山手線の全30駅、家賃相場ランキング2022年版!最も高いのは原宿、最安は?

JR山手線30駅の家賃相場が安い駅ランキング2022年版

東京都内で交通利便性を重視して部屋を探すなら、真っ先に思い浮かぶのがJR山手線沿線だろう。人気と知名度の高さゆえに、家賃も高い印象が強いが、あえてそのなかでねらい目な駅を探すならどこだろうか。ワンルーム・1K・1DKの物件を対象とした、山手線全30駅の家賃相場の最新ランキングから考えてみた。

JR山手線30駅の家賃相場が安い駅ランキング 2022年版

JR山手線30駅の家賃相場が安い駅ランキング 2022年版

1位に高田馬場駅が急上昇、沿線内での価格差はせばまる傾向に

最新の2022年版のランキングの家賃相場は2021年版に比べ、全体的に家賃が上昇している。しかし13位の有楽町駅が2.50万円下落したのを筆頭に、下位グループ、つまり家賃の高い駅に限定すると、半数近くが下落。山手線沿線内での価格差はせばまっているようだ。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

1位だったのは高田馬場駅で、2021年版の5位、2020年版の7位から急上昇。上位の駅は軒並み家賃が上がっているなかで唯一の値下げ駅であり、22年にまさにねらい目といえそうだ。所在地の新宿区は都内でも家賃相場の高い方に分類されるが、新宿駅から少し離れれば価格帯も幅広くなる。

高田馬場駅前(写真/PIXTA)

高田馬場駅前(写真/PIXTA)

高田馬場といえば代名詞ともいえるのが、早稲田大学の存在だろう。創立者である大隈重信の像や大隈記念講堂がある早稲田キャンパスや文学部などがある戸山キャンパス、理工学術院のある西早稲田キャンパスの最寄り駅の一つ。東京メトロ東西線や西武新宿線が乗り入れるターミナル駅でもある。

周辺には学習院女子大学など他にも大学や教育機関が多く、一大学生街が広がっている。そのため、進学や就職で初めて一人暮らしを経験する人に心強い飲食店も数多い。近年はラーメン激戦区としてや、エスニック料理店の充実ぶりなどが話題になり、食の街としても人気エリアだ。歴史ある学生街らしく、名画座や小劇場なども点在している。

2位の田端駅は、山手線唯一の北区にある駅。山手線と同様に東京の交通の大動脈である、JR京浜東北線の快速停車駅だ。

田端駅前(写真/PIXTA)

田端駅前(写真/PIXTA)

都心部を通るイメージのある山手線だが、田端駅周辺は落ち着いた住宅街。すぐそばに大きな施設が立ち並ぶというわけではないが、駅直結の商業施設「アトレヴィ田端」があり、飲食店などのほかドラッグストアや成城石井なども入っている。また、駒込駅方面へいけば、昔ながらの情緒が残る商店街などもあり、ちょっとした日々の買い物も楽しい。田端は大正時代、芥川龍之介や室生犀星などの文学者たちが集って執筆活動にいそしんだ文学の街という一面を持ち、駅北口すぐの「田端文士村記念館」では、彼らの貴重な資料なども展示されている。

消滅可能性解消の豊島区、大塚駅や池袋駅は再開発で魅力向上

同率5位の大塚駅と池袋駅は隣駅で、駅間距離は約2km。ともに所在地である豊島区は2014年に23区で唯一、少子化や人口移動などにより将来消滅する可能性がある「消滅可能性都市」だと指摘された。しかし近年、解決のための取り組みが実を結んできており、官民あげた魅力的なまちづくりが進められている。

池袋駅(写真/PIXTA)

池袋駅(写真/PIXTA)

大塚駅周辺も、地元住民とともに再開発が行われている。駅周辺は、「アトレヴィ大塚」や星野リゾートが運営する都市型ホテル「OMO5東京大塚」が入る「ba01」など商業施設が整備され、女性の夜の一人歩きも安心できる明るい街並みになっている。スーパーも商店街も数多い。

山手線で唯一、路面電車(都電荒川線<さくらトラム>)が停車するという下町情緒を生かし、空き家だった古民家をリノベーションした昭和レトロな飲食店が軒を連ねる「東京大塚のれん街」は、話題のスポットにもなっている。また、昔ながらの喫茶店もあちこちに見かけ、ノスタルジックな雰囲気が漂う。駅から少し行った住宅地も区画整理が進み、広い敷地に小さな森や池を備えた「大塚台公園」などが点在。憩いや癒しの場を、そこかしこで楽しむことができる。

東京大塚のれん街(写真/PIXTA)

東京大塚のれん街(写真/PIXTA)

池袋駅は、住宅街である大塚駅と同じ家賃で大繁華街に住めると考えれば、都心らしい暮らしを楽しみたい人にはお得感がより増すだろう。東京の主要な繁華街である渋谷駅、新宿駅が12万円前後であることに比べると、9万円以下の池袋駅のねらい目度もわかりやすい。

豊島区は持続発展する都市「国際アート・カルチャー都市づくり」を推進し消滅可能性都市の危機を脱したが、その世界を視野に置いた街づくりの中心が池袋駅。旧庁舎跡地を活用した「Hareza池袋」など新しい施設が開業したほか、南池袋公園を中心に街全体が人が交流できる開放的な公園のようにしていく取り組みが次々と行われている。

南池袋公園(写真/PIXTA)

南池袋公園(写真/PIXTA)

アニメなどのカルチャー拠点が注目されるが、池袋は駅西口の東京芸術劇場を筆頭に、大物演出家が手掛ける大作から宝塚歌劇団の公演、ネクストブレイクの若手劇団が上演する小劇場まで幅広く上演される、劇場街としての顔も持つ。一方で、少し行けばこじんまりしたスーパーや個人商店がのんびりと営業する住宅街があり、便利な都心と住みやすい街の双方の発展が両立した街といえる。

高値な駅は値下げ傾向、最も「お得」なのは有楽町駅

13位の有楽町駅の相場は10万円、前述したが今回のランキング内で最も「お得」になったといえそうだ。21年は27位で12.50万円、20年は24位で11.80万円から大幅にランクアップしている。

有楽町駅(写真/PIXTA)

有楽町駅(写真/PIXTA)

東京駅から徒歩圏内の隣駅で、皇居や帝国ホテル、銀座も歌舞伎座もすぐそばにある、ビジネス街で繁華街。住む場所としてのイメージが薄く、選択肢から外してしまいそうだが、足を延ばせば銀座三越のデパ地下や、駅前の「ルミネ有楽町」の中に成城石井が入っており、スーパーが皆無というわけでもない。すぐそばの東京交通会館では産地直送の野菜や米、果物などの食材がならぶ「交通会館マルシェ」を実施、平日は5店舗、週末は20~30店舗も出店している。自炊派にとっても満足な買い物環境にあるといえそうだ。

16位の目黒駅も、ランキングこそ21年と同じものの、家賃が下がった駅。東急目黒線と東京メトロ南北線、都営三田線が乗り入れている。

目黒駅前(写真/PIXTA)

目黒駅前(写真/PIXTA)

駅直結の商業施設は規模も大きく、アトレ目黒1には「ザ・ガーデンズ自由が丘 目黒店」ほか地下にも魚屋、肉屋、八百屋が、さらにアトレ目黒2には「プレッセ目黒店」も入っておりスーパーはかなり充実している。駅のすぐそばには小規模な商店街もあるが、中目黒方面まで足を延ばせば、約900mに個性豊かな170の専門店が並ぶ「目黒銀座商店街」も。昭和レトロな店舗からおしゃれな雑貨屋まで、散策も楽しい。

繁華街の印象が強いが、駅すぐそばには結婚式場としても人気のミュージアムホテル「ホテル雅叙園東京」がある。美術工芸品の展示や豪華な内装は有名だが、落ち着いた庭園も非常に魅力がある。その庭園の存在もあり、意外なほど緑豊かで落ち着いた雰囲気も感じられる。花見の名所で知られる目黒川もほど近い。

春の目黒川(写真/PIXTA)

春の目黒川(写真/PIXTA)

都心部を選ぶときに気になるのが、手近に大きなホームセンターがあるとは限らないという点だが、目黒駅から少し離れてはいるものの、22年夏に目黒通り沿いに家具・インテリア雑貨の「ニトリ」の大型店舗の開業が予定されている。

人気のある路線は、各駅がそれぞれ違った吸引力にあふれている。どれも魅力的で目移りしてしまうが、そこから厳選するのも、また部屋探しの楽しみの一つだろう。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されているJR山手線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2021/10~2021/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

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