維持費を抑えたクアッドコア搭載のLTEスマートフォン 月々3千円台で運用できるイー・モバイル『STREAM X』をレビュー

維持費を抑えたクアッドコア搭載のLTEスマートフォン 月額3千円台で運用できるイー・モバイル『STREAM X』をレビュー

月々3千円台で運用できるという維持費の低さが驚異的なイー・モバイルのLTE対応Androidスマートフォン『STREAM X(GL07S)』。以前に実機を触っていたのですが、実は端末の性能もなかなかのものだったのが印象に残りました。今回は3月に発売された実機をお借りしてじっくり触ってみたので、レビューをお届けします。

維持費は月々3千円台

まず、最大の特徴である維持費について整理しておきます。イー・モバイル同士の国内通話とSMSが24時間無料になる料金プラン『LTE電話プラン(にねん)』と、専用の定額データ通信プラン『データ定額5』に新規加入した場合、『LTEスマホ割』が適用され、月々のサービス支払い額は合計で3880円となります。さらに “バリュースタイル”に加入すると、端末価格は実質0円。端末代の支払いがなく、低い維持費を実現します。

LTE電話プラン(にねん):980円/月
データ定額5:3880円/月
LTEスマホ割:-980円/月
端末分割支払い:1750円/月×24回
月額割(バリュースタイル適用時):-1750円/月×24回
計:3880円/月

2年契約にしない『LTE電話プラン(ベーシック)』を選択すると、端末価格7万2000円が初期費用としてかかります。これは月々3880円のみで済む2年契約にしない手はないでしょう。

Android 4.1+クアッドコアのハイエンド機

維持費は安くても、スペックは充実。OSにAndroid 4.1.2、4.7インチで1280×720ドットのHDディスプレー、1.5GHzの『K3V2』クアッドコアCPU、32GBの内蔵メモリーを搭載します。イー・モバイルでは初めて『おサイフケータイ』にも対応した、最新のハイエンド端末なのです。

『Quadrant Standard』のスコアは5153

性能はベンチマーク結果にも表れました。ベンチマークアプリ『Quadrant Standard』のスコアは5153。比較対象で最上位の『HTC One X』を上回る結果に。

『Stream X』で撮影

カメラ機能も充実しています。1300万画素のカメラと、『Xperia Z』で採用されている画像処理エンジン『Exmor RS』を搭載。HDRやパノラマ撮影など高度なカメラ機能が利用できます。

ディスプレー面 背面 側面

持ちやすく、高級感のあるデザインも特徴。大画面ながら幅を67mmに抑え、重量は約122gとスリムで軽量です。全体に角を落としたデザインは薄さをより感じさせ、側面のラウンド形状が手になじむ形状。女性でも持ちやすいのではないでしょうか。

モバイルルーターとしての実力を検証

『STREAM X』は『EMOBILE LTE』に対応し、LTE対応エリアで下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsの通信、『EMOBILE G4』エリアで下り最大42Mbps、上り最大5.8Mbpsの通信が可能。テザリング機能が利用でき、モバイルWi-Fiルーターとしても利用できます。

ホーム画面の『Pocket WiFi』ウィジェット

イー・モバイルのスマートフォンは、モバイルルーターとしても使いやすく設計されているのが特徴です。ホーム画面の『Pocket WiFi ウィジェット』をタップするだけでテザリングが可能になるため、本体の電源を入れて起動してから使うモバイルルーターより気軽に利用できます。

では、テザリングでどれぐらい電池が持つのでしょうか。フル充電後にテザリングでノートパソコン(PC)を接続して、業務に使ってみました。『BNRスピードテスト』(http://www.musen-lan.com/speed/)で計測したところ、新宿のオフィス内では下り6.98Mbps、上り6.06Mbpsの速度が出ています。

5時間テザリングした後の電池残量は28%

『STREAM X』本体もGoogleアプリの同期をしながらノートPCをネットにつないで連続使用したところ、5時間後の電池残量は28%でした。移動の合間や外出先で使うには、十分な時間利用できるのではないでしょうか。バッテリー容量は2350mAhで、カタログ値ではテザリング時に最大8時間の連続通信が可能とされています。

軽快動作のホーム画面にも注目

アプリドロワーがないホーム画面

『STREAM X』のホーム画面は、アプリドロワーがなくアプリアイコンやフォルダが並ぶ『iPhone』のようなユーザーインタフェースを採用しています。アプリドロワーを開き、さらにアプリドロワーの画面を遷移してアプリアイコンを選び、アプリを起動する――というステップがない分、サクサク軽快に使える印象。ほかのAndroid端末では、アプリドロワーの表示や遷移の動作にわずかでも引っかかりがあると、それがストレスに感じてしまうんですよね。

「Google Apps」のフォルダ

フォルダは「システム」「アクセサリ」「ツール」「Google Apps」など10種類のものが用意されており、新規フォルダの追加はできませんが用途別に整理しやすい構成。『Google Playストア』などからインストールしたアプリはホーム画面にアプリアイコンが追加されるので、よく使うものを固めて配置したりフォルダ内に追加して、使いやすくカスタマイズしていけます。

モバイルルーターか『STREAM X』か

スマートフォンとしての性能と使いやすさ、モバイルルーター用途での使い勝手をレビューしてきましたが、モバイルルーターを既に持っている人は、『STREAM X』と2台持ちにするべきなのでしょうか?

『STREAM X』のデータ通信定額プラン『データ定額5』では、スマートフォンの上限の通信量は5GBまで。5GBを超える場合には速度制限が適用されます。速度制限解除料2625円を支払うと、当月中は通信速度・データ通信量の制限を気にせず利用可能。長時間連続で使用したり通信量が多い場合は、モバイルルーターの方がオススメですが、外出先でノートPCやゲーム機をネットにつなげたい、という用途では『STREAM X』でも十分対応できそうです。

LTE通信規格のUE Category4に対応することから、将来的には下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsの高速通信が可能。イー・モバイル側でのUE Category4への対応時期は今のところ未定ですが、対応すればスマートフォンとしてだけでなく、モバイルルーター用途にも高速通信の恩恵を受けられることが期待できます。

何よりLTEの高速通信が使えて月々3千円台で運用できるというだけで、今使っているモバイル機器の統廃合を検討してみたくなる読者も多いのでは? スマートフォン単体でも魅力ある端末なので、店頭で見かけたら触ってみることをオススメします。

『STREAM X(GL07S)』主な仕様
OS:Android 4.1
通信方式:1800MHz(LTE)、1700/2100MHz(HSPA/W-CDMA)、900/1800/1900MHz(GSM)
サイズ:約W67×D137×H8.6mm(最厚部9.2mm)
重量:約122g
3G連続待ち受け時間:310時間
LTE連続待ち受け時間:270時間
連続通話時間:約760分
ディスプレー:約4.7インチ 1280×720 HD TFT液晶
カメラ:有効画素数約1300万画素CMOS
インカメラ:有効画素数約130万CMOS
CPU:HiSilicon K3V2 1.5GHz クアッドコア
バッテリー容量:2350mAh
ROM/RAM:32GB/1GB
テザリング:対応
おサイフケータイ:対応
カラー:ブラック

『STREAM X(GL07S)』(イー・モバイル)
http://emobile.jp/products/gl07s/

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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