楚々とした風情が魅力的な花も美しい和のハーブ3選
今、「和のハーブ」に人気が集まっています。ハーブと言えば「洋もの」と思いがちですが、日本料理によく用いられる。シソ、ワサビ、ショウガなどがも立派な和のハーブ。和のハーブの中から、花も楽しめる品種を紹介します。
花が美しく、食用にもなる和のハーブ3種
和のハーブの中には、里山でよく見かける野草も。一般の園芸店や山野草の専門店などで苗が扱われているので、ぜひ探してみてください。わりあい丈夫な性質のものが多いので、育てやすいのもうれしい点です。
和のハーブって?
和のハーブは西洋のハーブと同じく、数えきれないほどの種類があります。また、日本人が日常的に、食卓にあげているもの多数です。
たとえば、「シソ(紫蘇)」、「ミツバ(三つ葉)」、「ユズ(柚子)」、「サンショウ(山椒)」、「ショウガ(生姜)」「ワサビ(山葵)」とおなじみの面々が、和のハーブの代表格。
そのほか、雑草扱いされがちな「ヨモギ(蓬)」は、草餅に欠かせない野草として有名。香りがよく、薬効にも優れています。あまり聞き慣れないところでは、日本に自生する和のローズ「ハマナス(浜茄子)」は、花びらはもとより、実もビタミンCが豊富で、お茶やジャムで楽しめます。
和ものハーブはほかにも、和のタイムとも称される「イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)」は、お茶や料理に利用にできるだけでなく、香りのよいグラウンドカバーにも。
ヨーロッパで古くからシロップで愛飲される、エルダーフラワーによく似た「ニワトコ(接骨木)、西洋の柑橘の代表がレモンならば、日本では、「ユズ(柚子)」「カボス(香母酢)」…といった具合で、海外で活用されているハーブに対し、同じように用いられている和のハーブがたくさん存在します。
さらに和のハーブは、花が美しくガーデンの彩りになるもの、香りが楽しめるもの、ほふくしてグラウンドカバーにも使えるもの、果実酒やハーブ酒になるものなど、さまざまな活用法が。生薬として愛用されてきた、薬効豊かな植物も少なくありません。
暮らしをより豊かにするため、上手に和のハーブを取り入れたいものですね。
ノカンゾウ(野萱草)
ノカンゾウ(ユリ科)は、「デイリリー」の名前でも知られる「ヘメロカリス」の仲間。
日本に自生するニッコウキスゲも、同じグループです。
ノカンゾウの花期は、7~8月。鮮やかなオレンジ色の花は、一日で咲き終わってしまう「一日花」ですが、次々と咲いて目を楽しませます。
また、ノカンゾウの花のツボミをゆでて、乾燥させたものは、生薬の「キンシサイ(金針菜)」としても知られます。若い芽や葉、花は天ぷらやおひたし、油いためなどにして、食用もできます。
ノカンゾウはもともと日本の山野に育つ丈夫な多年草なので、耐寒性・耐暑性にすぐれ、育てやすい性質です。何年も植えっぱなしでもよく増えて、毎年花を咲かせます。
園芸店でもよく流通していますから、入手は容易です。
ゲンノショウコ(現の証拠)
ゲンノショウコ(フウロソウ科)はドクダミやセンブリと同様に、日本で古くから用いられてきた代表的な民間薬です。愛らしい花姿に似合わない「現の証拠」という堅苦しい名前は、その薬効から名づけられました。
「食べるとすぐに効き目が現れ、下痢が止まる」ことから、その名が「現の証拠」となったのだとか。根ごと掘り上げて陰干しにし、煎じて飲むとよいとされます。
五弁の小花を咲かせるゲンノショウコの花期は、7~10月。一般の園芸店ではあまり見かけませんが、山野草専門の園芸店で入手可能です。そのほかの薬効豊かな和のハーブとともに、寄せ植えにするのも一興です。
ツユクサ(露草)
ツユクサ(ツユクサ科)は、日本全国の空き地や野原、あぜ道などに見られる一年草。雑草扱いされがちですが、立派な和のハーブです。
ツユクサは、若い葉や茎をおひたしやサラダにできる野草。花も食用にできるエディブルフラワーです。咲いているときの姿そのままに天ぷらにすると、食卓の話題になること請け合い。
そのほかツユクサは、万葉集の時代からすでに染料として用いられてきました。ただ、その美しい青色は、水にさらすと消えてしまいます。これを逆手にとって、友禅染めの下絵を描く染料として活用されてきました。
ツユクサの苗や種は、山野草専門店やネットショップなどで入手可能です。一般的な園芸用の培養土を用い、肥料は少なめに。風通しがよい場所で育てるとよいでしょう。
おわりに
いかがでしたか? 薬効があったり、古くから日本人の暮らしに密着していたり、エピソードの多い和のハーブ。あなたの庭でもぜひ育ててみてくださいね。
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