【関東ローカル線】秘境駅に鐵道神社・ひたちなか海浜鉄道の旅

【関東ローカル線】秘境駅に鐵道神社・ひたちなか海浜鉄道の旅

お元気ですか? 鉄道大好き芸人ダーリンハニー吉川正洋です。今回は茨城県を走るローカル線、ひたちなか海浜鉄道に乗ってきました。落ち着く車窓やささやかな秘境駅を味わい、鉄分が高い神社でお参りし、美味しい旬のものまでいただけちゃう贅沢な旅です。それではご一緒に! 「出発進行!!」

東京駅

ひたちとサフィール踊り子の共演

JR東京駅から特急「ひたち」号に乗って、JR勝田駅を目指します。ホームに向かうと……反対ホームに特急「サフィール踊り子」号の姿が! しばらくするとJR品川駅からやってきた特急ひたち号が入線! なんというサプライズ!

……ではなくこれは日常的な風景で、ひたち9号は10時53分発でサフィール踊り子1号は11時発(2022年1月取材時)。一瞬だけスター特急が並ぶタイミングだったんです。とにかくテンション上がりまくりの旅立ちとなりました。

左がサフィール踊り子 右がひたち

左がサフィール踊り子、右がひたち

常磐線をひたすら北上し、約1時間20分で勝田駅に到着。東京からお気軽に行けるところも魅力です。

ひたちなか海浜鉄道は勝田駅から終点の阿字ヶ浦駅まで駅数は計11駅。路線の距離は14.3kmとコンパクトな路線なのですが、ローカル線の風情は存分に楽しめます。

10両編成の特急列車から1両の気動車に乗り換えるギャップがたまりません。

筆者

1両の気動車

車両はキハ11-5がやってきました。元々はJR東海で活躍していた車両ですが、ここ茨城県で第2の人生を過ごしています。ひたちなか海浜鉄道では他にも全国から来た車両たちに出会うことができて嬉しいです。

さぁ走り出しました。

おぉ音も匂いも揺れも特急とは全然違う。トーンが一気に変化し、「旅度」の目盛りがグッと上がったような気がしました。

ひたちなか海浜鉄道 車窓

景色が一気に開けます

3駅目の金上(かねあげ)駅を出ると家も少なくなり、しばらくすると全面に農地が広がります。思わず「抜けたー!」と叫びたくなるような気持ちよさ。

金上駅から中根駅は大好きな区間なので、また明日ゆっくり訪れることにしましょう。

筆者

まずは終点まで乗り通そう

約30分の乗車で阿字ヶ浦駅に到着です。

阿字ヶ浦駅

阿字ヶ浦駅

終点としての阿字ヶ浦駅は貴重?

阿字ヶ浦駅のホーム

阿字ヶ浦駅のホーム

阿字ヶ浦駅のホームはかなり長いです。これは昔、上野駅から臨時急行「あじがうら号」が運行されていた名残りで、7両分止まれる長さがあります。長い編成に海水浴に行くお客さんをたくさん乗せた「あじがうら号」、乗ってみたかったなぁ。

そしてホームの隣には鉄分補給がたっぷりできる神社があります。

その名も「ひたちなか開運鐵道神社」!

ひたちなか開運鐵道神社

ご神体は車両! 鳥居は1925年製のレール!

ご神体はキハ222という車両で、1962年に製造され北海道の羽幌炭礦鉄道で活躍した後に、1971年から2015年までひたちなか海浜鉄道で走り続けた名車。私も現役の時に乗りましたが、印象は「ザ・古き良き昭和の車両」。運転席に雪を振り飛ばせる旋回窓がついていて、雪国から来たことが一目でわかりました。

長い間活躍し車両も無事故だったことから、交通安全や長寿のご利益があるかも? 車両の中には入れませんが、外から拝めるだけでも十分ありがたいです。まさしくトレイン・パワースポット!

筆者

長く長く列車に乗っていたいです

ひたちなか海浜鉄道は2024年春、阿字ヶ浦駅から先3.1km延伸する予定です。駅も2つ増えて終点は国営ひたち海浜公園西口付近まで伸びます。となると「終点としての阿字ヶ浦駅」が貴重な景色に見えてきます。

キハ2005

キハ2005も。延伸が楽しみですね!

ほしいも神社

令和元年に誕生、その名も「ほしいも神社」

阿字ヶ浦駅周辺にはもうひとつ力をいただけそうな場所があります。徒歩約2分の場所にある、その名も「ほしいも神社」です。令和になって最初に創建された神社で、黄門さまもお参りしたことで有名な「堀出神社」のすぐ隣にあります。

ほしいも神社

べにはるか色の鳥居がお出迎え

茨城県は干しいもの生産量全国第1位。特に阿字ヶ浦近辺は冬に晴れ間が多く、海風も強く吹くので干しいもをつくるのに適した土地なんだそう。車窓からもさつまいもの畑がたくさん見られます。

干しいもにあやかって、「欲しいものが総て手に入りますように」という思いも込められて創られた神社ということです。ここでもお願い事をしちゃいましょう。

筆者

いつか車両に住みたいです

お参りの連続になってしまいましたが、ほしいも神社とは驚きました。まさしくスウィートポテト・パワースポット!

ひたちなか海浜鉄道 車窓

さつまいも畑を眺めながら戻ります

阿字ヶ浦駅から再びひたちなか海浜鉄道に約15分乗車し、那珂湊(なかみなと)駅へ。この駅も明日じっくり見るとして、今日はここから路線バスに乗って宿に向かいましょう。

大洗ホテル

冬の大洗であんこうづくし

20分ほど路線バスに乗り、本日のお宿「大洗ホテル」に到着。フロントの方から滞在中の説明をいただいた後に案内が。

「17時30分から当ホテルの名物『あんこうのつるし切りショー』がございますので、よろしければご覧ください」

な、なんですかそれは。とても気になりますが、まずはお風呂に入ってショーに備えましょう。

展望浴場!(写真提供:大洗ホテル)

展望浴場いい眺め!!(写真提供:大洗ホテル)

あぁ気持ちよかった〜〜!

太平洋が一望できて最高でした! お、そろそろショーのお時間ですよ。

あんこうのつるし切りショー

はじまります

司会の方のご挨拶がまずすごい。

「1999年から始まりましたつるし切りショー、今回で3369回目でございます」

そんなにやっているのですか! ショーは「あんこうフェア」が開催される11月から3月まで、毎日やっているそうです。

あんこうのつるし切りショー

料理人さんの解説付き

あんこうのつるし切りショー

すごい迫力でした

「あんこうは捨てるところがない」と聞いたことがありますが、ショーを見てよくわかりました。そして近距離で見ると迫力がすごいです。お泊りの方は必見です。

夜ご飯はバイキング形式のあんこう料理はもちろん、自分でつくれる海鮮どんぶりも絶品!

あんこう鍋

出ましたあんこう鍋!

あんこう料理の数々

大洗名物あんこうコーナー

海鮮どんぶり

大洗ホテル名物海鮮どんぶり

夕食

海鮮どんぶり&あんこう料理づくしセット完成

美味しかった〜。あんこう料理のバリエーションの多さもさすがです。

列車&神社&あんこうを満喫できた1日。大満足でゆっくり休みました。

那珂湊駅

関東の駅百選にも選ばれた那珂湊駅

2日目。再び路線バスに乗って那珂湊駅へ。この駅もいい駅なんですよ〜。

那珂湊駅

1913年開業時から使われている那珂湊駅の駅舎

那珂湊駅 待合室

待合室もいい味出しています

ひたちなか海浜鉄道の名物と言えばこの駅名標。漢字の中に駅周辺の特徴や名物をイラストで描いています。

那珂湊駅 駅名標

可愛らしい駅名標

2015年にはグッドデザイン賞を受賞。ちなみに那珂湊駅の駅名標には「反射炉」と車庫にいる「ケハ601」と「駅ネコ」さんが描かれています。

ケハ601

10分ほど歩くとケハ601に近くで会えます

那珂湊駅は、ひたちなか海浜鉄道のメインステーション。

名駅舎、車庫、気動車たち。「那珂湊おさかな市場」も歩いて10分です。

駅ネコのミニさむ

駅ネコのミニさむには会えませんでした

駅ネコさんは……運が良ければ出会えます。

中根駅

ささやかな秘境駅、中根駅

次は、中根駅で降りました。

中根駅

中根駅はささやかな秘境駅。「周りに人家がない! 寂しくてたまらない!」といった感じではなく、「田んぼと駅があります」とシンプルにお伝えしたくなる素朴な駅です。

また中根駅周辺は撮影スポットとしても有名。

中根駅周辺

列車を撮ってみましょう

中根駅周辺から見た列車

とにかく広いですよ〜

「ローカル線の列車旅をしてきました」という一文を入れたくなるような写真が撮れました。やっぱりいいなぁ、中根駅。ありがとうございました!

この後は勝田駅に戻り、常磐線に乗って約10分、水戸駅で下車しました。

水戸駅

水戸駅で下車した理由、それは「幸田商店」で干しいもが買いたかったから!

幸田商店

駅ビルのエクセルみなみにある幸田商店

昨日からずっと食べたかった干しいも。幸田商店の干しいもはオンラインショップでも買えますが、実際の直営店は水戸駅にしかありません。

たくさん並べられた干しいもを眺めているとウキウキしてきますし、その種類の多さやこだわりも伝わってきます。

干しいも

この干しいもが目に入らぬか〜

水戸駅から再び常磐線で東京駅へ。1泊2日の楽しい旅になりました。

そして自宅で茨城の旅を思い出しながらチビチビ食べる干しいもの美味しさよ。

余は満足じゃ〜!(それは黄門さまじゃなくない?)

東京駅

掲載情報は2022年3月23日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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びゅうたび

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