旧統一教会で思い出される オウム真理教を当時のメディアはどう報じたのか


テロまで企てたオウム真理教は連日テレビで放送された。
3月20日は、地下鉄サリン事件発生から28年となる。1995年(平成7年)、は年明けすぐの17日に阪神淡路大震災が発生し、そこから2ヶ月後に世界を震撼させる大規模テロが発生したのだ。あの時の過熱報道から生まれたキーワードの数々を覚えている中高年も多いことだろう。頭の中で思いつくキーワードを並べていくが、これらは恐らく現在の47歳以上の人にとっては記憶に残っているのでは。
・オウムシスターズ
・ホーリーネーム
・水中クンバカ
・ヴァジラヤーナ・サッチャ(オウムの会報誌)
・マハーポーシャ(PC販売店)
・尊師/正大使/正悟師
・わーたーしーはーやってない、けー-っぱくだ
・ショーコーショーコーショコショコショーコー
・修行するぞ修行するぞ徹底的に修行するぞ
・真理党(1990年の衆院選に信徒25名を送り込んだ政党)
・オウム神仙の会
・走る爆弾娘(菊地直子のこと。陸上選手だった)
・松本サリン事件
・河野義行さん(松本サリン事件の冤罪被害者)
・坂本弁護士
・空中浮遊
・國松孝次警察庁長官狙撃事件(オウムとの関連は不明だが、当時は疑われた)
・村井秀夫幹部刺殺事件
・南青山総本部
・ああ言えば上祐
・青山弁護士
・ロシアとの関係
・サティアン
・クシティガルバ棟
・横山弁護士
・VXガス
・小林よしのり氏暗殺計画
……とキリがないのだが、ワイドショーが面白がって伝えた面もあり、大学生だった私の同級生らもオウムをエンタメとして消費している面があった。飲み会の席では覚えているホーリーネームを山手線ゲーム風に言ったりもしていた。
今ほどコンプライアンスが重視されていないテレビ番組でもオウムネタは登場した。江頭2:50は、座禅をする麻原彰晃が空中に浮く「空中浮遊」を披露。人気バラエティー番組『浅草橋ヤング洋品店』(テレビ東京)では「江頭グランブルー」という、水中で何分間耐えられるかを競う人気企画があった。「グランブルー」と言っているだけに、佐賀県唐津市の海を愛したジャック・マイヨールが制作に携わった映画『グラン・ブルー』をモチーフとしている風ではあるが、恐らく元ネタは「水中クンバカ」だろう。
あとは、突然麻原の弁護人を買って出た「ヨコベン」こと横山昭二弁護士が唯一無二の個性派キャラだったことから、岡村隆史が散々マネをした。横山氏は押し寄せるマスコミに対し「バカモノが!」「自動車に乗れんじゃないか!」「もう、や~め~て~」などと激高するシーンが多かった。これを岡村がマネし、人気キャラになった。
余波は留まらず、「霞ヶ関」というネットゲームが登場。日比谷線、千代田線、丸ノ内線の5駅(霞ヶ関駅は除く)に手持ちのサリン5袋を撒き、より多くの被害を出す、というゲームである。「不謹慎ゲーム」の代表格とされる。
未だにオウム関連用語は使われ続ける。胡散臭いカリスマ扱いされる人間のことは「尊師」と呼ばれることもある。しかし、こうした言葉をネットで見た若者は一体何が何やら分からないことだろう。しかし、我々世代(私は49歳)は、毎日大量の報道という名のイニシエーションを浴び、すっかりオウム関連用語が日常語として定着してしまい、マインドコントロールされてしまったのである。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)
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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。
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