『cakes炎上騒動』は起こるべくして起きた 「経験ある編集者不在」が懸念材料の“ネット媒体”

まず、人であれ
コンテンツ配信サイト『cakes』が、またも炎上騒ぎとなっています。
声優で文筆家の浅野真澄さんが9日、『cakes炎上の結果、私の連載は消滅してしまいました』として、その詳細を文章で掲載。そこで明かされた『cakes』の不誠実な対応に、ネット上で「cakesが何度も炎上する理由が分かった気がした…」「この人たちは何も学んでないんだと感じた」といった声が寄せられていました。
cakes炎上の結果、私の連載は消滅してしまいました。どうすればこの結果を回避できたのか、出版に関わる全ての人に、ご意見をうかがいたいです。
cakes炎上と、消滅した連載|あさのますみ @masumi_asano #note https://t.co/dEt8Mz5gNq
— 浅野真澄@あさのますみ (@masumi_asano) December 9, 2020
ホームレス記事はなぜ炎上したのか 取材に欠けていた「当事者性」|久田将義 | TABLO
『cakes』といえば10月、同コンテンツで連載を持つ幡野広志さんが、夫のDVに悩む女性の訴えを“嘘”だと切り捨て、非難の声が殺到。そして、11月には「ホームレスを3年間取材し続けたら意外な一面にびっくりした」と題した掲載が炎上騒ぎとなりました。
浅野さんは、友人の自死をテーマにした文章をcakesにて連載する予定だったそうですが、
立て続けに起きたこの2つの炎上により、運営側から「自死というセンシティブな内容を扱っているから掲載できない」という判断を突きつけられてしまったといいます。
この結果に至るまでには、担当編集からの、
『これ、フィクションってことにしませんか。そしたらほぼ書き直さずに載せられます』
といった言葉や、編集長からの、
『掲載できないのは炎上のせいではありません。内容に問題があったのです』
『この連載を掲載して生じるリスクについて、あさのさんはどうお考えですか』
『繰り返し強調しますが、炎上のせいではありませんので』
といった言葉があり、すっかり消耗しきってしまったとのこと。
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最終的にcakes側が『炎上が原因で、あなたに非はありません』と認めたものの、『cakesは未熟で、センシティブな内容を取り扱えるほど成熟しておりません。ですからやはり、この原稿は載せられません』と連載の予定は消滅してしまったといいます。
浅野さんは『フィクションってことにしましょうと提案された日から、一度も通して朝まで寝ることができないまま、答えが見つからないモヤモヤを、私は今も、抱え続けています』と悲痛な胸の内を明かしていました。
こうして明かされたcakesの不誠実な対応に、批判の声が浮上。ネット上では「cakesが何度も炎上する理由が分かった気がした…」といった声をはじめ、
「あまりにも酷い。“フィクションにしましょう”なんて言葉、どんな神経してたら思い付くんだよ」
「ホームレスを人生ゲームにして遊べる倫理観の持ち主が賞を貰える媒体なんだから、自殺をフィクションに仕立て上げるぐらい朝飯前だよな。とにかく人の生き死にに対しての感覚が薄過ぎる」
「良い連載や記事もたくさん有るのに…。cakesがこれで失う物はきっとcakes側が思うよりもずっと多い」
「信じられない…炎上は“センシティブな内容に対する配慮不足”のせいであって“センシティブな内容を取り扱ったこと”ではないのに…cakes側は何が問題なのかすら理解できてなかったんだ…」
「2回の炎上と真摯に向き合っているならこんな愚挙に及ぶはずもない。この人たちは何も学んでないんだと感じた。浅野さんを応援したい」
といった怒りの声が寄せられていました。
cakes編集部が主催したコンテストの受賞をきっかけに連載準備を進めていた方に、多大なる心理的ご負担をおかけした件で多数批判の声を頂戴しています。ひとえに、編集部からのコミュニケーションに未熟な点があったことに起因しています。改めて、深くお詫び申しあげます。
— cakes(ケイクス) (@cakes_PR) December 10, 2020
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こうした状況を受け、cakesは『連載準備を進めていた方に、多大なる心理的ご負担をおかけした件で多数批判の声を頂戴しています。ひとえに、編集部からのコミュニケーションに未熟な点があったことに起因しています。改めて、深くお詫び申しあげます』と謝罪文を掲載。『引き続き、著者と真摯に対話してまいります』としていましたが、丸く収まる道はあるのでしょうか。(文◎絹田たぬき)
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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。
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