「男性なのに育休を取るのか」「風邪を引いても根性で治るから」 男性の54.6%が職場で男性特有の困難を経験

職場のジェンダーギャップ改善に社会的関心が高まる昨今。働き方においては、女性の不平等の解消が必要なのはもちろん、男性もまた無意識の偏見などによる“男性特有の困難”に直面していると考えられています。

11月19日の「国際男性デー」を前に、求人検索エンジンのIndeed Japanが「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」を実施。実際どのような困難や障壁があるのか、その実態を明らかにしています。

半数以上が男性特有の困難を経験

全国の20歳~59歳の男性の正規雇用者2500人を対象に実施した同調査では、直近3年間で働いた全ての職場において、職場における男性特有の困難を経験したかどうかを質問。すると、全体の54.6%が「経験したことがある」と回答しています。

加えて、全体の39.7%(経験者の72.7%)が、自身が経験した困難について「悩んでいる」ことが分かりました。

経験した困難を項目別に見ると、1位「肉体的にハードな仕事をさせられやすい」(40.9%)、2位「残業など長時間労働をさせられやすい/断りづらい」(39.7%)、3位「家庭より、仕事を優先すべきだという空気感を感じる」(37.1%)と並び、仕事上の役割やワークライフバランスの面で男性特有の困難が存在していると見受けられます。

仕事やキャリア、働き方に影響も

困難を経験したことがあると答えた人に、経験した困難によって自身の仕事やキャリア、働き方に影響を受けたかを聞くと、79.7%が何らかの「影響を受けたことがある」と回答。

具体例として「プライベート(家庭・家族は含まず)を犠牲にしている/したことがある」(47.1%)が最も多く、「体もしくは心の調子を崩している/崩したことがある」(39.0%)、「家庭参加(家事、育児、介護など)を犠牲にしている/したことがある」(34.7%)といった影響も上位に挙がっています。

「男なら」「男性なのに」「男性だから」と言われた人も

また、男性であるがゆえの困難や差別、障壁を感じた言葉や発言について自由記述形式で尋ねたところ、「男なら細かいことは気にするな(46歳)」「男性なのに育休を取るのか(36歳)」「男性だから転勤は可能だろう(25歳)」「男は風邪を引いても根性で治るから(38歳)」といった様々な体験談が集まっています。

こうした実態を受けて、企業が長時間労働の見直しや柔軟な働き方を取り入れること、また性別による決めつけや役割分担をなくし、男女ともに公平に活躍できる職場づくりに取り組むことが求められていると言えそうです。

調査概要

・調査内容:国際男性デー「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国の20歳~59歳の男性正規雇用者(現在就業中の正社員、会社経営者、公務員、団体職員を含む)2500人(総務省の労働力調査結果における「正規の職員・従業員」の年代別の人口構成比に合わせて割り付け)
・調査期間:2023年10月20日(金)~10月23日(月)

Photo by Hunters Race on Unsplash

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