au冬の本命なるか! htc渾身の一作『HTC J butterfly』
11/20(火)、ザ・プリンス パークタワー東京にて“「HTC J butterfly」プレスイベント”が行われた。
「ひとめ惚れの予感」をさせるこの『HTC J butterfly』、早くも冬モデルの大本命との呼び声も高い。
HTC Corporation CEOのピーター・チョウ氏、KDDI株式会社 代表取締役社長 田中 孝司氏ら直々にプレゼンを行ったこのイベントを通して『HTC J butterfly』(以下 butterfly)のどんな部分が魅力であるのかをお伝えしたい。
「ユーザーエクスペリエンス」
今回の発表会で、最も使われた言葉のひとつとして「ユーザーエクスペリエンス」というワードが挙げられる。
以前の発表では、そのカタログスペックが取り沙汰される事が多かった『butterfly』だが、その実、スペックすべてにおいて「使う人のここちよさ」を第一には設計されたという説明が今回細やかに行われた。
ユーザー第一に考えた、というのは具体的にどんな部分だろうか。
使いやすさのために設計から根本的に見直したデザイン
「パーフェクトフォルム」と称される『butterfly』は5インチディスプレイを搭載しながらも非常に薄い。一番厚みのある中心部でもおよそ9.2mm。そこから両端に向けて徐々に薄くなっている。
記者が実際に手にして思ったのは「スマホっぽくない重さ」とフィット感であるという点。iPhone4やiPhone5がエッジを効かせたデザインで、iPhoneらしい“リッチな重量感・質感”を感じさせているとしたら、『butterfly』は全く違うベクトルで“デザイン”されていると言えそうだ。「デバイスそのものが個性を放つ」というよりも「デバイスが人に合わせて形を変えてきた結果のデザイン」という表現が妥当だろう。
画面は非常に広いのだが、その大きさに比例して重くはなっていないため、相対的に軽さが際立ったとも言える。そしてディスプレイのエッジと背面の丸みのおかげで、握った時に「落とさないように」と意識することがない位、自然に支えることができた(と、後から気づいた)。「手に吸い付く」という表現は決して大げさではなかった。
また、従来のHTC機種は「液晶・基盤・電池」という構造で構成されていたのだが『butterfly』では少しでも薄さを稼ぐために、この順番が変わっており、「液晶・電池・基盤」の順番で積層されている。
ただしその代償として、本機種では電池交換は出来なくなっている。薄くなり気密性が高まったが、予備電池との交換は出来ないというわけである。しかしながらその点を割り引いても余りある仕上がりである。
見やすく美しい画面にするための「5インチ・フルHD」だが、画面が広くなればなるほど「握りやすさ」や「グリップ感」は落ちる。HTCはディスプレイのフレーム(すなわち全体の横幅)を削り、そして全体の厚みを極限まで削ることで「矛盾」を減らしたと言えそうだ。
解像度は440ppi、液晶視野角は160度
「ディスプレイ視野角160度」は伊達ではなく、どの角度から見ても色味が変わることはないのはもちろんのこと、高精細で発色も非常に良かった。またポスターやカタログなどの印刷物が350ppiなのに対し『butterfly』の液晶は440ppi。『butterfly』で撮られたというサンプル写真の精細さも素晴らしかった。
“日本市場に向けて”作った
『butterfly』では防水、おサイフケータイ、ワンセグ(アンテナ内蔵)、赤外線通信、緊急速報メール、SMSなどが標準装備されている。とかく「ガラパゴス化」と揶揄される日本市場において、海外メーカーであるhtcが積極的にこうした“日本仕様”を取り入れてきたのは非常に印象的。
“日本仕様”以外にも、4G LTE対応やテザリング機能ももちろん採用している。
こうした対応すべてが「ユーザーエクスペリエンス」の一端であると考えると、『butterfly』の設計思想の一貫性がうかがえる。
フロントカメラは広角88度、F2.0レンズ
『butterfly』の売りは、何を差し置いてもカメラである、というほどのカメラ押しでもあった。本機種ではメインカメラとフロントカメラの2種類が用意されているのだが、とりわけ「自分撮り」の需要に特化している。メイン・フロントともにF2.0対応という明るいレンズを採用したことだけでも十分すごいのだが、フロントカメラでは広角88度という広い範囲の撮影が可能となっている。
実際に乃木坂46のメンバーが集まってフロントカメラでの撮影を行っていたが、フルメンバー全員が楽々フレームに収まっていた。
従来の一般的なフロントカメラで「自撮り」しようとしても、フレームインできるのはせいぜい2人程度。『butterfly』では4人同時に並んでも無理が無い設計にしている。
また、会場では前機種である『htc j』とのフロントカメラ比較を行うことができた。それぞれの機種を並べて記者がカメラを構えた画を撮影してみたのだが、『htc j』では本人(記者)だけでフレームがいっぱいになってしまった。一方、『butterfly』のフレームには、記者の背後にいる人も余裕で映り込んでいた。
また、これまでのケータイカメラのような「解像度第一主義」ではない。
画素数だけでいえばメイン800万画素、フロント210万画素なのだが、仕上がった写真はキレも鮮やかさも備えている。
色味やレンズが写真において重要であると言わんばかりに、トータルバランスの調整に力を注いでいるのがわかる。
起動0.7秒のカメラアプリを実際に触ってみたところ、レスポンスの良さ・処理の速さに驚いた。「シャッターを押して楽しい」というデジカメを初めて買った時の“ワクワク感”を思い出させる仕上がりだった。
どのくらいのバッテリー持ちなのかを試したい
ここまでベタ褒めとなった『butterfly』だが、記者の個人的な懸念はそのバッテリー持ちだ。
公表値では「連続通話時間は約170分、連続待ち受け時間約360時間(3G)/約270時間(LTE)」となっているので決して悪くは無い(というか、むしろ良い)。
もし実際に購入して使用した場合、1.5GHzのクアッドコアCPUとGPU、2020mAhのバッテリー、そしてAndroid4.1の電源管理という組み合わせがどのくらいの“使用感”となるのかは非常に興味深い。
しかしながらこの機種がスペック偏重主義ではない点を考慮すると、バッテリー持ちにおける心配も杞憂なのかもしれない。
ユーザー第一主義の全部入り
これまでのHTCの機種がイノベーターやアーリーアダプターと呼ばれるいわゆる「玄人」寄りの製品が多かった印象だが、『butterfly』はそうしたユーザーの垣根を取り払い、万人に薦めたくなる製品づくりを行ったと言えよう。
まずユーザーありき、そしてユーザーにとって必要なものを取りそろえた『HTC J butterfly』、発売は12月上旬の予定だ。
HTC J butterfly HTL21 | スマートフォン | au
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/htl21/ [リンク]
主な仕様
サイズ:71×143×9.2mm
重さ:約140g
OS:Android4.1
CPU:MDM9615+APQ8064(1.5Ghz)クアッドコア
内蔵メモリ:ROM16GB、RAM2GB
外部メモリ:32GB microSDHC セキュア対応
ディスプレイ:約5.0インチ、super LCD3 FHD
メインカメラ:約800万画素、CMOS
サブ(フロント)カメラ:約210万画素、CMOS
撮影サイズ:静止画3264×1840(16:9)、動画1920×1080(1080p)
バッテリー容量:2020mAh
連続通話時間:約750分
連続待ち受け時間:約360時間(3G)、約270時間(LTE)
防水:IPX5対応サービス・機能:LTE、Wi-fiテザリング(最大接続数8台)、おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、赤外線通信、GPS、緊急速報メール、GLOBAL PASSPORTほか
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