フリーランスという働き方を辞める事にした。
今回は、『はてな匿名ダイアリー』から転載させていただきました。
フリーランスという働き方を辞める事にした。
Web制作の会社も入った事の無い俺が、ひょんな事から独立してから2年。
今月で2年間続けたフリーランスという名の将来性の見えない働き方を辞める事にした。
俺の経験が役に立つかはわからないが誰かの参考になればと願い、記録に残す事にした。
元々俺は、フリーランスになりたくてなったタチでは無く、事情があり半ば強制的に独立の形を取った。
独立当初はTwitterとかFacebookのSNSを駆使して仕事を獲得していた。
今流行りのソーシャル営業ってやつだ。
経験の無い俺が厳しいWeb制作の世界でどうやって生き残ろうか考えた時、今までずっと使っていたインターネットを駆使して営業してやろうと思った。
思惑通り売上は右肩上がりに伸びて行き、食う分には全く困らないぐらい金も手元に入った。
このまま彼女と結婚して、幸せな家庭を築くはず、だった。
元々PhotoshopやIllustratorでデザインを作る事が好きだった俺は、コーディングの案件はほぼ請けずにデザインの案件だけで食ってきた。
経験が無くてもここまで仕事が来るものかと、天狗になってたんだ。
今思えば何と浅はかな考えだったのだろうと思う。
独立して1年を過ぎた頃大きな案件が入った。
それまでは小規模な仕事しか請けてなかったが、とある代理店から3桁を超える中規模案件の獲得に成功した。
これが終わりの始まりだった。
まず大規模な案件を回すには金がいる。資金繰りってやつだ。
銀行に相談して300万ほど資金を調達した。
案件が進むにつれ増えて行く修正と言う名の追加構築。
次々に変更される原稿。
来たれど来たれど金を請求できない日々。
300万の資金は外注への支払いで底を付いた。
他の細かな案件で何とか食いつなぐ事にした俺は、1人では到底できない量の仕事を大量に請けた。
今思えば本当に馬鹿だったと思う。
無論1人当りのキャパを完全に超えた量の仕事を請けた俺は連日徹夜で作業を続けた。
当たり前だが疲れた体ではミス連発の悪循環が起き、体はボロボロ。
重なっていく未回収の金。回収するために裁判だって起こした。
Twitterで少しぐらいグチをこぼしたいと思っても、クライアントに監視されて気軽につぶやけない日々。
ソーシャルでも現実でも監視され、誰にも弱音を吐けない日々。
精神的にギリギリだった。
資金がいよいよ無くなりかけた時に俺は再度銀行に走った。
銀行からの回答は「会社法人では無いのでこれ以上の融資はできません」との事だった。
ああ、フリーランスってのは社会的に信用が無いんだな。と俺は心底思った。
いくらきちんと税金を払っていても、人に恥じる様な事をしていなくても、社会的信用は無いに等しいものだなと痛感した。
この時俺の中で何かが折れた。
今までやってきた事が音をたてるように崩れ落ち、自分の無力さ、社会的弱者という立場に愕然とした。
地獄のような案件がやっと終わった今月、確実な社会的信用を取り戻すために俺は会社員に戻る。
俺は負け犬だが、これから独立を考えている人たちにこれだけは言わせてくれ。
最近流行っているノマドやフリーランスという甘い言葉に決して騙されないで欲しい。
社会的信用、将来の生活保障、税金、年金。
これら全て、現状は会社員の方が待遇が厚くフリーランスの待遇なんてほぼ皆無と思っていいだろう。
そしてこの国は、個人事業主に対して更に重い圧力をかける政策を進めている。
フリーランスになるという事は全ての責任を誰にも頼らずに自分自身で負うことだ。
”自由”という言葉は確かに魅力的かもしれないが、その代償は限りなく大きい。
フリーランスを推奨する輩が急速に増えているが、俺には地獄へ手招きしている様にしか見えない。
乱文で失礼しました。
転載元:こちらは匿名投稿『はてな匿名ダイアリー』からの転載です。
画像:DSC_9402『flickr from YAHOO!』
http://www.flickr.com/photos/58660335@N02/6351591920/
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