにそれぞれの時間軸で鑑賞するが、一目見た瞬間に強烈な印象を残す力、「瞬間最大風速」というものがあると思う。それぞれ異なる時間や次元の捉え方を感じながら、楽しんでほしいと思う。今回の作品は、Avril Lavigneのデビューアルバム「Let Go」のジャケットをオマージュした。
 
【一部出展作品と作家による音楽にまつわるテキストのご紹介】
 
GORILLA PARK
普段、音楽を流しながら制作を行っています。 私の制作過程において動きのリズムは重要です。 物質に対して力を加え、視覚的な要素や、モノの変容、手の動き、 道具の使い方などが組み合わさって、独自のリズムパターンがあるような 気がします。 私が物質を取り去り、形を生み出す一連の動作は、人の手によって 作り出された痕跡の共有物です。揺れ動く音を形に溶け込ませながら。
 
南谷理加
今回はスピッツの「ウサギのバイク」という曲を聞いて思いついたイメージをもとに制作 しました。この曲は半分くらいがスキャットだったり、歌詞が不思議な感じがして面白くて好きです。この曲から森のような場所やものが散らかった様子のイメージを得て、ちょうど自分のアトリエも画材や工具など制作道具で散らかっていたので、それらを組み合わせて描きました。
 
布施琳太郎
二人であることについて考えています。みんなでいること、ひとりでいること。社会と自分。そうした分裂のなかで迷子にならないために、絵を描いています。そのあいだにあるものについての絵を……。
ここに描かれた「二人」は思い出ではありません。そうではなく、ひとつのSF小説のように、あり得たかもしれない二人のありかを求めて絵を描いています。やくしまるえつこさんが羽田空港の国際線到着エリアのために作曲したサウンドを聴きながら描きました。
 
「RE:FACTORY_2」
会期:2024年1月12日(金)-2月3日(土)※日曜定休
時間:18:00-24:00
入場:無料・予約不要
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
https://avex.jp/wall/exhibition/57/

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