リトアニアがウクライナへ無人機バイラクタルTB2を贈るクラウドファンディング→トルコ・バイカル社受け取り辞退&無償提供を発表

トルコ・バイカル社の無人戦闘航空機(UCAV)『バイラクタルTB2』。地上管制ステーションからの遠隔操作や自立飛行が可能で、主翼下にある4つのハードポイントに対戦車ミサイルや誘導弾、レーザーロケットを搭載でき、27時間航続できるとされています。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャンが使用して大きな戦果を上げたことで注目度が一気に高まりました。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻でも、ウクライナ軍がTB2を投入し、装甲車両や哨戒艇などの撃破が発表されている中、リトアニアのジャーナリスト・テレビ司会者のアンドリウス・タピナス氏が、ウクライナにTB2を1機寄贈するクラウドファンディングを実施。目標額を500ユーロ(約7億円)に設定していました。

3日間で最終的に591万5207ユーロ(約8億3000万円)を集めたこのクラウドファンデイングですが、交渉に向かったリトアニアの国防関係者に対して、バイカル社は寄付金の受け取りを辞退。同社はTB2をウクライナに無償提供し、「集めた金額をウクライナの人道支援に使って欲しい」と発表しました。

これにはリトアニアのアルヴィーダス・アヌシャウスカス国防大臣が、Twitterで「信じられないことだが、トルコはバイラクタルを無償で!提供することに同意してくれた。アメージングだ!」と興奮気味にツイート。

タピナス氏によると集めた資金のうち150万ユーロをTB2用の武器に使用し、残りの440万ユーロはウクライナの人道・防衛・再建プロジェクトに使われるといいます。

日本人からの寄付もあったというこのクラウドファンディングをきっかけに増強されることになったTB2。ウクライナでは、このトルコ製UCAVが抵抗のシンボルとして歌になるほど。バイラル社によれば、少なくとも36機がウクライナに納入されているとしていますが、今後も偵察や攻撃で威力を発揮することになりそうです。

参考:BAYKAR Teknoloji Türk SİHA’ları CNN International’da! Selçuk Bayraktar Direnişin sembolü oldu
https://baykartech.com/tr/haberler/turk-sihalar-cnn-internationalda-selcuk-bayraktar-direnisin-sembolu-oldu/ [リンク]

参考:Turkey has decided to donate a Bayraktar TB2 unmanned aerial vehicle to Ukraine for free(The New Voice of Ukraine)
https://english.nv.ua/nation/turkey-has-decided-to-donate-a-bayraktar-tb2-unmanned-aerial-vehicle-to-ukraine-for-free-50247203.html [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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