手足と尻尾が長い「クモザル」は、樹上生活に適用するための進化をしたおサルさん

手足と尻尾が長い「クモザル」は、樹上生活に適用するための進化をしたおサルさん

クモザルは、名前の通りクモを彷彿させる長い手足をしたサルです。
その見た目は文字通りクモのようですが、手足だけでなく尻尾も非常に発達しています。

ここでは、そんなクモザルがどのような動物なのかをご紹介します。
サルの中でもとてもユニークな見た目をしているので、気になる方はクモザルがどんなサルなのかぜひチェックしてみてくださいね!

クモザルとは

クモザルは、霊長目クモザル科に分類される動物です。
ジェフロイクモザルなどとも呼ばれるサルであり、その姿形は他のサルにはないものを持っています。

クモザルの生息地

クモザルは、中南米の熱帯雨林に生息しています。
生涯のほとんどの時間を樹上で過ごします。

樹上生活をメインに行っているため、木がないと生活できません。
木が伐採された地域では、逃げ場を失ったクモザルが天敵に捕食されるということもあり、大きな問題となっています。
事実、近年は乱獲だけではなく、森林伐採などの環境破壊によって絶滅危惧種に指定されています。

クモザルの食性

クモザルは木の上で採れるものなら何でも食べるといっても過言ではありません。
木の実や果物だけでなく、木の葉や鳥の卵、昆虫やカタツムリ、カエルやクモなどが多く、雑食に近い食性を持っています。

普段は大きな群れで生活しているのですが、食事の際には小分けになった群れで早朝を済ませるなど独自の生態を持ち合わせています。
クモザルは、まるで人間の家族のような社会性を持ち合わせているのです。

クモザルの群れ

クモザルは社会性がとても強い動物で、日中は20匹~30匹ほどの群れで生活するのが特徴となっています。
夜中は5匹前後の群れに別れて眠るとされており、その生活は集団生活も単独生活も好む人間に非常に近いとされています。

なお、群れでは独特の声を出してコミュニケーションをとることがわかっており、フートと呼ばれる単調な音を使って会話することもあります。
このフートは、森の中でも約500m先まで聞こえるらしく、まさにクモザルが生きていくために必要な機能となっているわけです。

樹上生活に特化したクモザル

クモザルは長い手足と尻尾が特徴なのですが、なぜ手足と尻尾が進化したのかというと樹上生活を送るためだとされています。
事実、クモザルはほとんどの時間を木の上で過ごします。

クモザルの名前の由来はその姿と行動から

そもそもなぜクモザルという名前がついているのかというと、その姿と行動が理由となっているそうです。

1つがクモのように細長い手足を持つことから。
もう1つが、シルエットがクモのようだからということにあります。

これらの理由からクモのようなサルということで、クモザルという名前が付けられたわけですね。

5本目の腕ともいわれる長い尻尾

長い手足を持つクモザルには、「5本目の腕」と呼ばれる尻尾があります。
事実、その尻尾は手足並みに器用で高性能です。

クモザルの尻尾は柔軟かつ強靭で、力強いだけではなくてとても器用に動かすことができるのです。
尻尾を手足のように使って木の上を器用に移動するなど、クモザルにとって尻尾は欠かせないものとなっています。

クモザルには親指が無い

ちなみにクモザルには、親指がありません。
もしくはあったとしても非常に小さいのが特徴となっています。

本来、人間のようなサルに近い動物たちは親指がないとものを掴んだり離したりすることが大変難しいとされています。
しかし、クモザルは尻尾が非常に発達している他に手足も発達しているため、親指があまり必要ないのです。

ユニークな特徴のあるおサルさんたち

実はクモザル以外にも独自の進化を遂げたサルは多いです。
ここからはその中でも特にユニークな特徴を持っているサルについてご紹介します!

歌うのが大好きな「テナガザル」

テナガザルは手が長いだけではなく、歌うのが大好きなサルです。

主に縄張りを主張するために歌うとされています。
歌が聞こえてくる範囲には「入ってくるな」と周囲に警告しているのだとか。
歌は警告だけではなく威嚇のためにも使われることがしばしばで、他のサルたちと戦うときにも用いたりするそうです。

また、テナガザルは夫婦でデュエットを行います。
しかも、オスとメスで歌うメロディーのパートやラインが違うなど、人間のように歌を活用したりするわけです。

無数のパターンを使いこなす姿は、まさに歌の達猿と呼べるでしょう。

人間の介助もできてしまう頭のいい「フサオマキザル」

フサオマキザルは、人間の介助もできるほど頭がいいサルです。

事実、南米では介助犬ならぬ介助猿を務める個体もいるなど、フサオマキザルは人間にとっても欠かせないサルになりつつあります。
そんなフサオマキザルはただ賢いだけではなく、手先もとても器用で道具も使えるほど頭がいいとされています。

訓練すればスプーンで食べ物などをすくったり、ドアを開け閉めしたりすることもできるようになるのだとか!
中には食事を電子レンジで温める作業もできる個体がいるなど、サル界一の頭の良さを持つと言っても過言ではありません。

お鼻が立派な「テングザル」

テングザルは文字通り、天狗のような立派な鼻を持つサルです。

この鼻が立派であればあるほどイケメンとされ、異性からモテるのだとか!
鼻が大きいほどいい鳴き声を出せることなどから、多くの群れを率いるのにも最適とされ、テングザルにとっては鼻そのものが強さの象徴となります。

まとめ

クモザルは、名前にクモと入っていますが、これはクモのような見た目をしているため付けられたとされます。
とはいっても、足が8本あって~というわけではありません。
クモを連想させるような、長い手足を有していることから付けられた名前です。

そしてクモザルには5本目の腕ともいわれる尻尾もあります。
その尻尾を使う事で、樹上生活を満喫しているのです。

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